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現代教養文庫1212 三菱 日本を動かす企業集団

2007年11月10日 | 読書日記など
『現代教養文庫1212
  三菱 日本を動かす企業集団』
      奥村宏・著/社会思想社1987年

表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「「ミツビシ」--それは日本における最大にして最強の企業集団として、日本経済を動かしている。経済だけでなく、政治、社会、文化にいたる、ほとんどあらゆる分野に強大な影響力を及ぼしており、さらに日本だけでなく世界経済に対しても強い影響力を持っている。
この三菱を解剖することはそのまま日本資本主義を解剖していくことになる。」



三菱は明治維新とともにスタート。
ずっと続くいつものことですね。下「」引用。

「近代日本が明治維新とともにスタートしたするなら、発展してきた。ただ、それは戦前においては岩崎家が支配する財閥であったが、第二次大戦後は企業集団として生まれ変わっている。それはちょうど日本国家が軍国主義から「民主」主義に生まれ変わっているのと軌を一にしているが、同時に戦前の日本国家と戦後のそれとが根底においてつながっているように、現在の三菱も戦前の財閥の延長線上にある。」

アメリカの文学には、マックレイカー(mackraker)の伝統がある。
--アメリカの資本主義の暗黒面を赤裸々に描く……。
『スタンダード・オイルの歴史』アイダ・ターベル
『シティバンク』ネーダー・グループ、シティバンクを描く。
『会社国家(カンパニー・ステイト)』ネーダー・グループ、デュポンを描く。
--どれも手に入りそうにないのが残念です。

三菱グループ社長が集まる「金曜会」。
キリンビール(キリンホールディングス株式会社)も三菱グループだったんですね。知らなかった……。

そして、役員は三菱グループで兼任しているという。
--それは外国に比べたらましだとも書かれてありました。

昭和30年、三菱原子力委員会を三菱グループ22社の参加によって成立。
昭和33年、原子力に関するエンジニアリング会社として三菱原子力工業を設立。これにはグループ25社が共同出資。

系列化する理由。
1 賃金格差。子会社は少ない……。
2 リスク転嫁。成長性はあるが危険だと思われるもの、公害などを親会社が避けるために……。

親会社に支配されている以上、逆らうことはできない。

島津製作は戦中にも関係があったが、戦後は準三菱グループ企業だという。

戦争とともに大きくなる大きくなった三菱。下「」引用。

「その後の戦争経済のもとで三菱重工をはじめ三菱系企業は急速に肥大していったが、三井財閥にくらべて三菱の場合は重工業に中心があったために戦争経済下での発展は目ざましく、全体の経済力からみて三井財閥にほぼ拮抗にまで成長した。まことに三菱は戦争とともに大きくなっていったのである。」

トヨタ、東京電力などにも影響力があるという。下「」引用。

「三菱銀行が協調融資銀行として食い入っているもので、新日鉄、トヨタ自動車工業、東京電力、関西電力、九州電力、中部電力、東北電力、北海道電力、東京瓦斯など。」

しかし、失敗もあるという。……キャタピラー三菱。
だけど、ネットで検索すると、新キャタピラー三菱がある……。

夏目漱石が皮肉を書いたという。下「」引用。

「「国家社会のために尽くして、金がお父さんぐらい儲かるなら、僕も尽くしてもいい」
 漱石の『それから』に出てくるこの代助の言葉を引用しながら、丸山真男氏はつぎのようにいった。
「この漱石の痛烈な皮肉を浴びた代助の父は日本の資本家のサンプルではないのか。-略-」

政治への介入をしていたという。
憲政会総裁の加藤高明岩崎弥太郎の女婿。

防衛産業は三菱なしに語れないという。下「」引用。

「三菱重工はまた最新鋭ミサイルシステム艦、エイジスについても力を入れており、その受注を狙っているのが、さらにアメリカのSDI研究にも参加する姿勢をみせており、防衛生産のすべての面で突出している。これは三菱電機を加えると、まさに「防衛産業の道はすべて三菱に通じる」といってもよい。これは戦前からの長い伝統と、そしてさきに述べたような戦後における用意周到な対応策の産物であり、「国家とともに歩む」という三菱一流の国家主義的商法によるものである。」


浦和レッズのファンのボクには、つらい気分があります……。
浦和レッズの親会社は、三菱自動車!
平和をすすめてくれ! 浦和レッズ!
アジア一も目指してくれ!
--サッカーは平和産業だ! 
……少なくとも、戦争になったらできない……。





金融再編成で、さらにメガバンクとなった……。

さらに巨大化したことでしょうね……。





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