『黒魔術の帝国-第二次世界大戦はオカルト戦争だった-』
マイケル・フィッツジェラルド(著)/
荒俣宏(監訳)/徳間書店1992年
いわしの頭も信心から……。
--人間というのはいかにかよわきものか?
しかし、黒魔術などで人をたらしこむ……。
たらしたところで、その人もかよわき人……。
--こんなバカなものに手を出してほしくないものです。
差別主義は人を不幸にする……。
民主主義の「自由、平等、博愛」の三拍子がそろっていない黒魔術。
ナチスのオカルト局……。下「」引用。
「だがナチスが他の分野、たとえば人間やときに物質さえコントロールするマインド・パワーの研究に精力を注ぐとき、狙いの一部はすもののみごとに成功する。思慮深いオカルティストたちは、ナチスの戦争マシーンの目標追及に黒魔術の応用が成功したことを強く警戒して、独自の白魔術を用いて対抗するようになる。ついに戦争が勃発すると、とりわけイギリス人がオカルティズムを大いに用いてナチスに対抗する新兵器を開発する。ロシア人やアメリカ人は負けてはいない。ナチスは独自のオカルト局を持ち、これにアメリカ人が原爆開発を費やした以上の予算を注ぎ込む。」
スターリンもチャーチルも……。下「」引用。
「だがおそらく読者をもっと驚かせるのは、チャーチル、ルーズベルト、そしてスターリンもまた、ナチスの脅威に対抗する武器としてオカルティズムや魔術を信じ、活用したことである。私は連合国側のオカルト活動の性格と程度にも触れることにした。この分野を取りあげたのはたぶん筆者が初めてだろう。」
ヒトラーは共産協力……。下「」引用。
「この「ソビエト・バイエルン」に関して興味津々たる一つのエピソードがある。ヒトラーはどうやら赤軍側に加わり、共産体制の権力維持に協力したらしいのである。」
エッカルトは、オカルトでヒトラーを救世主と思った。
ヒトラーはエッカルトから黒魔術を学んだという。
「◉ワーグナーの反ユダヤ思想◉」下「」引用。
「ドイツの人種主義育ての親のひとりがリヒアルト・ワーグナーである。この作曲家はゲルマン神話とオカルトに強く惹かれ、最初のオペラ『リエンチ』(イギリスのオカルティスト、ブルワー・リットンを小説が下敷き)でもオカルトへの強い傾斜を示している。神話およびオカルトへのこの関心は生涯継続する。全オペラ作品を通じて、ゲルマンの非キリスト教的異教思想からテーマを取り、ドイツ中にこの方面の関心を広めることに貢献した。」
ワグナー、差別主義者。下「」引用。
「初期の成功をもっぱらユダヤ人の知己に仰いだにもかかわらず、いやおそらく仰いだからこそ、ワーグナーは熱烈な反ユダヤ主義者だった。ユダヤ人を軽蔑し、反ユダヤ的な書を綴り、ユダヤ人を非ドイツ人のさいたるものとみなす。彼によれば、ユダヤ人はドイツ民族および文化の純粋性に対する脅威だった。」
「◉オカルティストの聖地チベット◉」 下「」引用。
「近代のオカルティストのチベットへの関心は、おおまかにいってプラヴァツキー夫人とその「神智学協会」の時代にさかのぼる。
神智学協会は一九世紀末から二○世紀初頭にかけて大変な評判になった。ナチの多くは熱心な神智主義者であり、またチベットに発する別の秘教グループに所属するナチスも多い。」
カギ十字も黒魔術から? 下「」引用。
「だがナチスが採用したかぎ十字には、幸運のみならず悪および黒魔術への意識的な奉仕を連想させるものがある。逆さ卍形の起源はチベットの、アガルティおよびシャンバラー修行僧の黒魔術グループに発する。」
ヒムラーは魔術の大先生。下「」引用。
「ヒムラーは感銘を受けたらしく、再生を論じたエッカルトの著作二万部をSSのために注文する。ほぼこの頃からヒムラーは(むろん陰口だが)「ドイツ的魔術の大先生」と呼ばれるようになる。」
「反ナチス・オカルト・グループ」 下「」引用。
「英国情報部が政府公認占星術師としてルイ・ド・ウォールを採用した経緯はすでに述べた。またシュタインがチャーチルの公式オカルト顧問となった経緯もみた。とくにイギリスはドイツとほとんど変わらぬくらいオカルティストを活用する。」
政治と宗教は分離すべきなのに……。
今の日本もかわらないですね……。
--平和への体質改善をしないと、困ったことになるでしょう。
いや、もうなっていますね。
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もくじ
マイケル・フィッツジェラルド(著)/
荒俣宏(監訳)/徳間書店1992年
いわしの頭も信心から……。
--人間というのはいかにかよわきものか?
