磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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句集広島

2008年03月02日 | 読書日記など
『句集広島』
   句集広島刊行会1955年

この本をだすのにも時間がかかったという。一般の人間はそう簡単に出版などということはできないものですね。



当時の人は、このようなものを読んでも理解できたかもしれないが、やはり時代は流れた……。

背景がわからないと理解力もやはり落ちるというものですね。

ムードでしかわからない感じです。

「死のドーム祈るかたちに蝶昇る」

「爆死者の転がる路傍夕炊ぎ」

この句の横に小さな文字で当時の説明。下「」引用。

「翌日から握飯の配給が朝夕二回行われた。比治山下多聞院の前で、被爆者は行列して、一回に一人二個の配給を一週間受けた。防空壕に住んでいたので、火傷患者の膿の臭みに堪えられなくなり、各自焼残りの土塀を利用してバラックを建て、分離生活を始めた。残った五ヱ衛門風呂を築いて、雨の日などは一人が傘をさしかけて湯を使った。」

医師のことも書かれてあります。

「広島に医師の口無し原爆以後」

この市はチェルノブイリでも似たようなものかもしれませんね……。
患者のために立ち上がられた医師は、医師としての使命感をもっておられると思います。

1953年6月9日、ルーズベルト夫人原爆少女と対面す。

「死までケロイドルーズベルト夫人目を上げず」

「おわりに」に書かれてあります。下「」引用。

「あの日を永遠にとどめよう。忘れ去られることないように--。
忘却が生むおろかな反復によって、ふたたび、地表の亀裂に、おびただしい血が流しこまれることのないように--。
消えやらぬ数々の戦慄の記憶と、深い深い慟哭を、ここに刻みこんで遺そう。
同時に力強い平和のうたごえを、ここにぎつしり詰めこもう。
とめどない涙も、ここにひとつの底光る決意として象嵌するのだ。
平和のために--。」

17. 








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