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20世紀の権力とメディア-ナチ・統制・プロパガンダ-

2009年07月06日 | 読書日記など
『20世紀の権力とメディア-ナチ・統制・プロパガンダ-』
   平井正・著/雄山閣出版1995年

ナチス・ドイツの焚書坑儒は「ドイツ学生団」がやったようだ……。



放送クーデター 1993年1月30日昼。下「」引用。

「ラジオはふたつの些細な音楽放送の間に、次のような報道を流した。
「国民社会主義の指導者アドルフ・ヒトラーは、今日の昼大統領がヒトラー氏とファン・パーペン氏とおこなったかなり長い話し合いに基づいて、大統領によって只今首相に任命された」。
 しかしラジオがすでにナチ化していたといっても、この日の時点ではラジオ局の組織そのものがナチ党の支配下にあつたわけではなかった。指導的なラジオマンたちは勤務が終わると帰宅してしまい、夜になって始まった歴史的なナチの松明行列の実況ルポは、それゆえ一種のクーデターによって、違法におこなわれたものだった。それを誰がやってのけたかは、ナチの放送権力者たちがそれぞれ自分にの手柄として主張しているため、確定できない。いずれにしても「革命的な国民社会主義者が職務権限も委託も無しにベルリン放送局に入って行き、誰もいなくなっていた首脳部の部屋に名刺を置いて、技術者や従業員を動員してマイクロフォンを車に積み込んだ」のである。そしてナチ突撃隊の中隊長で通信員だったヴルフ・ブライが実況中継をおこなったのだった。」

「焚書」はゲッペルスではないという……。下「」引用。

「ゲッペルスはこう演説した。それは「焚書」という行動を肯定はしている。しかしそこには意図的に扇動するような、激しい調子は見られない。そもそも焚書が終わりに近づいた頃、やっとお出ましになったことが、すでに示唆的である。すでに述べたように、焚書は彼が直接イニシアティヴを取った宣伝のショーではなかった。彼の日記の記述の素っ気なさも、それを裏書きしている。ちなみに宣伝の目的で三四年に公刊された「勝利の日記」は、五月一日で終わっており、焚書に触れていない。」

「ドイツ学生団」が行なったという……。下「」引用。

「この火刑を計画したのは、すでにヒトラーの政権獲得前の一九三一年七月からナチの学生が議長となっていた「ドイツ学生団」だった。政権獲得後はそれは「国民社会主義ドイツ学生同盟」(以下「ナチ学生同盟」と略称)と表裏一体をなすものであったが、何と言ってもナチ・非ナチを問わない公式の全学生組織がこうした挙に出たとろこに、問題の根深さがあった。一般学生の立場でナチ学生が行動したのである。四月二日、連合の死者が宣伝省の代表者と、五月初めに「破壊的な」図書、つまりユダヤ的、マルクス主義的その他の「非ドイツ的」著述家の書物を「象徴的」に焼却する行動について話し合ったのが、そのはじまりだった。四月六日、学生団の広報・宣伝中央本部は加盟の各学生団に宛てて、次のような回状を発した。-略-」

ミック・ジャガーとデーヴィド・ボウイ……。下「」引用。

「その映像の美的効果が、実際の大会とは別のもう一つのイベントと言えるほどの強烈な印象を与えたことは事実で、今日では例えばロック・グループ「ローリング・ストーンズ」のミック・ジャガーがこの映画を一五回以上も見て、そこから「ヒトラー・ユーゲント」ならぬロック・ファンを陶酔させる手法を学んだと言われたり、デーヴィド・ボウイがこの映画の印象の下に、ヒトラーを「最初のロック・スターの一人」と呼んだといった話がある。それゆえここでは、現在なおインパクトを持続しているハイパー・リアルな世界として、もっぱら「第二の大会」という観点から映画『意思の勝利』を取り上げてみよう。-略-」

事実なのだろうか?

映画『ユダヤ人ジュース』……。下「」引用。

「何といっても一番悪名高く、とにもかくにも大きな反響を呼んだのは、九月二四日に封切られたファイト・ハーランの『ユダヤ人ジュース』だった。一九三八年、チェコ人女優リダ・バーロヴァとのスキャンダルで、ナチ党内での地位が危うくなったゲッペルスは、「水晶の夜」でもユダヤ人迫害に積極的な市制を示して、失地回復の点数稼ぎをしたが、その時同じ狙いから、ドイツの全映画製作会社に反ユダヤ映画の制作を指令したと言われている。主題は示唆しなかったが、彼がしばしば口にしていたのはシェイクスピアの『ヴェニスの商人』などだった。-略-」

真実だと思わせること……。下「」引用。

「公開に先立ってゲッペルスは新聞雑誌の映画報告に、この映画についての記述で、反ユダヤ主義に触れてはならないと厳命した。彼の意図は「プロパガンダはプロパガンダとしてではなく、真実だと思われる時に効果を発揮するので、これがあるがままのユダヤ人を示していると思わせなくてはならない」というものだった。そしてこの映画は「歴史的事実に忠実である」と宣伝させた。-略-」

【映画】告発……。下「」引用。

「映画『告発』は二重の問題を提起した。主要なテーマとしては、不治の病気の場合における嘱託殺人の問題が提起された。副次的には生きるに値しない生命の排除の問題が描かれている。国のあらゆる地域からの報告には、ドイツ国民の大部分が映画の傾向に、かなりの留保付きではあるが、基本的に賛成であることが示されている。-略-」

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