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放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響-チェルノブイリ原発事故被曝の病理データ-

2012年02月09日 | 読書日記など
『放射性セシウムが人体に与える医学的生物学的影響-チェルノブイリ原発事故被曝の病理データ-』
   ユーリ・I.バンダジェフスキー(著)/
     久保田護(訳)/合同出版2011年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「チェルノブイリ事故後、10年にわたって、
ベラルーシの放射能汚染地区に居住する数千人を対象に、病理解剖を含む医学的生物学的調査を実施し、動物実験と合わせて、各臓器に取り込まれた放射性セシウムの量と病変との関係を評価した論考。
内部被曝の健康影響を考える一助に。原論文を併載。」



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「本書は、チェルノブイリ原子力発電所事故によって汚染された地域の住民の健康状態に関して、ゴメリ医科大学が10年にわたって実施した剖検を含む医学的調査、および動物実験の結果を評価し、人体の各器官に起こる病理学的変化を考察したものである。病変は全身の臓器に認められたが、とくに放射性セシウムがもたらす毒作用にの注目し、生体中の長寿命放射性元祖による一連の症候群(SLIR)を強調した。体内に取り込まれた放射性セシウムによる健康影響を考える一助に。」

生存が脅かされている……。下「」引用。

「現在のベラルーシ共和国では、国民のだれもが健康について深刻に考えざるを得ない状況にある。人口統計をみれば、21世紀におけるベラルーシ国民の生存が脅かされていることは明らかである。原因と結果を分析すると、高頻度にみられる病理学的変化や疾患、とくに腫瘍や心血管系障害を引き起こす主因が放射性元素であることがわかる。それは1986年のチェルノブイリ原発事故と、それ以前から地球上の各所で何度もおこなわれた核爆発によって、環境中に放出されたと考えられる。大量の放射性元素が数百万人もの生命を、現在のみならず、将来にわたっても脅かし続ける。-略-」

セシウム137と病態。下「」引用。

「とくに、心血管系疾患で死亡した患者の心筋には、消化器の疾患で死亡した患者より、確実により多くのセシウム137が蓄積していた。感染症で死亡した患者の肝臓、胃、小腸、膵臓には、心血管系、消化器系の疾患(おもに胃潰瘍や十二指腸潰瘍 )で死亡した患者に比べて、はるかに多くのセシウム137を骨格筋に蓄積していた。
 このように、汚染地域の住民の臓器や系にはセシウム137が蓄積しているが、どの臓器にどの程度蓄積するのかは、おもに食品をとおして体内に取り込まれたセシウム137の量に相関するが、それ以外にもさまざまな因子、性別、年齢、生理的条件、構造的機能的要因、病変の性質と病状などに関係している。」

薬剤。下「」引用。

「ゴメリ医大では、1992~1999年にかけて、動物実験よっていろいろな腸内吸着剤を試験し、セシウム137の排出効果を評価した。その結果、成分を調整した粘土ゃ、デキストリンを含む吸着剤がもっとも有望と評価された。この2つは、有機シリカや木炭を含む吸着剤と違い、肝臓や腎臓への放射性元素の悪影響を増大させない。-略-」

体内への取り込み。下「」引用。

「放射性セシウムが人体の臓器や組織に取り込まれると、明かな組織的代謝的変化が起こり、個々の臓器の異常と生体全体の疾患を伴うようになる。放射性セシウムは、重要臓器や組織に侵入するので、体内にセシウムが少量でも取り込まれると、生体にとって脅威となることは避けられない。-略-」

