磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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アメリカ帝国の悲劇

2010年12月17日 | 読書日記など
『アメリカ帝国の悲劇』
   チャルマーズ・ジョンソン(著)/
     村上和久(訳)/文芸春秋2004年

意味あることが、いっぱい書かれてある本です。
メモをいっぱいしました……。



秘密主義と米軍基地ネットワーク。下「」引用。

「アメリカ国民は、地球上のほかの国々に住む人々とちがって、アメリカ合衆国が軍事力で世界を支配していることに気づいていない--もしくは、その事実を認めたがらない。政府の秘密主義のせいで、アメリカ国民は多くの場合、自分たちの政府が全世界に軍事基地を置いていることを知らない。南極以外のあらゆる大陸にはりめぐらされれたアメリカ軍基地のネットワークが、じつは新しい形態の帝国を築いていることを認識していないのである。」

スパイ帝国アメリカ……。
--これで、ウィキリークスをよく非難できたものだ……。

あらゆる産業分野で依存……。下「」引用。

「アメリカ経済のあらゆる分野が軍に売り上げを依存するようになっている。たとえばイラクに対する二度目の戦争の前夜には、国防総省は〈ネイティブ・タン〉日焼け止め(SPF15)を二七万三○○○本発注した。これは一九九九年の受注数のほぼ三倍にあたる。オクラホマ州タルサにある発売元のコントロール・サプライ社と、その製造元であるフロリダ州デイトナ・ビーチのサン・ファン・プロダクツ社は、まちがいなくほくほく顔だったにちがいない。」

冷戦の終結……。
そして利権を守るための9.11。
9.11以降、共和国から帝国へと取り返しのつかない変貌をした……。

沖縄=軍事植民地と表現してあった……。

恐れる米、沖縄も決起して追い出す……。下「」引用。

「そうしなければ遅かれ早かれ沖縄県民が決起してわれわれを追いだすようにわたしには思えたのである。一九九九二年にフィリピン人はそうしたし、二○○三年には韓国の民衆がそうすると脅した--一九八九年には東ベルリン市民がソ連に対してまったく同じことをしている。」

基本的には特異ではない沖縄。下「」引用。

「沖縄が特異ではなく典型的な例であることをわたしが理解するのには時間がかかった。島の一等地を基地として収用し、地元住民に犯罪をはたらいたアメリカ兵には治外法権が認められる。基地の正門周辺にひしめきあうバーや売春宿、いつ終わるともしれない事故や騒音、性的暴行、飲酒運転による衝突事故、麻薬の使用、環境汚染--こうした沖縄の状況は、じつはアメリカ軍の基地のある場所ではどこでもくりえされているのである。日本本土にある数多くの基地や、韓国にある百カ所以上の軍事施設、ドイツやイギリス、イタリア、バルカン半島、ペルシャ湾、ラテンアメリカといった場所に展開する大規模な部隊と比較してみると、沖縄は島の大きさの割に基地の数が多いという以外には変わったところはない。アメリカ軍の地方総督たちは公報活動が嫌いなので、アメリカのマスコミがこうした基地の帝国を訪れたり、それについて記事を書いたりすることはめったにない。」

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ゴルビー、SDIシステムについて。下「」引用。

「もしわが国がアメリカのSDI システムを破壊するか無力化したいと望むのなら、アメリカがつぎこもうとしている金額の一○パーセントを使うだけですむだろうといっている」

資本主義はどっちなんだろうなあ?

示威行為=基地。下「」引用。

「植民地の帝国ではなく、基地の帝国を作り上げたのである。-略-アメリカ帝国を過去の帝国と区別するもう一つの決定的な特徴は、基地が戦争を遂行するために必要なわけではなく、軍国主義と帝国主義の純粋な示威行為であるという点である。」

権益にむらがる死に神たち……。下「」引用。

「それは新旧両方の特定利益集団の関心を集めている--その例が、原油の供給と価格に関心を持つ者たちと、ありえないような場所と軍事基地を建設して維持することで利益を得る者たちだ。帝国を食い物にする軍高官の権益以外にもあまりに多くの権益が存在するために、帝国の存在はあきらかに過剰に思えるほど確固としている--そのために、アメリカが進んで帝国の経営から身を引くことがあるとはとても想像できないほどだ。」

チェ・ゲバラ、キューバ革命の時にかたる。下「」引用。

「新植民地主義とは「もっとも侮りがたい帝国主義の形態である--もっとも侮りがたいのは、それにつきまとう偽りと欺瞞、そして帝国主義的勢力がこの種の対決において持っている長年の経験のせいである」」

イギリスの帝国主義……。下「」引用。

「イギリスが第一次世界大戦後にトルコからメソポタミアを奪ったあとで、反乱を起こしたイラク人たちを爆撃し、機銃掃射を浴びせ、ときには毒ガスさえ使ったこと、インドの分割を決断し、そのせいでヒンズー教徒とイスラム教徒の無差別殺戮と五十年にもおよぶカシミール地方の血まみれの戦争を引き起こしたことを知っているのだろうか。もしこれが文明開化された外国の統治なのだとしたら、文明開化されていない帝国主義がどんなものであるかは想像がためらわれる。」