しかし、黒魔術などで人をたらしこむ……。
たらしたところで、その人もかよわき人……。
--こんなバカなものに手を出してほしくないものです。
差別主義は人を不幸にする……。
民主主義の「自由、平等、博愛」の三拍子がそろっていない黒魔術。
ナチスのオカルト局……。下「」引用。
「だがナチスが他の分野、たとえば人間やときに物質さえコントロールするマインド・パワーの研究に精力を注ぐとき、狙いの一部はすもののみごとに成功する。思慮深いオカルティストたちは、ナチスの戦争マシーンの目標追及に黒魔術の応用が成功したことを強く警戒して、独自の白魔術を用いて対抗するようになる。ついに戦争が勃発すると、とりわけイギリス人がオカルティズムを大いに用いてナチスに対抗する新兵器を開発する。ロシア人やアメリカ人は負けてはいない。ナチスは独自のオカルト局を持ち、これにアメリカ人が原爆開発を費やした以上の予算を注ぎ込む。」
スターリンもチャーチルも……。下「」引用。
「だがおそらく読者をもっと驚かせるのは、チャーチル、ルーズベルト、そしてスターリンもまた、ナチスの脅威に対抗する武器としてオカルティズムや魔術を信じ、活用したことである。私は連合国側のオカルト活動の性格と程度にも触れることにした。この分野を取りあげたのはたぶん筆者が初めてだろう。」
ヒトラーは共産協力……。下「」引用。
「この「ソビエト・バイエルン」に関して興味津々たる一つのエピソードがある。ヒトラーはどうやら赤軍側に加わり、共産体制の権力維持に協力したらしいのである。」
エッカルトは、オカルトでヒトラーを救世主と思った。
ヒトラーはエッカルトから黒魔術を学んだという。
「◉ワーグナーの反ユダヤ思想◉」下「」引用。
「ドイツの人種主義育ての親のひとりがリヒアルト・ワーグナーである。この作曲家はゲルマン神話とオカルトに強く惹かれ、最初のオペラ『リエンチ』(イギリスのオカルティスト、ブルワー・リットンを小説が下敷き)でもオカルトへの強い傾斜を示している。神話およびオカルトへのこの関心は生涯継続する。全オペラ作品を通じて、ゲルマンの非キリスト教的異教思想からテーマを取り、ドイツ中にこの方面の関心を広めることに貢献した。」
ワグナー、差別主義者。下「」引用。
「初期の成功をもっぱらユダヤ人の知己に仰いだにもかかわらず、いやおそらく仰いだからこそ、ワーグナーは熱烈な反ユダヤ主義者だった。ユダヤ人を軽蔑し、反ユダヤ的な書を綴り、ユダヤ人を非ドイツ人のさいたるものとみなす。彼によれば、ユダヤ人はドイツ民族および文化の純粋性に対する脅威だった。」
「◉オカルティストの聖地チベット◉」 下「」引用。
「近代のオカルティストのチベットへの関心は、おおまかにいってプラヴァツキー夫人とその「神智学協会」の時代にさかのぼる。
神智学協会は一九世紀末から二○世紀初頭にかけて大変な評判になった。ナチの多くは熱心な神智主義者であり、またチベットに発する別の秘教グループに所属するナチスも多い。」
カギ十字も黒魔術から? 下「」引用。
「だがナチスが採用したかぎ十字には、幸運のみならず悪および黒魔術への意識的な奉仕を連想させるものがある。逆さ卍形の起源はチベットの、アガルティおよびシャンバラー修行僧の黒魔術グループに発する。」
ヒムラーは魔術の大先生。下「」引用。
「ヒムラーは感銘を受けたらしく、再生を論じたエッカルトの著作二万部をSSのために注文する。ほぼこの頃からヒムラーは(むろん陰口だが)「ドイツ的魔術の大先生」と呼ばれるようになる。」
「反ナチス・オカルト・グループ」 下「」引用。
「英国情報部が政府公認占星術師としてルイ・ド・ウォールを採用した経緯はすでに述べた。またシュタインがチャーチルの公式オカルト顧問となった経緯もみた。とくにイギリスはドイツとほとんど変わらぬくらいオカルティストを活用する。」
政治と宗教は分離すべきなのに……。
今の日本もかわらないですね……。
--平和への体質改善をしないと、困ったことになるでしょう。
いや、もうなっていますね。
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