磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

東京電力・帝国の暗黒

2011年08月15日 | 読書日記など
『東京電力・帝国の暗黒』
   恩田勝亘・著/七つ森書館2007年、2011年初版2刷

「大地震直撃--第二刷にあたって」 下「」引用。

「本当に恐れてた事態がついに現実のものとなった。4年前に東京電力柏崎刈羽原発が見舞われた原発震災の再来というより、それをはるかに上回る巨大原発震災だ。-略-」

福島原発災害がいきなりきたわけではないですよね、たしかに……。



廃炉の費用もウソ。下「」引用。

「彼らが算定する廃炉コストはわがす700億円前後だ。しかし、精緻に算定する専門家たちは、少なくとも2000~3000億円、さらには5000億円とする厳しい見立てもある。放射能まみれになった原発を解体、撤去するだけでも20年以上かかるうえ、原子炉やタービンなど放射能濃度の高い機材を保管管理するのには気の遠くなるような時間を必要とする。何よりもそれら廃棄された機材、機具をどこに置くか。まだ場所も確保されていないのである。」

炎上、柏崎刈羽(2007年7月16日)。下「」引用。

「白い大きな建物を背に、もくもくと湧き上がる黒煙と足下からのぞく赤い炎。上空を旋回するヘリコプターのカメラが、その様子を近づいたり、引いたりしながら容赦なく、延々と映し出す。異常な事態であることは誰の目にも明らかだ。むが、カメラを引いて映し出される建物の周囲一帯に消防車はもとより、現場に駆けつける人影すらなく、不気味に静まり返っている。-略-」

わずか3年で、またも襲ってきた大地震……。下「」引用。

「同じ新潟県中部を襲った3年前の地震と今回のそれは、やや様相を異にしているようだが、規模はほぼ同じである。そして地元住民が口を揃えるのは、「わずか3年でまた大地震がくるとは」という戸惑いだった。-略-」

地震もたしかに多いですよね……。

東電聞く耳もたず……。下「」引用。

「何しろ30数年前から幾度となく地震の危険性を指摘されながら、東電は聞く耳を一切もたなかった。」

「東電福島原発で“隠された”従業員の大量被曝があった!」80年1月。下「」引用。

「シャワーを浴びても何回計り直しても
 ソ連の原発事故が大々的に報道されているなかで、本誌は東京電力の福島第一原子力発電所(福島県双葉郡)での“隠された”被曝事故に関する貴重な証言を得た。
「とにかく、通常の五百倍にもなる被曝事故です。放射能を浴びた従業員の今後の健康を考えると、黙っていられなかったんです」
 と語る平井憲夫氏(47歳)、福島第一原発で現場作業を請け負っていた横浜プラティックスの元工事部次長。一級プラント配管技能士の資格をもっている。」

index

被爆後Sさん。下「」引用。

「被爆後はどうなったのか。
「あのすぐあとは、吐き気がしたし、頭痛も出た。歯ぐきから、たまに出血が出たな。夜、寝られねえこともあった。いまも、たまにある。寝ようと思っても、眠くならねえだ」-略-Sさんは大阪府松原市の阪南中央病院で診察を受けた。
 診察してくれたは村田三郎医師(内科・放射線科)。村田医師は広島、長崎の被爆者を多数診てきた医師で、3年前には福島第一原発の作業員の発病を診断したこともある。
 村田医師は、Sさんがもってきた電離放射線健康診断個人票を見ながら、こう語る。
「やはり52万カウントというのが大きいですね。被曝直後の2月5日の診断で、白血球数が3900と4000を切っているのは、被曝の影響と思われます」
「今日の段階でいえることが、数点あります。-略-まだ確定的なことはいえませんが、原爆の被爆者や原発被曝者に共通していることは、気管支が弱くなり、出血斑が出やすいことなんです。」
 それにしても、なぜSさんは大量被曝したのか。
「おそらく清掃作業に使った石綿のホコリを吸ったんだと思います。炉の近くのチリも、相当に汚染されていますしね」(原発問題に詳しい元都立大教授の高木仁三郎理学博士)」

