磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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消えた街

2009年01月31日 | 読書日記など
『消えた街』
   徳光彩子・著/なのはな出版1995年

鉄橋が落ちたら、やはりそうなるだろうなあー。

■目 次■
「消えた街」  7
「赫い絆」  137



出征兵士を送るのに、ハンカチをあったという。
それを学年の副主任であり、女学生の躾や作法を一手に引き受けていた島田先生に見られたという。
「あなたのような生徒は第一県女の恥です」と決めつけた。

今も相撲のファンは国際化しているのというのに、ガッツ・ポーズも問題だとさ。

--相撲が国際化したのではなく、曙が日本化したのだ!
やはり、そういう評価が今も正しいと思う……。

そして、横審などは、大切な相撲道などは忘れている始末である……。

原爆投下された時……。下「」引用。

「前の山田さんの台所で、四人の男の子たちが華々しく争う声が聞こえる。育ちざかりの腕白な叫びに交じって、おおらかで明るい母親の声が裁いている。食べものの奪いあいをしているように聞こえて、私はひとり微笑んだ。
 そのときである。突然、すさまじい光が宇宙を引き裂いた。視界のすべてがきらめく光線に射竦められた。黄色い光のように思われたが、その閃光はあまりに強烈で素速く、捕えることができない一瞬の輝きだった。」

帰ってきた父……。下「」引用。

「日が陰りはじめたころ父は帰ってきた。今井さんの裏の井戸の傍に立っている姿を見つけて、思わず走り寄った。
「お父さーん」
 だが違う。父は亡霊のごとく立っていた。娘を見ても表情が動かない。風貌がいつものと違うのだ。肩を丸めて前かがみになっている。
 顔は赤く焼けていた。-略-」

看護組は……。下「」引用。

「私は同じ軍人の父をもつ級友を思い出して話題にした。
「……あの人も看護組じゃなかったから、学校にいたはずよ」
「じゃ、駄目ね。あの辺は私たちの学校より酷かったから」
 終日広島市内を逃げ回ったという妙子さんは、級友の生死を簡単に決めた。」

鉄橋が落ちたら……。下「」引用。

「広島駅から西に向かう己斐行きの電車に乗って焼け野原を横断することになるのだが、電車の本数も少なく、待ち時間が永い。おまけに天満川にかかる鉄橋は落ちている。錆びて歪んだ鉄橋が川っ縁にぶら下っていた。電車は川の手前でピストン運行をする。乗客は電車を下りて仮り橋を渡り、向う岸で違う電車を待つ。気の遠くなる話だ。毎日砂漠を横断する思いの通学だった。」

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父も兄も……。下「」引用。
「頸のケロイドが引き攣り、顔も人生観も変わってしまったような眼差しの父--
 病院から脱走した兵士のように生気のない顔の兄--
 男たちはそれぞれに疲弊している。-略-アルコールに弱い兄は、-略-医師も薬もないところで小隊ぐるみ腸チフスにかかり、排泄の場所を探して地を這いずりまわった経験などを語る。-略-」

そして、宗教に頼る……。下「」引用。

「佳子は同じ信仰に入ってほしいと頼んだ。彼女の信仰はもう、単なる気慰みではない。医学にも家族にも失望して、最後に生命を委ねた教祖さまだったのだ。」







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