磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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第二のフクシマ、日本滅亡 朝日新書 339

2012年07月28日 | 読書日記など
『第二のフクシマ、日本滅亡 朝日新書 339』
   広瀬隆・著/朝日新聞出版2012年

表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「福島第一原発事故の結末はまだ見えない。放出され続ける放射能は天文学的な量だ。「次」が起これば、この国は死に至る…。
日本人が生き残るために、何を第一になすべきか。原発震災の恐怖を訴え続ける著者は、六ヶ所再処理工場の即時閉鎖と全原発の廃炉断行を求める。
思考力ゼロの原子力産業・電力会社・政治家は当てにならない。-略-」



完全に吹き飛んだ安全確率……。下「」引用。

「-略-六・四年に一基という高い頻度の大事故発生実績である。
 以上が、確率論の教える「避けられない未来」なのである。かつて「原子炉一基あたり二万年に一回」と言われた大事故の確率論は、次々と実証される悲劇の前に、完全に吹き飛んでいる。」

正気を失った政治。下「」引用。

「政治の世界では、無知をきわめる全世界の愚鈍な政治家ばかりが跋扈している現在、日本ではまた、とりわけドジョウだけを売り物にして、ただドジョウすくいをやっているだけで、己の意見を表明できない政治屋が国会を牛耳って、原発の再稼働や、原発輸出を目論むという、常軌を逸した行動に終始してきた。正気を失った、これほど頼りない総理大臣と内閣は、一度も国民は選んだ覚えはないのに、である。」

みんなの党……。下「」引用。

「原発廃絶をめざしているのは、みんなの党、共産党、社民党だが、これらの議員の数は、次の総選挙で大躍進しないかぎり、現状では余りに少なすぎる。加えて、共産党と社民党は、「原発の再稼働は許さない」と言いながら、同じ口から「五年後」ないし「一○年後」に原発を廃絶するという 、まったく自己矛盾した政策を掲げているので、直ちに政策を改めるべきである。現状、みんなの党が大躍進するまで、政界には期待が持てない。」

メディアでは北海道新聞・東京新聞……。下「」引用。

「さらに悲劇的なことに、わが国には、政界を批判して原発問題に真っ正面から斬り込み、浄化する機能と実力を持った公共テレビも、民放テレビも存在しないことが、日々明らかになってきた。かろうじて東京新聞、北海道新聞をはじめとする一部の地方紙が、原発廃絶に向けて健筆をふるっているが、総じて、“見ざる・聞かざる・言わざる”のメディアによって「まるで福島原発事故などなかったような」報道姿勢が続いている。テレビの世界では、もはや福島原発事故に関するニュースは、刺身のツマでしかない。」

寺島実郎=(実質)原発推進。下「」引用。

「寺島実郎は、「アジア諸国と平和目的の原子力技術を共有して、関係を築いていくべきだ。わたしは原発推進派でもなければ反対派でもない。将来的に原発依存度を一五~二五%の範囲にするのが現実的だ」と、事故後の五月二○日、札幌市でりの北海道政経懇談会で講演した。原発依存度が二五%なら、前年までと何も変わらないのだから、これまで通り原発を使え、ということだ。自分は原発推進派ーではないと言い訳しているが、隔週誌サピオの二○○三年六月二五日号に「過剰な中東依存脱却のために日本は『原発技術立国』を目指せ」という論を寄稿していたのではないのか? しかも彼は、九月一一日のテレビ番組「サンデーモーニング」に出演して、「フクシマ原発では誰も死んでいない」と信じがたい言葉を放言し、このすさまじい被害を無視して、いまだに原発を擁護するのだから、小学生以下の頭脳しかない。」

草野仁=東電の広告塔。下「」引用。

「草野仁(ひとし)は、東京電力の原発広告塔をつとめてきたという点で、特に悪質である。福島原発事故があっても何も感じない不感症なのか、事故後もたびたび広告欄に堂々と登場してきた。これこそ「世界ふしぎ発見!」だ。」

