磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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世界 2012-4

2012年04月28日 | 読書日記など
『世界 2012-4』
    岡本厚・編/岩波書店2012年

特集名 悲しもう…



知的障害者を見殺しにした札幌市……。下「」引用。

「金滞納でガスが止められいたため知的障害者の妹が暖をとれずに凍死したのである。今冬、ことらに冷え込みが厳しく、マイナス一○度を超えることも珍しくなかったが、暖房なしでは○度も凍死しよう。厳冬の北海道であり、ガスや電気を止められたなら生活は不可能で、知的障害者の妹が困惑の内に死亡したことは想像に難くない。
 姉は数回にわたり区役所に生活保護の相談に訪れていい、知的障害の妹に対する障害者扶助や生活保護決定など救済する機会があったにもかかわらず、非力の姉妹を見殺しにした点、札幌市は行政の怠慢を問われても仕方があるまい。-略-」

「新たな原子力規制は機能するか」井田徹治。

「泥棒に十手を持たせる」 下「」引用。

「安全委員会とその下の専門委員会に属する科学者の多くは、いわゆる「原子力ムラ」に属する原子力インサイダーである。
「泥棒に十手を持たせる」とまで言われる-略-」

人材が原子力推進……。下「」引用。

「現在の規制庁準備室には、環境省の官僚のほか、保安院からも少なからぬスタッフが派遣され、法改正やそれに基づく政省令策定などの準備作業を進めている。これまで原子力規制の経験もなければ、原子力の専門知識もほとんどない環境省出身者は、専門的な議論の多くを保安院からの人材に頼らねばならないのが実情で、新組織の設立根拠となるこれらの法令の中に現在の「原子力ムラ」の意見が色濃く反映されりることも懸念される。-略-」

現行の政府案の……。下「」引用。

「現行の政府案のもう一つの大きな懸念は、旧科学技術庁を引き継いだ文部科学省の原子力ムラの利権がほとんど手付かずに温存された点だ。約四○○○人の人材と年間二○○○億円を超える予算、多数の関連組織を抱え、高速増殖炉「もんじゅ」の研究開発など進めている独立行政法人・日本原子力研究開発機構、「核物質管理に関する業務及びシステムの改善と核物質管理に係る国際協力の推進を図り、もって原子力産業の健全な発展と原子力の平和利用に貢献する」ことをうたった財団法人・核物質管理センター、核管理関連の多数の在外大使館の書記官などがそれに当たる。因みに原研機構の理事長、副理事長、理事の計九人のうち伊藤洋一、片山正一郎の二理事は文部省(旧科技庁)出身、三代真彰理事は経産省出身であり、核管センターの内藤香専務理事も旧科技庁出身である。-略-」

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農家から原発労働者が出ている……。下「」引用。

「すでに福島の農家では、市場の急落と出荷困難から、たくさんの原発労働者がでているはずだ。その中には、弟と同じような、年若い農業後継者もいるのだろうと思う。-略-」

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難民の経済……。下「」引用。

「ともあれ帰還を希望している住民が実際に戻り、生活していくためには収入が確保されなければならない。現在の生活資金(複数回答可)では、「義援金・仮払補償金」に八割強の避難住民が依存しており、三分の一の避難住民が貯金わ取り崩している。高齢者は年金・恩給の生活の糧としており、そのり比率は四割に達している。仕事の収入がある避難者は約三分の一とどまり、しかもその多くは公務員や一部の会社員であり、事業収入がある者はわずか二%にとどまる。ただ、現時点で生活上の困難として最も高いのは「放射能の影響が心配」であり(六割弱)、「生活費が足りない」「仕事や事業ない」より約二倍の比率となっている。」

「なぜ避難が認めれないのか 福島市渡利地区・住民たちの苦悩」白石草。
「福島市のホットスポット」 下「」引用。

「「六○を超えている!」
「まずい、近づかないほうがいい」
 福島市の中心部から車でわずか一○分ほどの距離にある静閑な住宅街、福島市渡利地区。福島市内のホットスポットとして知られる。原発事故から半年以上経つ、昨年一○月の半ば、渡利地区内でも、特に放射線量の高い場所を歩いた。-略-
 地元の人が、渡利の放射線量の高さに気づいたのは、文部科学省が、学校での被曝許容量を年間二○ミリシーベルトと発表した四月中旬になってからだ。文部省が、学校での屋外活動を二時間以内に制限すべきた基準値は、毎時三・八マイクロシーベルト、渡利地区のすべての保育園や学校の空間放射線量がこの基準を超えたためだ。福島県災害対策本部が四月むいかに計測したデータによると、渡利小学校と渡利中学校の校庭の放射線量は、それぞれ毎時四・八マイクロシーベルトと五・四マイクロシーベルトと、これを大幅に上回った。」

「特別規制ゾーン」の3倍が子どもの身近なところ……。下「」引用。

FoEジャパンの横田花夏さんは結果が出た直後、ショックで体調を崩したという。「特別規制ゾーン」とは、チェルノブイリ原発事故後二五年以上経った今でも、原則、人の立ち入りが禁止されている地域を
指す。チェルノブイリの避難基準は、事故後五年以上経って策定されたため、単純な比較はできないと言われているが、子どもたちが普通に通学できるような地域ではないことは確かだ。環境省が、そのまま埋め立てて良いとしている汚染焼却灰の埋立て基準は一キログラムあたり八○○○ベクレルから一○万ベクレル。渡利では、その基準の三倍も高濃度の土壌が、子どもたちのり身近な場所に広がっていることになる。-略-」

