磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原爆帝国主義-国家・独占・爆弾-

2009年01月28日 | 読書日記など
『原爆帝国主義-国家・独占・爆弾-』
   アレン・著/世界経済研究所・訳/大月書店1953年

この著者(ジェームズ・S・アレン)は共産主義的な人であるように思います。
アメリカの悪いことは指摘できても、ソ連(ロシア)のはできないようです。

「序文」に書かれてあります。下「」引用。

「国家が所有し、独占企業が支配いるこのコンパインは、世界カルテルの先頭に立って、いつくかの国々の原料と原子力企業とを支配しては、これまでにないほどの強力に活動しているこの新兵器カルテルのうちにこそ、世界金融資本主義の最高グループは見出されるのである。」

ファシスト的方向……。下「」引用。

「国家と独占との癒着は、ファシスト的方向をめざす反動勢力の主要な基礎となっており、また戦争扇動の中核となっている。アメリカの政策の基調は、原爆帝国主義という言葉によっていいあらわすのがもっとも適切である。」

日本も被害を受けているといっていいだろう……。下「」引用。

「この独占国家は、いわゆるアメリカの世界指導なるものを他国民におしつけようとして、力による政治を追究し、その外交は、はげしい好戦的な調子をおびている。」

ロシアの近隣諸国も同様ではないだろうか?

ヒトラーを、アメリカ人は非難するけれど……。下「」引用。

「ヒトラーは、原爆ほど強力ではなかったにせよ、おそるべき兵器をもって大量虐殺をやった。」

そう変わりがないようにボクには思える……。

結局、こういうことになっていますね……。下「」引用。

「かくして、アメリカ国民は、原子兵器によって、安全も安易な勝利も期待することできないのだ。かえって反対に、アメリカ政府が現に追及している軍拡競争のとどのつまりは、原爆戦争は-略-われわれがすぐさま報復にさらされるだけのことである。」

巨額の軍事予算は、かれらを税金で苦しめ、その生計費と高騰させている……。
--これは中曽根、小泉の政策でも同様ですね……。

さらに、原子力関係の職場では……。下「」引用。

「さらに国内におけるこの戦争準備は、アメリカ人民から民主的諸権利をうばい、高価な犠牲を強要していることを示している。反動への方向転換はきわめて急激である。国家はますます軍国主義化されるにつれて、憲法に規定された市民的諸権利の保障はは重大な毀損をこうむり、労働組合の諸権利は、反労働者的法律によってきびしく制限され、黒人はますますま苛酷な迫害をうけている。」

リリエンソールに対する評価。下「」引用。

「リリエンソールは、自由主義をよそおう人物であるが、原子力の支配権をにぎる軍国主義的独占の全くの飾り物にすぎぬことを立証した。」

index

労働者の権利……。下「」引用。

「A・E・C契約者はまた、労働者と労働組合にたいして力をふるう権利を保障されている。軍事的秘密保全の組織を、ブラックリスト、対組合スパイ、ストライキにたいする停止権、その他の労働者が長期の苦しい闘争の結果、ほとんどとりのぞいてしまった」

デュポンとモルガン……。下「」引用。

「第二次世界大戦から五年もたたないうちに、モルガン独占グループは、プルトニウム生産と重要な兵器センターを獲得し、原子力の発展を左右する力をにぎり、そしてこの産業の他の基幹書部門にり出すとともに、舶用原子力機関(潜水艦用-後出)にも乗り出した。モルガンと強固に同盟したデュポン・トラストは、この企業にふたたび帰ってきた。新しい水爆センターをうけおっている。」

シカゴ計画(独占資本と手を握る学者たち)。下「」引用。

「これは、原子爆弾と関連して、まず最初にシカゴ大学ではじめられたものであるが、現在ては、他の領域や大学におよんでいる。」

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しかし、この著者の予見は大きくはずれた……。下「」引用。

「原子力が解放され、ひろく人類の用に供さるようになるのは、生産力のあらたな担い手であるプロレタリアートを先頭とする全勤労人民が解放されたときであろう。ソ同盟において原子力の平和的利用の可能性がひろく検討されているのに反して、米英ではただ兵器としての利用だけが考えられている事実は、このことをはっかり裏書している。 一九五三年三月十七日」

チェルノブイリ事故のことを彼はどう思うのだろうか……。

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