磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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「戦争と平和」少年少女の記録9 不安にみちた出発-戦争は終わったけれど-

2009年04月17日 | 読書日記など
『「戦争と平和」少年少女の記録9 不安にみちた出発-戦争は終わったけれど-』
   秋山正美・編/日本図書センター1993年

--原本。
『帰ってきた子供たち』在華同胞帰国協会・日本子供を守る会(編)/大日本雄弁会講談社1953年
『『綴方風土記』北海道編・東北編・関東編』下中弥三郎・編/平凡社1952-54年



「よわい子いじめ」 下「」引用。

「わたしは今度、中国の石家荘からかえってきたのですが、先生から聞いたこととずいぶんちがって、家もきれいにたっていたり、みんなきれいなきものを着ているのに、びっくりしました。しかし、こんなきれいなきものをきたり、おけしょうをして、ぜいたくをしてもよいのでしょうか。-略-
 次にかんじたことは、学校で男子の人がよわい子をいじめたり、けんかしたりすることを、毎日見てきました。だれでも、けんかをすることはあるけれど、なぜ土曜日の学級会のときに、まりを五つ買うだけとか、まりいれを買うだとか、そういうことばかり相談して、こんなけんかのことをけんとうしないのでしょう。中国では、こんなけんかをしたりすると、すぐけんとう会をひらいて、けんとうするので、今まで中国にいて、けんかしているのはみたことありません。-略-」

石家荘(せきかそう)は中国の地名……。

「これがわたしたちの日本人の祖国?」 下「」引用。

「日本、日本、美しい祖国日本、
だがしかし、これが日本か?
中国からかえったわたし、
そうは思えない、
アメ公がいる、税金どろぼうがいる、パンパンがいる。
そして、こじきもいる。これが祖国だろうか?-略-」

神町が書かれてあった……。下「」引用。

「神町は、人口約千五百、戸数は約百五十都で、七割以上の人が農業をしています。-略-神町は、くだものばたけにかこまれている、小さな農業町なのです。けれども戦争中、陸軍の飛行場ができたおかげで、農地がたくさんつぶれ、北海道に移った農家や、神町の東のやせた土地をかいこんするようになったそうです。
 戦争が終わってから、アメリカの兵隊さんがたくさんきました。-略-」

美空ひばりと児童労働……。下「」引用。

「美空ひばりが出る映画では、よくキャバレーで歌を歌うが、この間、ちょうど、美空ひばりくらいの女の子が、小さいギターをかかえて、男の人がふたりで、お客のはいっている店をさがしているらしかった。わたしは、その女の子のことを考えていました。夜おそくでまそんなことをして、変なところにはいっていって、自分だっていやなことをおぼえ、なまいきになってしまう。その子は、こんな商売を平気でやっているのでしょうか。
 東京にも、一歩裏町にはいると、こんな人たちがまだたくさんいるのです。」














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