磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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勝海舟 童門冬二・著

2010年01月08日 | 読書日記など
『勝海舟』
   童門冬二・著/歴思書院1997年

--庶民を愛し、愛された勝海舟……。



「誤解され続けてきた男」 下「」引用。

「徳川幕府が倒れた後、勝海舟は二回にわたり大きな非難を受けている。最初は西郷吉之助と腹芸行った江戸無血開城のときであり、二回めは、明治になってから福沢諭吉が有名な「やせ我慢の説」によって海舟批判を行ったときだ。」

index

「共和制」を咸臨丸で渡米した時、研究したようだ……。

西郷吉之助も「共和制」……。下「」引用。

「つまり西郷は、「共和政治」をやり通すと宣言しているのだ。あの西郷が共和政治などという新しい言葉を使うのは、何となくそぐわない気もするが、これはおそらく西郷が勝海舟の言った言葉をそのまま使ったからだろう。」

勝が生まれたころの勝の親父は座敷牢……。下「」引用。

「勝が生まれたのは、小吉が二十一歳から二十四歳までのころだが、バクチと喧嘩で実家男谷家の座敷牢に入れられていた。」

品質改良の佐久間象山が妹の夫。下「」引用。

「世界の英傑は、ナポレオンと佐久間のみ、と公言していた。
 その優秀な自分のタネを、たくさんバラまくことが即日本人のレベルをひきあげることだ、という奇妙な論理をたて、そのために妾を何人か持ち、それでも足りず、
「女をどしどし世話してくれ」
 という手紙をあちこちの友人に送っている。顔の美醜も性格も関係なく、ただ腰と尻さえ発達していればいい、というのだ。本気で日本人の品質改良をする気だった。
 こういう思いがあった女性観をもっていた象山の正妻が、先に触れたように勝海舟の妹順子である。結婚したとき、象山四十二歳、順子十六歳。」

老中・阿倍正弘は勝の「海防意見書」を読んだ。下「」引用。

「勝のこのときの意見書が、対ペリー折衝のとりいれられた節はみあたらない。ただこの意見書に注目し、
「幕府にも人材がいる」
 と感じた人物が存在した。時の老中筆頭の阿倍正弘である。阿倍は勝の論文に感心し、これを何人もの幕臣に見せた。中でも目付で海防掛の職にあたった大久保忠寛(一翁)が、勝に関心をよせた。
 阿倍正弘は備後福山藩主で温和な人物だった。-略-」

長州代表に勝が話したのは、“連合政府”。下「」引用。

「「大政奉還によって雄藩連合政府をつくろうではないか。貴藩もその中に入れ」
 ということだった、という。
 この発言は重大である。ということは、以前、横井小楠に触発された“連合政府”論を西郷吉之助に伝えたことと符号するからだ。この点、勝の新政府論というのは一貫しているといっていい。」

慶喜に裏切られた勝海舟。下「」引用。

「その勝が大阪に着いたとき、一橋慶喜にみごとに裏切られていた。慶喜の指示で、幕府は長州に、
「勅命である。将軍急逝のため、暫時休戦せよ。同時に、侵略地から兵を退け」
 という高圧的な通告を出していた。-略-」

慶喜の幻想の根拠。下「」引用。

「その根拠はやはり小栗が勝にささやいた、
「フランスの援助で長州を潰し、ついで薩摩を叩き、反幕藩を一掃したうえで、幕府(というより将軍)主導による郡県制を布く」
 という方針であった。現実を超えた“大いなる幻想”といっていい。」

民衆一揆と家茂。下「」引用。

「幕制そのものに鋭い非難を投げつける論理的な声さえおこってきた。
 家茂が生きていて大坂城で第二次征長戦の指揮をとってたころ、大阪市内におこった民衆一揆が、
「一揆をおこさせた張本人は、この城の中にいる!」
 と、口々に叫びながら城の大手まで押しよせた事件など、その典型的なものだ。」

岩倉の龍馬評? 下「」引用。

「坂本の横死をもっとも悲しんだのは岩倉具視であったという。策士、策士を知るということであろうか。」

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北海道の物産を担保にしようとした慶喜。下「」引用。

「慶喜はこの回復の資金・技術などをすべてフランスに頼った。最終期には、北海道の物産を担保に軍資金を借入れるため、外国奉行の栗本鯤(鋤雲)をパリに派遣する。この借款には、慶喜も相当の期待をかけていたが、ナポレオン三世の権威集落もあってなかなかうまくいかず、そうこうするうちに幕府の方が先に潰れてしまった。」

慶喜東帰後、全権を委任された勝海舟。

ナポレオンの露都モスコーの轍を踏むといった勝海舟。
つまり、町火消しの辰五郎に江戸に火をつけろ! といった勝海舟。武士に頼らなかった勝海舟。
魚市場の連中たちに江戸を守れという勝。






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