新エネルギーが世界を変える－原子力産業の終焉－

『新エネルギーが世界を変える－原子力産業の終焉－』
　　　広瀬隆・著/ＮＨＫ出版2011年

「燃料電池が世界を変える」（２００１年刊）の改題，改稿。



津波ではなく地震が原因。下「」引用。
「この事故は、当初言われていたように津波で起こったのではなく、それより前に、地震の揺れで一・二・三号機とも、配管などが破損したために大惨事に発展した。その東日本大震災の地震の揺れは、わずか五○○ガル前後であつた。最近では、二○○三年以後、宮城県北部地震、新潟県中越地震、新潟県中越沖地震、岩手・宮城内陸地震が、軒並みその四倍の二○○○ガルをあっさり超えている。したがって、日本の原発はすべて、大地震が来なくとも、「普通の地震」に直撃されただけで福島と同じ悲劇を起こすことが分かっているのだ。」

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結論として……。下「」引用。
「－略－いずれ消滅することが分かっているものに拘泥する者は、時代に取り残されるのである。それでもなお、将来に絶対に存在しない発電技術に身をゆだねて、現在保有する原発の運転を続けるか、それとも、将来性がない技術に素早く見切りをつけるか、どちらが日本人にとって賢明であるか、その選択の答えは一つしかない。－略－」

地震国、対策存在しない……。下「」引用。
「世界一の地震国・日本で、原発を安全に運転できる対策など、今後も絶対に存在しないし、ほかの発電法であれば、そのような対策がまったく無用であるからだ。」

「四分の一も発電していない」　下「」引用。
「現在の原発は「四分の一」も発電していないし、火力が大半の電力を生み出していることを、ほとんどの日本人は認識していない。さらに火力発電所と水力発電所は、これほど大量の発電設備を持ちながら、その大半が運転されずに休まされている。」

主張する前に……。下「」引用。
「したがって日本人は、「自然エネルギーを利用しろ」と主張する前に、「送電線をすべてにの日本人に解放せよ！」という声をあげることが、即時の原発廃絶のために、まず第一に起こすべき国民世論であることが分る。何しろ、送電線が解放されて、安価に送電できなければ、自家発電ばかりでなく、自然エネルギーの自由な活用もできないのだから。
　原発廃絶は、反原発運動の自己満足のために実現されるべきものではない。産業界も含めた、すべての日本人のために進められるべきである。」

貧乏人はほとんど電力を消費していない……。下「」引用。
「私はしばしば原発問題やエネルギー問題で講演を頼まれることがあるが、私を招く主催者はまずほとんど貧乏人であり、招かれる講師の私も貧乏人であり、聴衆もほとんどが貧乏人である。このような人間が集まってエネルギー問題を議論することが、そもそも間違いなのである。なぜなら、私の講演会に集まってくる人間は、もともと、日常ほとんど電気を無駄に浪費しないで、節約型の生活をする性格をもっているからである。－略－」

真夏の消費量が多いのは業務用。下「」引用。
「見た通り、日中にピーク電力が記録される午後二～三時頃には、大半の電力が、住宅ではなく、業務用として消費されている。業務用とは、オフィスや学校、あらゆる公共施設や店舗などである。なぜ家庭の消費量がこれほど小さいかと言えば、日中は多くの人が仕事場や学校に出かけて自宅にいないからである。」

「風力発電の実害」
ヨーロッパとは異なる……。下「」引用。
「しかしヨーロッパの自然量モデルは、省エネルギーや古い建築物の保存、構造物の簡素化、廃棄物発生量の夏至んょ得、樹木の伐採規制、農業の振興などと同時に進められきたものである。特にエネルギー利用度がきわめて低い北欧をモデルに、自動車産業を工業の屋台骨としている日本で風力を導入しても、まったく産業の構造が異なっているので、大変な間違いを起こしてしまう。－略－」

都会向きの風力発電。下「」引用。
「風の面白い利用法が日本でも考案された。二輪車と四輪車の自動車用品を製造する松田技術研究所（フォード傘下のマツダではなく、東京・板橋にある会社）の奇抜なアイデアである。粋なトラック運転手が、ボンネットの先端に子供のおもちゃの風車を突きたてて走る光景を見かけることがある。なかなか情緒あるものだ。誰でも気づいてよさそうなことだが、松田技術研究所が最近それを本気で実用化して、小型トラックの風力発電装置を開発した。」

エコの基本は、軽薄短小。重厚長大ではないと書く人もいたと思います。

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代替エネルギーとして、電気会社が真っ先に導入すべきは、天然ガス・コンバインドサイクル。

「GEが六○％の発電効率を達成した！」GEより落ちる三菱だが……。下「」引用。
「原発より二○％も効率が高い三菱重工業の五○％で充分である。それをアメリカのように国家が支援し、全土に普及するほうが、コンバインドサイクルの一％改善レースより、はるかに重要である。」

東京電力もコンバインドサイクル。下「」引用。
「東京電力は、最も電力を消費する首都圏にありながら、九○年代前半まで「東京都内の電力自給率は一割を切り、地方を犠牲にしている」という批判が強まったため、東京湾を取り囲む臨海工業地帯に次々と高性能ガス火力発電所を建設しはじめむ、そのうちなりの発電所に、すぐれたコンバインドサイクルを導入して、LNGを主燃料とするクリーンな電力も首都圏に送られるようになった。」

「IPCC」　下「」引用。
「IPCCという組織は、実は、地球の気象を研究する専門家や科学者の集まりではない。極言すれば、二酸化炭素温暖化説の仮説が正しいという独断を世界的に広めるために動員された、コンピューターマニアのグループだと言ってもよい。－略－」

「原発のための高額な電気料金」

「いよいよ燃料電池の発電が始まった」

リニア新幹線は……。下「」引用。
「リニアのプロジェクトは、原発の増設を前提に進められてきたという意味で、電気自動車と同じ失敗の証明である。こんな巨大な電力を浪費するプロジェクトを立ち上げるその無神経さにあきれる。
　この救い難い東京大学教授が答申案をまとめたことに対して、国土交通鉄道局が「中央新幹線小委員会答申（案）に関するパブリックコメント」を求めた結果が、五月一二日に報告されたが、リニア賛成一六に対して、反対六四八となり、こんなものがまったく不要であると、九七％の圧倒的な国民がその建設に反対している。
　リニア関係の予算を二○一一年度より凍結し、こんな大金があるなら東日本大震災の復興資金にあてるべきだ。福島第一原発の事故によって、電気自動車とリニア中央新幹線の未来が閉じられたことを、メーカーと関係者は早く認識する必要がある。」

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市民運動家!?　下「」引用。
「そうした地球温暖化論を煽る市民運動家のなかには、「原発の大事故が発生しても生物のほとんどは生きてゆける。原発の大事故の発生率はきわめて小さい」と、驚くべきことを平然と書きなぐっていた。」

原発がクリーンだという珍しい市民運動家のことでしょうね？









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