磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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財団法人鹿島平和研究所選書 核兵器白書-ウ・タント国連事務総長報告-

2008年07月05日 | 読書日記など
『財団法人鹿島平和研究所選書
  核兵器白書-ウ・タント国連事務総長報告-』
    ウ・タント(著)/鹿島研究所(訳)/
      鹿島研究所出版会1968年

国連でもっと核兵器のことを話し合ってもらいたいと思うし、それを一般の人たちに伝えるべきだと思う。一度はじまれば、人類滅亡という可能性すらあるのだから……。



この報告書について。下「」引用。

「本報告書が作成されるに至った経緯については、ウ・タント事務総長の言葉や総会決議に詳しく述べられているが、草案作成に参加したものとして、二、三感じたところを述べて見たい。
 私共は、国連事務総長の個人的な顧問という資格で委嘱されたもので、それぞれの国を代表して参加したわけではない。そのために、議論に際しては、初めに、各人が国の政治的立場を主張しないこと、および誰が何を述べたかという討議の経過は一切公表しないという申合せが行なわれた。」

しかし、ひとりの人間ではなく、国益という国体とは関係のない、ある一部分の企業などに関係する考えをいう人もいたようである……。

日本では、いつものことですね。
--カルト教団の洗脳をとくのと同様に困難なことでしょう……。


そして、この本の意義。下「」引用。

「本書は昨年十月国連が公表した核兵器問題に関するウ・タント国連事務総長の特別報告書の全訳である。核兵器の使用がいかに大きな惨禍をもたらすかは地球上の誰よりもわが国民が最もよく知っているところであり、核兵器が人類とともに在ってはならないものであることには何人にも異論があるまい。しかしこのように人類にとって死活的な核兵器の問題も、世界諸国民の国民大衆問題の正しい理解も、その解決の道も歪められる惧れなしとしない。
 かかる見地から、国連総会の決議に基づきウ・タント事務総長が委嘱した十二ヵ国の権威者がその学識と英知を傾けて本報告書は、核兵器の恐怖と、これを所有することに伴う経済的犠牲が、必ずしも安全保障の意義と見合わせないことを、客観的、科学的に、しかも一般大衆に分りやすく解明しており、世界各国民の必読の書と考えられるので、ここにその全訳をわが国民に贈る次第である」

核兵器の残虐性について書かれてあった。
--「火の嵐」ということも書かれてあった。
コミックの「はだしのゲン」を読んでボクは驚いたことを思い出す。下「」引用。

「広島での爆発は、急速に「火のあらし」を起こした(注2)」
「注2 「火のあらし」は、かならずしも核爆発に特有な現象ではない。森林の火災や通常の焼夷弾攻撃の結果として起こることもあり、主として、激しく燃えている地域に起こる熱せられた空気の上昇に伴う吸引作用によって、強い風が吹き込んで起こるものである。「火のあらし」の起こり方は、攻撃が行われたときの条件、地域的に燃えやすいものがあるかどうかなどで決まる。」

ポーランドでは小規模高性能核兵力をもとうと見積もりをしたという。
この時代のポーラランドはソ連の影響力の強い国でしたね。下「」引用。

「本報告書のためポーランドが小規模高性能核兵力のコスト見積りを研究した。想定では計画が二段階からなり、それぞれ五年間とされた。-略-この計画の総合コストは五六億ドル、したがって一○年間の平均年間コストは五億六○○○万ドルとなる。-略-フランスの初期のこの事業の程度をあらわしているが、後には、一年に一○億ドルにものぼるようになった。」

たとえ、今、核兵器反対などといっていても、本心を隠して、ミス・リードさせる人たちもいるから、気をつけたいと思う。








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