磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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日本絶賛語録

2009年06月28日 | 読書日記など
『日本絶賛語録』
   村岡正明・編/小学館2007年

うさん臭い仕掛け……。下「」引用。

「-略-だからといって、「美しい国づくり」などという、意味不明で薄っぺらなナショナリズムの昂揚(こうよう)運動のウサン臭い仕掛けに、救いを求める気にもなれない。
 では、わたしたちの国は、どこがどう壊れてしまったのだろうか?-略-」



来日外国人の目を通して……。下「」引用。

「本書では、この難問を、来日外国人がみずからの眼で観た生の証言を主体に検証してみたい。「美しい国」論のような、きわめて作為的で(つまり為政者の意図で人民を一定方向に誘導する企み)、独りよがな思いこみは一切排除する。「美しい国」のまぼろしにまどわされず、来日外国人の心を奪った「美しい人々」だけを見つめてみたい。-略-」

尊敬とは金銭じゃない……。下「」引用。

「その貧乏な武士が、富裕な平民から、富豪と同じように尊敬されていることである。-略-」

「アインシュタインの日本賛辞を捏造した破廉恥」 下「」引用。

「一方で、日本人の在りし日の美点を、万古不易の真理であるかのように観念的に絶対化し、それを現代社会にまで強引に当てはめて(現代のわたしたちに、そのまま受け継がれているかのように思い込み)、ご満悦に浸る向きもある。
 このような宗教的なまでの“自己満足派”を最も酔わせる日本賛辞は、たとえば次のようなもの。この言葉は長らく、あの相対性理論で有名なアルバート・アインシュタインの言葉とされてきた……(アインシュタインは訪日の船上でノーベル賞受章の報を受けた。大正十一年十七日神戸港着、同年十二月二十九日門司港より離日)。
「近代日本の発展ほど世界を驚かせたものはない。一系の天皇を載いていることが、今日の日本をあらしめたのである。私はこのような尊い国が世界に一ヶ所ぐらいなくてはならないと考えていた。世界の未来は進むだけ進み、その間、幾度か争いは繰り返されて、最後の戦いに疲れるときが来る。そのとき人類は、まことの平和を求めて、世界的な盟主をあげなければならない。この世界の盟主なものは、武力や金力ではなく、あらゆる国の歴史を抜きこえた最も古くてまた尊い家柄でなくてはならぬ。世界の文化はアジアに始まって、アジアに帰る。それには、アジアの高峰、日本に立ち戻らねばならない。我々は神に感謝する。我々に日本という尊い国をつくっておいてくれたことを」(出典不明)
 あまたの本やインターネットに、これがいまなおアインシュタインの言葉として流布され続けている。悲しい日本の現実。」

ヒトラー亜流の日本……。下「」引用。

「ヒトラーの暴虐からアメリカに逃れたアインシュタインが、こんなナチズム亜流の徒お誂えのような発言をするはずがない。ちょっとでも近代思想史を勉強した者なら、これが日本軍国主義はなやかし頃の典型的な八紘一宇の独善的ロジックを焼き直したものにすぎないことは、お見通しだろう。捏造とみなさざるをえない……。」

アインシュタインが発言したら、外国語でも残っている可能性が大でしょうね……。下「」引用。

「アインシュタインは、たしかに日本贔屓であり、日本礼讃を惜しまなかった。しかし、いくら調べても、先の言葉は見あたらなかった。むしろ、実際のところ、日本の時局をその目で参手、日本人のために危惧する発言すら漏らしている。
「日本にきて特に気になるのは、いたるところに軍人を見かけ、平和を愛し平和を祈る神社にも武器や鎧が飾られているのは、全人類が生きていくのに不必要なことと思います。それからもう一つは、大阪の歓迎会では会場が日本とドイツの国旗でうめつくされていて、日独親善の気持ちは感謝しますが、軍国主義のドイツに住みたくないと思っている私には、あまりいい気持ちはしませんでした」(中本静暁著『関門・福岡のアインシュタイン』新日本教育図書)」

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坂本竜馬の平等思想はものすごい……。下「」引用。

「坂本竜馬は、その平等思想を「人も獣も天地の虫」と語った。このあまりに即物的な口舌は、西洋史における近代ナショナリズム思想としては、未熟すぎて通用しない。が、日本人ならパッとわかる。何人も自然の摂理と共同のルールを破っては生きる資格がない。この世で暮らしているのは自明の理。」

環境問題でも進歩的かもしれない……。

目次

「美しい人々」……。下「」引用。

「-略-良心が恥辱にまみれ、理性が愚弄される怖さ醜悪さを隠し持つ「美しい国」。とどのつまり、官製「美しい国づくり」運動のお仕着せとは、国家権力にだけ都合のいい、形をかえた忠君愛国の強制に他ならない。
 これは比べれば、本書で学べる。もうひとつの「優しさと美しさの帝国」のほうが、はるかにリアルに、先人の実相と美点とを感得できる。
 真実は、「美しい国」ではなく「美しい人々」にある。」

一部の「国家神道」の醜い人たちが、この国を焦土に変えたのが歴史だろう……。








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