「ハーグ侵略法」=アメリカ軍人保護法。下「」引用。

「二○○三年三月十一日、国際刑事裁判所はオランダのハーグで正式に活動を開始し、二○○二年七月一日以降に犯された戦争犯罪の容疑を検討しはじめた。この進展を予期していた上下院は、アメリカ軍人保護法を通過させた。この法律によって、アメリカは、事実上、法廷に拘束されたあらゆるオランダの政治言えたちは、無意味なスタンドプレーとしか思えないこの行為に当惑と怒りを感じ、この法律を「ハーグ侵略法」と呼んで揶揄した。」

スパイ基地は偽装されているという。下「」引用。

「そうした基地はほぼ例外なく外国の軍事施設のなかに配置し、アメリカの軍人が配属されているが、それが置かれている国に属しているように偽装されている。通常は通信を傍受収集するための基地で、生の傍受記録をメリーランド州フォート・ジョージ・ミードのNSA本部か、NSAの最重要スパイ基地である、イギリスのノースヨークシャー州ハロゲット近くの荒野にあるイギリス空軍メンウィズ・ヒル基地(〈核非武装運動〉では「世界最大のスパイ基地」と呼んでいる)に送信している。」

ジミー・カーター号。下「」引用。

「一九九九年、議会は、最新の原子力潜水艦の一隻USSジミー・カーター(潜水艦で勤務したことのある唯一の大統領にちなんで命名された)を、海底の光ファイバー・ケーブルの盗聴器を仕掛けられるように改造するための約六億ドルの予算を承認した。《ウォール・ストリート・ジャーナル》によれば、ジミー・カーター号は「海底の光ファイバー・ケーブルを盗聴する最先端の技術をそなえた……アメリカ初のスパイ潜水艦」になるだろう」ということだ。こうしたケーブルを盗聴するための基地には、インド洋のディエゴ・ガルシアの潜水艦基地、沖縄のホワイト・ビーチ、-略-そしてスペインのカデイス近郊にあるロタがある。」

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サッチャーはカナダにスパイ依頼。

CIA=私兵部隊へ。下「」引用。

「アメリカにおける軍国主義の成長の中心であるCIAは、大統領が個人的に実行を望む秘密計画に使われる私兵部隊へと進化をとげた(一九八○年代のニカラグアとアフガニスタンにその例を見ることができる)。」

GEのために産業スパイCIA。下「」引用。

「一九九五年一月、CIAはエシュロンを使って、インドのムンバイ近くに七○○メガワットの発電所を建設する契約を獲得しようとするイギリスの動きを追跡した。その結果、契約はエンロンとゼネラル・エレクトリックとベクテルが獲得した。」

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フィリピン。下「」引用。

「第二次世界大戦後、アメリカはフィリピンに独立を許したが、フィリピンの議会から一九九二年に追いだされるまで、アメリカは海外最大の基地の二つをここに持っていた--アンゲレス市のクラーク空軍基地とオロンガポのスービック海軍基地で、いずれもルソン島にあった。一九九二年以降、国防総省は、中国の脅威を誇張したり、いわゆる軍事訪問協定による軍事「交換」を通じたり、もっと最近には「テロとの戦い」の名目で、フィリピン諸島で軍事プレゼンスをあたたび確立する方法を見つけようとしている。二○○二年、ブッシュ政権は、南部の島々でイスラム系ゲリラと戦うフィリピン軍に訓練をほどこすために、部隊をふたたびフィリピンに派遣することに成功した。」

コンドリーザ・ライスはアルカイーダと9.11の証拠をもっているといったが、証拠はだされていないという。

クリントンとブッシュ。下「」引用。

「孫子の論理にしたがえば、ビル・クリントンは実際にはジョージ・W・ブッシュよりずっと有能な帝国主義者だった。クリントン政権時代、アメリカは間接的なやりかたで他国に自分の意志を押しつけた。ジョージ・W・ブッシュの政権はそれと対照的に、正当化のためのあらゆる原則がかなぐり捨て、力は正義という考えかたを採用した。-略-」

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「グローバル化」でカムフラージュしたクリントン。

9.11以降。下「」引用。

「9・11以降、政界に強力なコネを持つ資本家が金をかせぐいちばんいい方法は、一九九○年代後半の露骨なほど違法な取引や縁故資本主義の取引から、軍需と戦争で暴利をむさぼることへと変わった。」

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ボーイング。下「」引用。

「9・11以降、ボーイングは従業員を二交代制にして、アフガニスタンとイラクで大量に使われた「スマート爆弾」である統合直接攻撃弾JDAMを製造した。また、レイセオンはトマホーク巡航ミサイルを製造するために三交代制を敷いた。」

もくじ

十字架と帝国主義。下「」引用。

「キリスト教に不可欠の象徴である十字架は、たぶんローマ帝国につきまとう一つの悲劇の世界一有名な形見だろう。それはローマの地方総督が、どの帝国も例外なくそうさせねばならないと気づくように、従属民たちを命令にしたがわせるために考えついたもっとも残虐な死を表していた。カトーからキケロまで、ローマの指導者の標語は「彼らがわれわれを恐れているかぎりは彼らにわれわれを憎ませておけ」(オデリント・ ドゥム・メトゥアント)だった。」

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