磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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陸軍経理部よもやま話

2010年09月18日 | 読書日記など
『陸軍経理部よもやま話』
   若松会・編/若松会1982年

戦争をするにも、金がかかりますね……。
何をするのにも金がかかりますね……。



軍縮風と進級……。下「」引用。

「伊藤 軍縮風というよりも、進級が行きづまっているんですよ。そこに非常な不満があったわけです。」

森鴎外……。下「」引用。
「明治45年ごろ、人事権一元化の問題があって、軍医部が強硬に反対したとき、経理部も便乗同調して事なきを得たことかあるんですよ。山田弘倫の『軍医森鴎外』を読むと、とにかく今にのこの人事権を兵科将校に委せるなんてことについては、局長の鴎外は、徹底して反対しているわけです。辞表を次官まで出したこともあったくらいにり。なぜかというと、すでに教養とか経験とか、全く別なんで、その人事など部外者にはわかるはずはないと。-略-」

「(資料2)戦地におけるインフレ激化に対する予算措置」 下「」引用。

「戦地に於けるインフレは、戦争の長引くに従って急速に昂進し、物価は鰻登りに上がり軍費支払いを急増せしめた。現地軍の支払いのもとは、国の予算であり、円と現地通貨との交換比率を固定している以上、現地のインフレは直接国の予算に影響するわけである。
 然し中国や南方占領地に於ける戦費は、儲備銀行又は南方開発金庫から、日系銀行が借り入れ(預け合などの方法により)たものを国が借入れる方法で調達されていた。-略-」

「軍票の使用へ--円では大陸の戦はできない」

上海派遣軍時代。下「」引用。

「上海派遣軍という時代はね、松井石根を長にし、その作戦任務は居留民の保護だったんですよ。」

軍票と勢い。下「」引用。

「軍票なんてさっき話があったように、日本の勢いがいい時はそれはよかったんですよ。もうガ島が落ち、南がやられた時は、どんな工作しようと、そりゃ見向きもしませんよ。」

「ドル軍票」もあったという。下「」引用。

「熊谷 シンガポールは海峡ドルです。豪州とかイギリス領外南洋はポンドを使っていた。」

大蔵省は口が堅い……。下「」引用。

「石原 ぼくが思うのは、16年1月に軍票を刷ったということは、すでに大蔵省の関係者知っとったわけですね。よくそういう秘密が漏れなかったものだと思って感心しとるんです。
遠藤 大蔵省は非常に口がかたい。大丈夫だ。陸軍より大丈夫だ。(笑)」

「軍票は南方開発金庫券となった」

昭和通商のこと」も書かれてありました。

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靖国神社の会計検査……。下「」引用。

「熊谷 官制にある「陸軍大臣の監督に属する法人」として、例えば日本赤十字社や靖国神社の会計検査をしていたことは聞いてますが、企業法人もあったんですね。」

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宮様でもダメはダメ! 下「」引用。

「熊谷 -略-「いや、宮様が師団長でありますから」といったところが、「相手が宮様であろうが誰であろうが、君がだめだと思ったらだめなんだ」といって(笑)意見を変えてはいけないという注意をもらったという。たぶんいい気分だったでしょうね。」

ジャングル戦は考えていなかった日本軍。豪州軍はジャケツを着ていた。下「」引用。

「上田 -略-半ズボンはやたらぶよに刺されますね。
 要するに山登りの服装が必要なんです。南方作戦はね。そういう意味において中央部の方々は少し、北方のことは守りが固く研究もできてたけれども、南方作戦については十分じゃなかったんじゃないか。(笑)」

御文庫の設計。下「」引用。

「工藤 宮中の礼の耐弾の御文庫の設計は?
伊藤(節) 半分は私が設計やって、あとの半分は築城部の小笠原さんという人と一緒に設計した。-略-」

「風船爆弾」についても書かれてありました。

「チャーチル給与」 下「」引用。

「-略-これをわれわれは「チャーチル給与」と称しておりました。敵の中へ飛び込んで行って、罐詰等をかっぱらって逃げて来るということをときどきやって、それをまた各中隊等に配るというようなことをやっておりました。」

「軍票事件」 下「」引用。

「煙草か何か買うのを台湾紙幣を持っておりませんので、軍票(ペソ)を使おうとしたところを憲兵に見付かったという事件であります。いわゆる防諜問題で、戦訓第一号として全軍に通達されたと思います。」

「東条陸相に睨まれる」経済戦研究班始末記。下「」引用。

「東条陸相も黙っていない、経理局長を通して再三注意があった。仕方なく、苦肉の策として、有沢教授を表向き解嘱の形をとり、翻訳などを依頼して研究を続けてもらった。」

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