磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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地球核汚染

2008年06月14日 | 読書日記など
『地球核汚染』
   中島篤之助・編/リベルタ出版1995年

いろいろなことについて書かれてありました……。
図やモノクロの写真が豊富にありました……。



フランスが核実験をしているころの本です。下「」引用。

「いま、ムルロア環礁でのフランスの核実験に全世界から抗議の声が巻き起こっています。しかし実は、南太平洋での核実験は過去に三七○回も行なわれているのです。」

以前の放射線量。下「」引用。

「再調査が行なわれたのは黒い雨だけではありません。一九八○年代には、広島・長崎の被爆者の受けた原爆放射量の再調査も行なわれています。広島・長崎の被爆者の受けた放射線量としては、T65D(一九六五年暫定線量)が七○年代末までかなり確かなものとして使われてきました。これはアメリカのオークリッジ研究所のJ・オークシャの指導のもとで行なわれた「ICHIBAN」研究によって求められたもので、「暫定線量」とはいうものの、その評価制度は広島でプラス・マイナス一五%、長崎でプラス・マイナ一○%と信じられてきました。」

極秘プロジェクトICHIBAN 問い直されるヒロシマの放射線

DS86というので見直されたという。下「」引用。

「ところが一九八○年に入って、アメリカの核兵器研究所として名高いローレンス・リバモア研究所のウィリアム・ロイやオークリッジ研究所のジョージ・カーらが突然、T65Dの見直しを行なった結果を発表しました。彼らは、現在でも軍事機密のため公表されていない広島原爆や長崎原爆の構造や材料についての情報を入手し、核兵器開発のためにつくった膨大なコンピュータ・シミュレーション・プログラム(ロスアラモス研究所で開発された、炸裂した爆弾から放出される中性子線とガンマ線のエネルギー分布を計算するシミュレーション・プログラムは軍事機密のため未公表)を用いて、原爆投下当日の気象条件なども考慮に入れて原爆放射線量を見直したのでした。その後、ロイやカーらの原爆放射線量の見直し結果はDS86(一九八六年線量評価システム)として集成され、現在にいたっています。」


図1 広島における空気中での線量のDS86とT65Dの比較


45図2 長崎における空気中での線量のDS86とT65Dの比較


「軍事中心の原子炉開発」であったという。

クーパー事件(1977年2月、スモーキー実験のときに演習に参加した元兵士ポール・クーパーが、白血病となる)を契機にアトミック・ソルジャーのことも大きな問題になったという。

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ロシアの海洋投棄について書かれてありました。下「」引用。
「「原子炉二基など大量投棄」、「三八隻、船ごと沈める」--一九九三年四月二日、各紙朝刊の一面トップ記事は信じられない出来事を報道しました。報道のもとになったのは、ロシア政府が発行した『ロシア連邦領土に隣接する海洋への放射性廃棄物の投棄にかんする事実と問題』という長い表題の白書(以下『海洋投棄白書』という)でした。」

日本海にも海洋投棄されたという。下「」引用。

「すさまじいばかりの海洋投棄の実態が明らかになり、まだ興奮収まらぬ同年一○月一七日、ロシア海軍は放射性廃棄物の海洋投棄専用線TNT27を使って日本海への液体廃棄物の投棄を行ないました。グリーンピースの調査船の撮った映像がテレビのニュース番組で映し出されていましたから、覚えている方もきっとたくさんいることでしょう。」

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チェルノブイリ事故における「非科学的なIAEAの調査報告」について書かれてありました。下「」引用。

「一九九一年五月、国際原子力機関(IAEA)がチェルノブイリ事故の影響調査報告書を発表しました。二五カ国および七機関の研究所の科学者約二○○人が調査した報告書で、マスメディアは報告書について当時、「住民に大筋影響なし」、「住民の健康被害認めず」と報道しました。
 しかし、調査対象集団と調査時期の選定という点で、IAEAの調査は致命的ともいえる大きな欠陥を持っていました。前者についていえば、汚染地域住民の健康影響を調査することを理由に、事故処理作業に従事した二五~六○万人もの労働者を除外しています。また、事故直後に避難した半径三キロメートル圏内の一三万五○○○人も除外しています。事故処理作業員や避難住民の被曝線量はおそらく汚染地域住民よりもはるかに高いはずです。
 さらに、IAEAの調査に参加した青山芳郎(当時東京大学)によれば「入院中の白血病患者、甲状腺患者、奇形児等は調査していない」(『エネルギーフォーラム』九一年八月号)といいます。要するに、汚染地域住民といっても、実際に調査されたのは病院などに入院していない一応「健全な」住民に限られています。こうした最も重要な放射線被爆者集団や入院患者集団を除外して、事故に起因する人々の健康影響を調査しようというセンスがわたしたち常人にはまったく理解できません。」

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チェルノブイリから広島へ


「突出するわが国のプルトニウム政策」
--その結果として国際的な不安と懸念・疑惑を引き起すことに……。









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