脳学者=欲望の断崖。下「」引用。

「いま原発安全神話の最大のホラ吹き役と嘲笑されているのが脳科学者を自称する二人だ。東京電力の「ECO対談」に登場した茂木健一郎と養老孟司である。養老は、『バカの壁』というベストセラーを出したが、福島原発事故後に、自分の無知を棚に上げて、原発問題に推進派と反対派がいるからわれわれは分らないのだ、などとテレビ朝日の「報道ステーション」で言い訳めいた(訳のわからない)で八つ当たりしていた。子供でも分かることが分らないのだから、自分自身の脳のどこが「最もバカの壁」であるかという科学的な分析をしたほうがいい。」

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4号機プールは爆発した。下「」引用。

「フクイチ事故後には、すべての原子力関係者が、「4号機のプールから発生した水素によって爆発が起こった」と考えていたからである。なぜか。全国の原発にある使用済み核燃料プールは、冷却用の電源が失われていると、使用済み核燃料が加熱して被覆管のジルコニウムが酸化しながら、水素を発生して、放置すれば爆発する、ということがまぎれもない事実だからである」

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【無報道の国】テレビのデタラメ学者。下「」引用。

「勿論、これは東日本大震災後にテレビに出てきた地震解説者や大学教授がデタラメを言ってきたような「史上最大の津波」であったり、「一○○○年に一度の大津波」ではない。江戸時代の一七七一年四月二四日(明治八年三月一○日)に発生した琉球(現在の沖縄県)の八重山地震では、石垣島での津波の最大波高が四○メートル、最大遡上高さが八五・四メートルと言われる超巨大津波であった。ほんの二四○年前の出来事だ。これは、二○○四年に起こった高さ五○メートル近いスマトラ島沖の巨大津波にも匹敵するほどであった。ほとんどの日本人が、こうしたトテツモナイ記録を聞いた記憶がないのは、東日本大震災後にも、まったくこうした重要な史実をテレビも新聞も伝えず、嘘八百を並べるからである。おそろしい無報道の国家と言わねばならない。」

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「大津波千年に五回」北海道新聞7月28日。

「六ヶ所再処理工場では何が事故原因となり得るか」 下「」引用。

「こうした事故のきっかけになると、誰でも予想できるのが、地震による揺れの一撃で、福島第一原発のように配管が破損するおそれがある。また、津波を浴びて水没することによって、電源がまったく失われて完全停電に陥り、工場が末期的な事態に突入するおそれである。先に述べたように、すでに昨年(二○一一年)の地震で、重大なその危機を二度も経験しているのだから、身の毛もよだつ思いがする。
 それを考えた場合、まず六ヶ所再処理工場で、放射性物質が通る配管の総延長が一五○○メートルではなく、一五○○キロメートルもあるという事実が、最大の脅威であることは、誰にでも想像できるはずだ。東京~青森が六○○キロメートル。下北半島北端の尻屋崎~本州西端の山口県下関を直線で結んだ距離が一二五七キロメートル。それより長いパイプが、強烈な硝酸の腐蝕作用を受けて、どこにも欠陥が生じないということは考えられない。加えて、この配管の接続部分が四万ヶ所もある。」

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「原子力安全・保安院はメーカーOBの欠陥集団」

伊方原発と巨大津波。下「」引用。

「-略-過去の仁和南海地震、宝永南海地震では、大阪湾や瀬戸内海沿岸に大津波の記録があるのだから、瀬戸内海に津波が来ないなどと、誰が言えるのか。このような内海の津波来襲は、最もおそろしい結果を招く。もし中央構造線が動けば、瀬戸内海に巨大津波が発生することは間違いない。」

玄海原発。下「」引用。

「佐賀県の玄海原発は、二○○五年に玄界灘で福岡県西方沖地震(博多沖地震)が発生するまで、海底の活断層をまったく知られずに運転をしてきた。地震の静穏期を終えて危険な活動期に入った現在は、地雷原の中を歩いている状態にある。佐賀県の古川知事が九州電力の言いなりになる人物であることが最大の問題でもある。」

川内原発。下「」引用。

「鹿児島県の川内原発は、日本最大の活断層である中央構造線が目の前にあり、二○○九年以来、桜島と霧島連山・新燃岳の記録的な噴火が続き、二○一一年に桜島の噴火回数が史上最多を数えたので、地震の直撃が最も逼迫していると見られる。」

