磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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河出文藝選書 アメリカの英雄

2008年01月22日 | 読書日記など
『河出文藝選書 アメリカの英雄』
   いいだ・もも(著)/河出書房新社1977年

現実とは大きく違う小説です。「文学よりも記録文の方がおもしろい」と書く人がおられますが、この分野の小説はおもしろくありません。一般の小説の方程式にいれられるほど、小さな問題ではないからだとボクは思います。



中学の修学旅行の時。
飲み込まれたと思った。ヨナは鯨に飲み込まれたが、ボクは原爆に飲み込まれた感じがした……。そのくらい大きなことと思いました……。

注意書きがあります……。下「」引用。

「注意
この物語に、作因を見つけようとする者は、起訴されるであろう。
この物語に、教訓を見つけようとする者は、追放されるであろう。
この物語に、筋を見つけようとする者は、銃殺されるであろう。
    著者の指令により戦略師団を通じて
                  統合参謀本部長」

ところが、読んでない評論家がいます。
いや、それとも銃殺されたいのか?

--この小説を褒め上げる佐伯彰一。
長崎の原爆を投下した飛行士を主人公に。
英雄扱いされながら、罪の意識に。
そして、銀行強盗、精神病院に収容……。
--事実とは違う小説。創作であるが、事実でもないし真実でもない。

まあ、ジョークで銃殺などと書かれているのでしょう……。


アメリカも聖戦だった……。下「」引用。

「「アメリカの戦争目的? それは、ヒロヒトやトージョーの〈聖戦〉と同じことだよ。ニュー・ディールだって? 解放軍だって? フフン、ヒロシマ、ナガサキを一度、その青い眼で見ることだね」」

これは当然だとボクは思います……。
今も、イラクでやっていますね。
--理性と教養をもっておられる人たちは事実を大切にされる……。

目次


日本を一方的に悪く扱うものは異常だと思います。
--クリント・イーストウッドの映画はよかったですね。
「父親たちの星条旗」のラストの言葉が真に敬意を表していることだと思います。

一方的に善と扱う愛国美談……。
--愛国美談をつくった人たちが悪であるし、一方的な人たちでもある……。
それは、米国でも同様であろうとボクは思う。

長崎のキリシタンからのことが話題になります。
--カトリックの聖者の名前や、キリスト、聖母の名前がやたらに出てくるが、キリスト教という感じは薄い……。現実の搭乗員の文章も薄いとボクは思う。

やはり、キリスト教の教えでは、人殺しはよくないというイメージがボクにはする。
--ましてや、胎児や、まだ生まれぬ子をも含む大量虐殺を正当化などされてたまるかです。

「あとがき」に書かれてあります。下「」引用。
 
「〈いいだ・もも〉とは、映画評論家小川徹さんの小説用変名であったり、美術評論家東野芳明さんのペンネームであったりするわけですが、」


↓の本にも掲載されています。
7. いいだもも








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