磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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チェルノブイリ食糧汚染

2008年11月16日 | 読書日記など
『チェルノブイリ食糧汚染』
   七沢潔・著/講談社1988年

輸入食品の問題ですね。
--今年も毒米、問題をぼかすためにマスコミは事故米などといっていましたね……。



著者はNHKディレクターだという。下「」引用。

「五月にはいると、NHKのテレビ番組「おはようジャーナル」でも放射能汚染食品の取材をはじめていた。担当の土谷ディレクターは、後に私とともにNHK特集「放射能汚染-チェルノブイリ・二年目の秋-」を制作することになるが、この時は検疫でチェックされた基準値オーバーの輸入食品を追っていた。しかし、各検疫所や厚生省が輸入先、通関業者の名前について口を割らなくなったため、輸入ルート等の追跡は難航していた。やがて目をつけたのが、京大工学部助手の萩野晃也さんたちが京都市内のスーパーで購入し測定した結果、キロあたり七七四ベクレルの放射能が検出されたトルコ産月桂樹の葉だった。」

業者は大損したようだ。そして、二回目には送り返せるようにしたという。そうしたら……。下「」引用。

「実はこのテレックス、さきほど入ったんですがね、トルコの業者からですわ。『積み荷はカナダへ送れ』と打ってきておるんですわ。カナダは香辛料の許容基準値をキロあたり三○○○ベクレルにしてるから、ゆうゆうオーケーいうわけなんですねん。おまけに、トルコに送るより運賃安いし……」
 社長は意外と複雑な顔付きであった。」

カナダの人が食べたのだろう……。そして、また逆のこともあったのではないか? 毒米のように混ぜたり……。

基準をこえたものはどうなるのか?
--ダメージ屋というのがあるという。下「」引用。

「あまり大きな声ではいえませんけど、ダメージ屋さんに処理してもらいますね。ええ、横浜や神戸にはこういう業者がいるんです。正式には損害貨物処理業者というんですが、貨物船で食品を運べば、一割は傷んだり海水でぬれたりして商品価値がおちる。それを商社から買い取って、国内の他のルートで、たとえば肥料や飼料として売るわけです。ものによっては台湾なんかにもっていくと聞きますけどね」
 初めて聞く「ダメージ屋」という名前の業者。本当に実在するのか。聞き出した名前を頼りに横浜で探し出す。しかし、取材はかたくなに拒否された。だが、ダメージを探して歩くこの業者の目には、放射能に汚染された食品のように見た目は何の変わりがない商品は、どう映るだろうか。測定器をもたず、これをヨーロッパ産でなく日本から来たと思う国の人々にとっては、安い買い物そのものであろう。」

ここでも外国へ。日本国内で売る手もあるのではないか?
--それは簡単には告白しないだろうなあー。


フランスの被害者・アンジェリカ……。下「」引用。

「アンジェリカは事故のあと五月一○日頃から突然、やせ始めた。少々太めだった二五キロの体重が六キロ減り、学校に行けなくなるほどの脱力感におそわれた。
 六月に入ると、島北部の街バスティアにいる友人の甲状腺専門医のところへアンジェリカを送った。二○○人の甲状腺障害を診ているその医師も、事故後の患者数が二○パーセントも増えたことを考えると、放射能の影響ではないかと考えた。その後、フランス本土のマルセイユの病院におくられ、アスピリンなどの投与をうけて一時は容態が回復していたが、学校は一年間の休学だった。この日、フクニーさんが呼ばれたのは、再びアンジェリカがのどの痛みを訴えたからだった。」

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イタリアではチェルノブイリ事故の影響があったが、わが国と同様に原子力を国策としているフランスではなかったという。

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「1 世界貿易は混乱した」
--日本でおきても、どこで起きても混乱するものだろう……。

当時の政党のことが書かれてありました。下「」引用。

「「原発」を見直す動きは、中央の政党レベルでも生まれはじめている。五大政党の中では、これまで社会党が唯一、「脱原発」を政策として唱えているが、その社会党内にも、いわゆる右派を中心として「原発推進論」が根強くあった。ところが、この右派に強い影響力を持つ全電通は、「西欧の社会民主主義政党も政権の命運をかけて原発推進に動いたが、チェルノブイリ以後は脱原発一色。今や声高に原発推進を言う状況ではなくなった」として、党に「脱原発」政策の見直しをせまらないことを確認したのである。また、安全性の確保と住民の合意を条件に原発容認の立場をとってきた公明党も、原発の安全性を再点検し、新しいエネルギー供給システムの研究を進めるための「原発問題研究会」を、党内に発足させた。」

だけど、本気で行動しているとは誰も思えないだろう……。








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