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【TMI事故】「一軒ずつノックしてつくった癌・白血病地図」はメアリー・オズボーン。下「」引用。

「しかし福島第一原発事故に比べれば、その放射能はケタ違いに少なかった。ところが彼女は、多くの地元民に異常が出ていることを知って、一軒ずつドアをノックして、最もつらい被害調査をした。そして事故から九年後にできあがったのが、このスリーマイル島周辺の癌・白血病の分布(図22)である。」

【TMIは未来】 下「」引用。

「円の中心にスリーマイル島原発があり、癌・白血病が集中している方向に、放射能が大量に流れたのである。私が、いますべての日本人に見てもらいたいのが、この実害である。事故から九年後にこうなったなら、これよりはるかに大量の放射能を浴びてきた日本では、一○年後に、何が起こるか。日本人とは、そんなことも分らない民族なのか!」

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「待っていてはいけない!」 下「」引用。

「いま子どもたちの体内で、この地図をつくろうとているのだ。このまま汚染食品を放置して、一○年後、三○年後に疫学調査の結果が出た時には、子供たちが病院の病室で、静かに苦しんでいる。しかし、われわれは、そのような疫学調査の結果が出るのを、待っていてはいけない。疫学調査などには何の意味もない。あらゆる手段をつくして、これを何とか、食い止めなければならない。もはや、放射能の危険性を悠長に議論している時ではない。この事実から、考え始めることだ。」

甲状腺がんなど……。下「」引用。

「チェルノブイリ原発事故では、死亡者の半分が子供であった。ベラルーシのゴメリ州では、事故後に甲状腺癌の発症率が一○○○倍に上昇した。ミンスク市では先天性重度障害児の出産数は膨大な数に達し、脊髄損傷、脳性麻痺、水頭症など、奇形児の出生率が二五倍になった。生まれてくる子供のうち、健常児は一五~二○%である。映画のタイトルとなった「心臓・肺の疾患」は非常な数に達している。--
 こうした重度障害児を生み出した原因として考えられることは数々あるが、その一つは、当時のヨーロッパ人がわれわれに教えたチェルノブイリ汚染地帯での、染色体異常であった(図23)。」

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小宮山の人間性。下「」引用。

「文部科学省が子供の危険性を考え始めたと思ったら、厚生労働大臣の小宮山洋子が、二日後には「これは給食の基準ではない。放射能の検出限界を四○ベクレルにするよう通知しただけだ」と否定して、“殺人的”な厚生労働行政の代表者たるおそるべき人間性をあらわにした。」

NHKとスーパーのデタラメ。下「」引用。

「NHKは一度も、東京電力を批判していない。おかしな討論会だ。この番組が仕組まれたものであることは、よく耳を傾けているうちに、明らかになった。某スーパーの魚介類からは、われわれが知るだけでも、かなり高い数値が出ているのだ。-略-」

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二十センチの表土を削っても今も住めない。下「」引用。

「-略-長野県松本市長・菅谷昭(すげのあきら)氏によれば、ベラルーシ汚染地帯では、五センチどころか、二○センチの表土を削っても事故から四半世紀後の今も住めない状態にある。福島市、二本松市、郡山市は軽度の汚染地域となっているが、菅野氏が住んでいたベラルーシ汚染地帯より汚染値が高いという。」

特捜部動かず。下「」引用。

「私は、ルポライターの明石昇二郎氏と共に、二○一一年七月に福島原発事故の責任者たちを東京地方検察庁特捜部に刑事告発したが、今日現在まで特捜部はまったく動いていないのは、どうしたことだ。八月一七日に浜松市の天竜川で川下り船「第一一天竜丸」が転覆する事故が起こり、五人の死者を出したが、その翌日の一八日に、静岡県警捜査一課と天竜署は、業務過失致死容疑で、運航会社の天竜浜名湖鉄道など三ヶ所を家宅捜索し、段ボールに資料を詰めて運び出した。しかしその五ヶ月以上前の三月一一日に、福島第一原発メルトダウン事故を起こした東電に対しては、現在に至っても、いまだに本社に対する家宅捜索がおこなわれていない。読者は、このような日本の検察はいかがわしいと思わないだろうか?」

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