磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

090被爆したメディア王

2006年06月16日 | Ra.
ラヂオアクティヴィティ[Ra.]
第一部ブロック・バスター

四、インスタント・カーマ

090被爆したメディア王



「まるで、地獄だ!ここが、アメリカとは思えないのだ。だがここはアメリカであり、私はメディア王・エリックである。諸君は、何も恐れることはない。恐怖からは何も学べない。恐怖を乗り越えて学ばなければならない。それが人生である」

カメラはひいた。
上半身裸のエリックの体は服がなく……。
それは広島の記念館でみたような恰好であった。
そして、腹から紐が出ていた。

「あれは?」
ミス・ホームズは指さした。

「大腸ね!」
女医の桜田は冷静に答えた。

「大腸! エリックさん、テレビで会話するより、治療をしたほうがいいのでは?」
「治療?……、ドクターも今ごろは、自分自身の姿を見て、恐怖していることだろう。いや、灰か煙になっていることだろう。何せ、私は三億ドル以上したシェルターにいてさえ、こうだったのだ……。しかし、特殊な箱に入れられた機材は無事でこうやって放送できている……。さすが、三億ドルというべきか……」

核戦争があるかどうかはわからない。
それなのに、真摯に核シェルターをつくる人間がいるのだろうか?

「すぐにでも、安全な地帯にいる医者を送ってくれたまえ!」

「大統領は?」
「大統領は生きているだろう。世界一のシェルターの中で過ごしたことだろう。が、今は地上には出ないだろう。食料、その他も、そろっているはずだ……」

「ちっ!」
マイクは舌打ちをした。

それだからこそ、戦争を拡大させることができたのだと思った。
なんて卑怯な奴と怒った。

「どうしたのです?」
「ここらは、立ち入り禁止地区にされる。自由に出入りできないだろう」
「どうしてですか?」
「放射能が危険だからだ……」

「あの、広島の五百倍の水爆が使われたとコンピューターで計算した。見てくれ、衛星で、見る今のワシントンの現状だ」

衛星からの画像は見事にぶち壊された、いや、皆目なにもない……、ここは、もしかしたら、火星ではないだろうか?と、マイク思った。

「エリック、私がそちらに行きましょうか?」
女医の桜田は提案した。

「無理だろう。ここには入れないだろう」
「核兵器をどうして、廃絶しなかったの?」
とソフィー。

「私は廃絶したかったよ。しかし……。世の中の流れというものには勝てなかった。メディア王などと呼ばれていい気になっていたが、実に愚かだった。もっと、核兵器廃絶に力を入れていればよかった」
「そうですか……」

ガガガー……。
テレビは変な音をだした。
そして、画面は白黒になった。








閑話休題

もちろん、アメリカにも
反核運動をされている方もおられます。

原爆開発をした人にも、
おられます。

イラクやイランの人にも、
平和を願う人はいると思う。






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