磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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岩波ブックレットNO.308 チェルノブイリの子どもたち

2006年05月03日 | 読書日記など
『岩波ブックレットNO.308
   チェルノブイリの子どもたち』
     高橋卓志・著/岩波書店1993年

チェルノブイリの子どもたち。
そんな名前で呼ばれたくないだろうなあー。



この著者は僧侶のようであるが、この本には宗教色をだしていない。
その面は非常に好感が持てます。

JFC/日本チェルノブイリ連帯基金」を設立されたそうだ。

日本に十人を連れてきて治療したというが、
現地の医師の意見をきき、変更。下「」引用。

「タチアナ(※医師)は、「一人や二人の子どもを日本に連れていって治療しても、すべての問題の解決にはならない。一人の子どもを日本に連れていって治療するお金で、ここでは一○人の子どもの治療ができる。わたしたちにとってもっとも必要なことは、より多くの子どものいのちを救うことだ」と断言した。この時点でぼくたちは白血病の子どもたちを日本へ連れていく意義を見失ったのである。」

このように福祉の原則は必要なところに必要なだけと、
効率的でないといけないと思う。
今の日本の行政の福祉はこうはいっていない。

郵便貯金が役立っていることを初めて読みました。同。

「その結果、たくさんの市民からのあたたかい募金が集まるとともに、この年から始まった郵政省の国際ボランティア貯金の寄付金配分を受けることになった。ぼくたちのチェルノブイリ支援が国際的な活動と認められたことによるが、この配分金はJFCの救援活動を飛躍的に進展させる要因となった。」


信州大学の医師も素敵ですね。同。

「信州大学の第二外科は伝統的に甲状腺治療を専門としている。飯田太教授のもとで、中心になっているのが菅谷昭(すげのやあきら)助教授である。ぼくたちが第一次調査から帰国した翌朝、なにげなく見ていたテレビでチェルノブイリ調査のニュースが流れた瞬間、菅谷医師は、チェルノブイリ事故の風下住民の甲状腺に必ずダメージが出るはずだと直感したという。そしてその日、飯田教授を通じて協力を申し出られたのである。」


やはり、きちんと現地のことを伝えなかったことは、
多くの人をそれだけ苦しめ、命が削られたのでしょうね。

ひどい状況ならば、
助けようという方も出て来られるのですから……。



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