原爆の絵 ナガサキの祈り

『原爆の絵　ナガサキの祈り』
　　　NHK長崎放送局・編/日本放送出版協会2003年

「被爆者たちの「深い祈り」が絵画となってよみがえる」
と帯に書かれてありました。



1974年、NHK長崎放送局「市民の手で原爆の絵を」キャンペーン。
2年にわたって繰り広げられたという。

27年間、「証言」や「映像」によって、被爆地ナガサキから、平和への願いを訴え続けてきたという。

被爆から半世紀。被爆者の平均年齢は70歳を越え、被爆体験を風化させずに、どう語り継いでいくかが大きな問題……。

2002年4月から行われた、被爆者による「原爆の絵」の募集が始まり、この本が出版された。

この本で掲載された絵、103点。
その絵の紹介文。下「」引用。
「その1枚1枚から、半世紀前の壮絶な体験を克服し被爆者たちが発する〈平和への願い〉、そして〈ナガサキの祈り〉が厳かに聞こえてくる。」


この絵によって感動的な再会もあったという。下「」引用。
「2002年8月5日……。－略－JR長崎駅の斜め向かいにたたずむNHK長崎放送局では、被爆者が描いた「原爆の絵」展の3日目を迎えていた。展覧会のタイトルは、『伝えたい…平和の願いを　世紀を越えて』。－略－「やはり、間違いない」。意を決したように、男性は係員を探し出し、おもむろに尋ねた。「あの絵の作者のことですが……」。
　男性が指差したのは、「長崎の“黒い雨”」と題された色鉛筆画。それは爆心地から2.5キロ離れた長崎駅前で被爆した男性によるものであった。キャプションには、「顔見知りを捜してさまよっていると、突如黒雲が頭上近くまでひろがって黒い雨を降らせた」とある。
　数日後、展覧会のロビーで、2人は劇的な再会を果たす。57年という長い歳月を、たった１枚の絵が瞬時に埋めたのである。この再会の模様はニュースで全国に紹介された。」


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