磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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日本の原爆文学3 林京子

2006年05月18日 | 読書日記など
『日本の原爆文学3 林京子』
   ほるぷ出版1983年

昔は小説とは不良が読むものだったと、
僕の母の世代の方は語られたものです。
時代は変るものですね。




しっかりしたことも書かれてあったりします。

被爆者健康手帖のことが書かれてあります。以下「」引用。

「被爆者健康手帖は、私たち原爆被害者に、国が交付している手帖である。昭和三二年三一日、原爆医療法、原子爆弾の医療などに関する法律が、制定された。手帖は、法律に従って交付されるが、一般被爆者健康手帖と、特別被爆者健康手帖とある。手帖交付を受けていると、病気にかかった場合、手帖を利用すれば国が医療費を負担してくれる。終身だから、肉親を原爆で亡くして身よりがない被爆者たちや病気がちな被爆者にとって、ありがたい手帖である。但し、病気であれば総て無料という訳にはいかない。医師の認定がいる。例えば、原爆症による××とか△△とか。出産、歯痛など一般常識から考えて、被爆によらずともかかり得る病気、自然現象などは除外される。ただ、これも異常が認められれば無料となる。被爆者の手帖に対する反応は複雑で、ありがたがっている者ばかりではない。被爆の過去をかくすために、手帖交付を拒否している者も多い。また原爆症の恐怖からのがれたいために、手帖とは無縁でありたいと、交付を受けない者もいる」

また、被爆者と知られれば、子供の縁談にかかわると、隠しておられた方もおられるそうです。

血の涙を流されてしなれたことも表現されています。
これは、表現ではなく、本当にそうだったみたいです。

また、社会問題も書かれてあります。

「一九七〇年一〇月一〇日の朝日新聞に“被爆者の怪獣マンガ小学館の「小学二年生」掲載、「残酷」と中学生が指摘”の記事がのっている。「原爆の被爆者を怪獣にみたてるなんて、被爆者がかわいそう」女子中学生が指摘し問題になった。怪獣特集四五怪獣の中の、人間の格好をした「スペル星人」が「ひばくせい人」で全身ケロイド状の模様が描いてある。真意をただされた雑誌側は調べてからでないと何もいえません、と答え、原爆文献を読む会の会員は絶対に許せない、と抗議の姿勢をとった。事件が印象を強く残ったのは確かである」

薬もないために、代用していたそうです。
それも具体的に書かれてあります。

個人の痛みを越えて、平和運動をと立ち上がっていかれます。

いろんなことが書かれてあります。



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