【薬師町】孫を避難させたという。除染がきかない。下「」引用。

「「ここは毎時三・○マイクロシーベルトか二・五マイクロシーベルトが普通なんです。ご近所同士でも、お宅は何マイクロシーベルトですかって、それが日常の挨拶になっているんですよ。子どもたちは、夏になっても、帽子、長袖、マスク姿で、みんな汗びっしょりかきながら、この通りを通学していましたよ。うちの孫は、目の下に真っ黒なくまができてしまって、それで埼玉に避難させました。」
 これまで三世帯住宅で暮らしてきたという女性は目に涙を浮かべた。水路の脇に自宅を構える男性はこう続ける。
「除染しても、全く効果がありません。雨が降るたびに山から水が水路に流れる。そして乾燥する。この繰り返し。ゴミや土砂が集まり、放射線量が下がるどころか、どんどん上がっているのです」
 薬師町の背後には、弁天山という山があり、そこからセシウムを含んだ雨水や土砂が、雨のたびに供給され、汚染のレベルが上がる現象が起きていた。調査にあたった山内教授もこう語る。
「セシウムは細かな粘土に付着します。粘土は雨とともに移動し、水の流れが止まると、そこで濃縮する。放射能はよく、気象条件によって下がるとか言われていますが、渡利の場合は逆。周囲を山林で囲まれた地形のため、雨によって周囲の山林から、常に放射能を含む土壌が供給され、それが集積してしまうといった現象が起きています」-略-」

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「【ルポ】福島×首都圏 クロスする母の哀しみ」渥美京子。

「良心的な人びと」が後押し?……。下「」引用。

「彼女に限らず、福島を出たい気持ちがありながら、たくさんの人が福島に留まる理由は、とても複雑だ。
住宅ローン、家族、仕事、親の介護、地域や職場仲間との信頼関係など様々などあるだろう。だが、本質的な問題は別のところにあると感じる。原発を堅持する作為のもとに作られた「除染して復興へ」という幻想、除染が巨額の資金が落ちるニュービジネスと化し、「除染技術」の開発にしのぎを削る企業、そして「最先端の除染技術」を大々的に報道するメディア、さらに付け加えるなら、復興に向けてがんばてっいる(がんばらざるを得ない)福島の人びとを励まし、支援する「良心的な人びと」が、福島に留まる選択を後押しする。-略-」

「良心的な人びと」というのが、かつての戦争愛国主義の人たちに似ているのが、うんざりします。愛国といいながら、国土を焦土にかえた人たち。そして、ほとんどの人たちは、責任をとらなかった。良心的であって、「良心のある人びと」とは異なるようにボクには思えます。

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記者にマスク禁止指示。エライ先生山下←そんなわけないぞ!? 下「」引用。

「ある地元メディアの幹部から四月上旬に聞いた話を思い出す。彼は取材を続ける記者に「マスク禁止」を指示したと私に語った。現在は福島県立医科大学副学長を務める山下俊一氏と会い「一○○ミリシーベルトまでは心配はない」と聞いて安心したとも言った。その話は繰り返し放送されたはずだ。「(放送を聞き)偉い先生が大丈夫だというのを聞いて、安心しました。福島のためにがんばります」といった感想を複数の人から直接、聞いている。そのようななかで内部被ばくを避けるために避難を勧める私とは、距離を置き、離れていった人もいた。-略-」

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「首都圏 : 五七・五マイクロシーベルトの現場」 下「」引用。

「福島原発から放出された高濃度の放射能は、福島だけでなく首都圏にも広い範囲にわたって降り注いだ。なかでも深刻な地域のひとつに柏市、我孫子市、流山市など千葉県の東葛西地域があげられる。-略-」

「【ルポ】放射線防護に市民と科学者が立ち上がった」

「原子力村に横行する利益相反」筒井哲郎。下「」引用。

「二○一二年二月現在、福島原発事故を受けて、定期検査を終了した原発の再稼働を許すかどうかの判断を、保安院が主催する「ストレステスト」審議によって決める手続きが進行中である。規制当局である保安院は、過去の実績からすっかり国民の信頼を失っていることを自覚しており、技術専門家(大学教授等)一一人を委員とする意見聴取会を開催して審査手続きを遂行中である。しかし、技術専門家のうち九名は従来からの規制当局と一体となって原発推進体制を担ってきた人たちである。客観的な判断を期待することはできない。しかも、規制当局側で審査実務を担当している独立行政法人・原子力安全基盤機構(以下、JNES)のメンバーは、元原子力発電プラントメーカーの社員たちであって、経済界の常識は、つとに禁止されている「利益相反」の事態であることが明白である。その是正を規制当局は拒否している。利益相反とは裁判官が原告や被告の縁者である場合等を指す。」

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隠蔽問題を告発した者たちが迫害を受けていた。下「」引用。

「また、過去に検査記録の改ざん、隠ぺい問題を公益通報制度に従って公益通報したJENESの検査員を、JENESは閑職に不当配置し、慣例及び高年齢者雇用安定法に反して雇用延長を認めなかった。また、後に紹介するように、その救済を求めた当事者に対して、公益通報を受け付ける窓口である日本原子力学会倫理委員会は厄介払いしようとしている。ここまでも倫理委員会構成員は、過去に原発推進側として規制当局の不公正に加担した大学教授や、研究、電力、原子力プラントメーカーの職員で占められている。
 つまり、原子力発電所プラントの安全を守るために、さまざまな公的組織が設けられているが、いずれも事業者と一体になっており、本来の公的組織の目的は損なわれ、ガバナンスが失われているのである。-略-」

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