磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

地獄のペン-告発するマーク・トウェイン-

2009年04月17日 | 読書日記など
『地獄のペン-告発するマーク・トウェイン-』
   マーク・トウェイン(著)/
     フレデリック・アンダーソン(編)/
       佐藤喬、西山浅次郎(訳)/平凡社1975年

なかなか激しい文章です……。



地獄のペン……。下「」引用。

「ぼくの頭の中には、たくさんのことがくすぶっている。それらは日ましにふえる一方だ。しかし、今となってはもうそれらを口に出すすべとてない。おまけに、それらを全部書いたら、図書館がひとつ出来上がってしまうだろう。--それに、それらを書くには、地獄の火で熱せられたペンが必要なのだ」
 それから、亡くなるまでの二十年間、彼はしばしば「ペンを熱し」た。そのペンから生れた彼の文章は、公共の事件から個人的な憤怒に至るまで、広い範囲にまたがっている-略-」

キリスト教諸国のなしたことを見つめると……。下「」引用。

「私は諸君に、キリスト教諸国という名の、堂々たる既婚婦人を紹介しよう。彼女は、汚名と不品行との泥にまみれた着物を引きずり、魂は卑劣さを、ポケットには賄賂の金を、そして口には敬虔な偽善の言葉をいっぱいにして、杭州における、満州における、南アフリカにおける、フィリピンにおける海賊的蛮行の数々を終え、ご帰館遊ばされたところだ。彼女に石けんとタオルを渡してやりたまえ。ただし、手鏡はかくしておくこと。
 --「マーク・トウェインによって速記で記録された、十九世紀の二十世紀に対するあいさつの言葉」より。(一九○○年十二月三十一日)」

日本もおなじようなものですが……。

キリスト教の歴史とは……。下「」引用。

「次に、キリスト教が生れた。そしてヨーロッパの各時代が次々にわれわれの眼前に再現されていった。キリスト教と文明が、手に手をとってこれらの各時代を仲よく行進するのが見えた。「この行進はね」と、サタンが口を入れた、「その背後に、飢餓、死、荒廃、その他すべての人類進歩の記念碑をのこしていった、というわけさ」
 次の場面は、宗教裁判だった。「君たちの人類の進歩の新しい一ページがこれさ」。そう言ってサタンは、手や足をもぎ取られ、体中をズタズタに引き裂かれた数千の異端者どもが拷問にかけられてのたうちまわっているところだの、数万の魔女たちが火あぶりにされているところだのを見せてくれた。「こういう場面はね」と、またサタンが口を出した、「いつも平和を象徴する十字架の聖なる旗の下で、うきうきした楽しい空気の中で演じられたんだよ」
 この恐るべき光景の最中に、ちょっとした見せ場として、すばらしいナイト・ショーが演じられるのを、われわれは見た。たいまつの光の飛びかう中で、クリスチャンたちがクリスチャンたちをしている場面--フランスの「聖バーソロミューの虐殺」(-略-)の場面だった。」

ある一面はそうだろうと思います……。

ニューイラングランドでの魔女狩り……。下「」引用。

「人類の九十九パーセントまでは魔女の火あぶりには強く反対したものだ。その後数世紀にもわたり、ばかげた偏見や教育が引き継がれてきたにもかかわらず、今日でさえ、本気で魔女狩りをやろうなんて考えている人間は二十人に一人ぐらいしかない、ってことも、私にはよくわかっている。しかもなお、誰も彼も、魔女を憎み、その殺されるのを望んでいることは明らかだ。多分いつの日にか、ごくわずかな人々--いや、大声と確固たる信念の持主なら、たとえ一人だっていいんだが--が立ち上がって、魔女狩り反対を叫んで騒ぎ立てさえすれば、一週間もたたない中にあらゆる人間は一人残らずグルリと向きを変えてその男に従い、そして魔女狩りは突如終結することになるだろうさ。じっさい、これは最近の十年間に、ニューイングランドと呼ばれる小さな田舎で本当に起こった出来事なんだ。-略-」

宗教をしている人たちが、排他的になり、非人道的なことをするのは古今東西であるようです……。

君主制度をペテンという……。下「」引用。

「また一つ君主制度が崩壊しました。私は満足でいっぱいです。何とかしてもう五十年 生きていたいと思います。そうすれば西欧のすべての王冠が、屑鉄のせりにかかって売り飛ばされるのを見るからでしょうから。人類がかつてつくりあげたペテンの中でも最もグロテスクなもの--君主政治--の最後をこの目で見ることもできるでしょう。偶像をして笑わしめよ、これで充分です。-略-」

いくら優雅でやさしく教養があったとしても、差別の上にそれが成立しているならば、いいものではないだろう……。

積極的平和は、構造的暴力をなくしていくことだという……。








目次



エンタメ@BlogRanking




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。