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バートランド・ラッセル著作集11 西洋哲学史I

2008年05月21日 | 読書日記など
『バートランド・ラッセル著作集11 西洋哲学史I』
   バートランド・ラッセル(著)/
     市井三郎(訳)/みすず書房1959年

西洋哲学……、いろいろと日本も影響を受けている。国際化というけれど、このようなものを一切受入れない人たちが、巨万の富を得ていたりもする……。



カトリック支配されていた西欧……。下「」引用。

「神学と区別された意味ではの哲学は、紀元前六世紀のギリシャにおいて始められた。その哲学は古代に順調な進展を見せた後、キリスト教が興りローマが滅びるにつれて、ふたたび神学によって圧倒されてしまった。哲学の第二の偉大な時期は、十一世紀から十四世紀までつづくのだが、この時期はカトリック教会によって支配されていて、皇帝フリードリッヒ二世(一一九五-一二五○年)のような偉大な反逆者はきわめて少数であった。この時期は、宗教改革において絶頂に達する社会的混乱によって終止符が打たれた。第三の時期は、十七世紀から現代までつづいているものだが、第一、第二の時期よりもより多くの科学の命ずるところだ、と思われるような場合は、つねに信仰は訂正されてゆく。この期に属する哲学者で、カトリック的立場からの正統派はわずかしかいず、世俗的な国家というものが、そのようなひとびとの思弁においても、教会より重要なものとなっている。」

ソクラテスたちが、キリスト教以前に……。下「」引用。

「キリスト教は、ストア学派の教えにすでに潜在していた意見、しかし古代の一般精神には異質的であったある重要な意見を、大衆のものとさせた。とわたしのいうのは、神に対する人間の義務は、国家に対する義務よりも、より命令的なものである、という意見である。「われわれは人間よりも、神に服従すべきである」というこの意見--このように言ったのはソクラテスの使徒たちである」

カトリックの三つの根源とプロテスタント。下「」引用。

「カトリック教会は、三つの根源から派生した。その聖なる歴史はユダヤ的であり、その神学はギリシャ的であり、その統治や教会法規は少なくとも間接的にローマ的であった。宗教改革はそのローマ的要素を拒否し、ギリシャ的要素を和らげ、ユダヤ的要素を大いに強化したのである。したがって宗教改革は、最初ローマ帝国によって、次いでローマ教会によって実現されたところの、社会的団結の事業を解きほぐしていた国家主義的諸勢力と協力したわけだ。」

原爆に反対したカトリック。そして、原爆を讃美したルーテルの牧師。
--歴史的なものもあるのかもしれない……。

しかし、どちら(カトリックやプロテスタント)にしても、聖書のイエズスとは大きく異なるというのは理解できますね。

イエズスなら、従軍神父や従軍牧師など認めるはずがない……。

偉大なるギリシャ文明という人たちもいますね……。下「」引用。

「ローマ人の支配の下に、ギリシャ人たちは政治的自由に属していた自己信頼というものを喪失し、その喪失とともに彼らは、自分たちに先行したひとびとへのまひするばかりの敬意を身につけたのであった。アルキメデスを殺したローマの兵士は、ギリシャ世界全体にわたってローマがもたらしたところの、独創的思索の死というものを象徴したのである。」

皇帝ネロはローマの皇帝なのに、ギリシア人のつもりだったという。











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