アカネさんシリーズ001 恋のタイムマシーン 119甘いものちょうだい! そこに、井上ケース・ワーカーがいて息子さんに話しかけている。 「また、ポテトチップス買ってきたの〜」 「ああ・あ……!」 アンパンじいちゃんの子どもは情けない顔している。 「あなたのお父さんは、甘いものが好きなのよ」 茜と小池はデイ・ルームのテレビを見ているふりをしている。 羽田はいう。 「アンパンちょうだい!」 子どもにもいつもの決まり文句をいう。 「ねぇ、ほら、甘いものが好きなのよ。お父さんを喜ばせたかったら、甘いものよ。わかるわね。あなたの好きなものを持ってくるより、お父さんの好きなものをもってくるか方が、お父さんの喜ぶ顔を見れるというものよ」 それでも、何か食べ物だということを感じとったのか、アンパンじいちゃんはポテトチップスを素早く奪う。 こんなに敏捷なんて、考えられないわ! 茜は驚いた。 袋を握りしめたアンパンじいちゃんは、開けようと試みるが、開かない。 「開けてあげるから、わたしにわたしてよ」 と、井上はいう。 アンパンじいちゃんは、大切な宝物をとられたくないので、決して離そうとしない。 「駄目だよ、じいちゃん」 「無理なんだからね」 「うん」 「息子さん、開けてあげてよ」 「ああ、あ……」 子どもは袋を開けた。
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