もくじ

臨界事故。下「」引用。

「臨界事故は78年に東電福島第一原発3号炉で、99年に北陸電力志賀原発1号炉でそれぞれ起っていた。
 臨界事故の恐ろしさを簡単にいえば原子炉が人間のコントロールを外れ、炉内で勝手に核分裂が進む状態だ。暴れ馬が暴走するのと同様、止められなければ原子炉暴走、すなわちチェルノブイリと同じ大事故に至る可能性がある。そんな重大事故をチェルノブイリの6年前に起こし、東電はこれまで隠蔽し続けてきたのである。東電にとっていかに深刻だったかの証左でもある。」

密かにシュラウドを取り換えた東電。下「」引用。

「そのシュラウドにひび割れが生じ、それが大きくなれば燃料棒や制御棒の安定性が損なわれ、周囲を取り巻く冷却水の流れにも変化をたす。炉心部は不安定になり、何が起きるかわからない。
 それほど重要な機材に欠陥が見つかっているにも関わらず、東電は何事もないように装いつつ、密かに修理あるいは材質の違うシュラウドに取り換えるという悪質な隠蔽工作を行っていた。それも93年ごろから福島第一原発で5基、同第二で3基、柏崎刈羽で1基の計10基で行われていたことが白日の下にさらされたのである。
 しかもこの事実が内部告発で経産省(当時は通産省)にもたらされ、その外局である原子力保安院が調査わ始めたのが00年7月。ところが保安院の怠慢、東電の非協力で正式に公表するところへこぎ着けるまで2年を要し、当時の平沼赳夫大臣に報告されたのが前日。-略-」

想像すると空恐ろしい……。下「」引用。

「建設工事から定検までの修理まで、さまざまな問題があることは原発取材を重ねるほどにわかってきたが、それを改めて先の平井氏から詳細に取材したのはチェルノブイリ事故2年後の88年だ。それまでは各種資料や報道による間接情報、あるいは当事者情報でも単純労働の従事者が多く、技術者は少なかった。それだけに専門家としての平井氏が語る原発の実情は、リアルで想像以上にひどかった。あの配管だらけの原発が大地震に襲われたらどうなるか。想像すると空恐ろしくなる話であった(「週刊現代」88年12月17日号)。」

毎月のようにどこかの原発で事故やトラブルが発生している。

「化学プラントより10年遅れ」平井。下「」引用。

「私が原発で働いていたことを知ると、たいていの人がこういう。原発は最新の技術を駆使して精密につくられている、と世間の人は思うらしい。ところがそれはとんでもない誤解だ。化学プラントに比べれば技術的に10年から15年は遅れている。配管の常識を無視したマニュアルを押しつけたり、クラック(亀裂)の原因になるため化学プラントでは60年代にやめた工法を、原発では最新の工法と思いこみ、80~81年になって取り入れた。しかもズサンな工事なゴマ化しが横行しているのだ。-略-」

「表2 東京電力の連結子会社群(その1)」
--たくさんあるものですよ!……。

抜け落ちている経営状態。下「」引用。

「東電は一見、余裕に満ちた経営状態も実は要素が抜け落ちている。電力会社が口を揃えて強調する「安い原子力」なるものは、正確なコストが反映していない。すなわち「高レベル放射性廃棄物」の処分費用、古くなった原発の解体廃炉費用を充分積み立てているとはいえないからだ。原発では半減期(放射能が半減する期間)2万4000年のプルトニウムはじめさまざまな放射性物質が出る。それらを安全に処理、管理するには半永久的な時間を要する。それこそ気の遠くなるような費用がかかり、算定不能といっていい。」

「世界一安全」甘利大臣。下「」引用。

「重大事故を起こし、それを隠してきた日本の原発が世界一安全とはどういうことか。甘利大臣はどこかズレていますよ」(経産省担当記者)」

これだけのことがあったのに、「想定外」で逃げようとしたのか?
そもそもが、困った人たちですね。

さらに東京電力の追求をしてもらいたいものです。
どうして、こんな会社を生かしたのかも?










index

INDEX

INDEX

目 次



エンタメ@BlogRanking




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。