心血管系……。下「」引用。

「心血管系が放射線から受ける影響の問題は、国内外の出版物で深く考察されている。研究報告の大部分は、生体全体もしくは心臓部位に外部から放射線を照射するという条件で実施された、おもに実験動物を用いた研究である。それらの研究では、心機能や心臓の代謝活性が評価されてはいるが、心筋の組織病変は明らかににされていない。私たちの研究では、生体内に取り込まれたセシウム137と、それによって生体が受ける影響を取り扱った。
 第一に、汚染地域(ゴメリ州、1~5キュリー(Ci)/km2[訳注 : 37~185kBq/m2)に住む、さまざまな年齢層(生後14日~14歳まで)の子どもたちを対象に心電図検査をおこなった。その結果、心電図異常が高頻度(55.9%~98.1%)に認められた。それらはおもに、心筋内伝導障害に起因する不完全右脚ブロックの形を取る心電図異常や、心筋の酸化還元反応の混乱による異常、あるいは心房内洞結節伝導系の自律機能の障害による心電図異常であった。
 また、3~7歳のゴメリの子どもたちでは、放射性元素の体内蓄積濃度か平均で30.32±0.66Bq/kgに達し、心電図異常の頻度が体内の蓄積量に比例することが明らかになった。
 この相関は基本的に、心筋代謝の混乱と不完全右脚ブロックの形をとる心室内伝導障害(図10)に起因する。
 ゴメリ医大に在籍する18~20歳の学生たちを対象にした調査では、明白な心電図異常が48.7%の学生が認められたが、この学生たちのセシウム137の平均濃度は26.00±2.00Bq/kgだった。-略-」

腎臓……。下「」引用。

「腎臓組織を顕微鏡で検査したところ、組織全体に病理学的変化が認められたが、とりわけネフロンにもっとも目立った病変が認められた。
 たいていの場合、糸球体の毛細血管ループの壊死という形態をとる、程度のさまざまな萎縮変性がみられた。ボーマン嚢と糸球体毛細血管ループとの間隙が狭くなり、浮腫液で満たされていた。これらの糸球体では毛細血管の内腔が著しく狭くなり、血管壁は薄くなっていた。-略-」

肝臓……。下「」引用。

「全死亡例に共通にみられる肝臓組織の目立った変化は、血液循環の異常を示す所見と変性病変であった。肝実質の構成要素における顕著な細胞多形性と細胞核の多形性、いろいろな大きさの肝細胞、おもに二重核、または多核など、大きさ、形態、染色性などが異なる細胞核が、特別な注意を引く所見であった。-略-」

造血系……。下「」引用。

「汚染地域の子どもと10代の青少年の血液検査のデータを数多く査定して、一連の病変を解明できた。すなわち、大赤血球症、白血球リンパ球減少症をまれに伴う赤血球減少、さらに好中球と好酸球の量的質的変異である。-略-
 研究の結果、子どもの体内セシウム137濃度の上昇につれて赤血球球が減少し、一方で、ヘモグロビンの濃度は対照グループより高くなることが判明した-略-」

神経系……。下「」引用。

「自律神経系の異常の程度と頻度は、体内に取り込まれたセシウム137の濃度に相関している。セシウム137の体内濃度が100Bq/kg以上になると、交感神経緊張症になる子どもの数が増大する。
 チェルノブイリ事故後に、器質的精神疾患とうつ病の増加が報告されている。精神疾患の増大を、放射線に対する必要以上の恐怖とストレスが蔓延した結果だと主張する者がいる。そのような「放射線恐怖症」論者と私たちは意見を異にし、とくに成長中の若年者で、放射性セシウムによって神経系組織が影響を受け続けていることきが真の病因であることを立証する。妊娠したメスの実験動物で、着床期の子宮粘膜に実験的に放射線を照射すると、胎児の神経系と系統的な異常が引き起こされる。
 ウクライナの科学者による神経生理学的な研究によれば、おもに左側(優位側)の大脳半球で、大脳辺縁系-網様体系に機能障害が存在することが、詳しく述べられている。この機能障害は、出生前および生後に放射線被曝することで大脳に機能的構造的異常が引き起こされることをはっきり示している。」

日本では日本医師会という圧力団体があるから、隠蔽に走るでしょうね……。

他国にくらべて看護師との給料の差が驚くほど高いのも、圧力団体のおかげ???

いや、もう隠蔽に走っているという記事も以前にも紹介しましたよね?

2012年01月21日
福島県医師会は思考停止状態?









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