磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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菩提樹とさるすべりの花

2008年01月29日 | 読書日記など
『菩提樹とさるすべりの花』
   わらざさぶろう・作/藤田健次・絵/
     らくだ出版2003年

絵本かと思ったのですが、小説と詩に絵がそえられていると言ったほうがいいかもしれません。

「献辞
 この一書を謹んで
 広島なびに原爆犠牲者に捧げる
 併せて未来の人類にも捧げる」と著者は書かれています。



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「著者のわらびさぶろうさんは、お医者さんです。
医者は、人のいのちを助けることが仕事ですが、原爆症のように医学では救いようのない障害と闘わねばならない場面にもぶつかります。そういう時の言い知れぬ無力感と挫折がこの作品を書かせたのでしょう。
この本は、核被爆者本人が自分自身が亡くなるまで書きつづけたノートを借りて書いたという形をとった作品です。目をそむけたくなるほどきびしい描写の連続の中にも、人間の純潔さを見守る著者の温かさが貫かれています。せび、多くの少年少女に読んでほしい作品です。」


ポールという宣教師は従軍宣教師として朝鮮戦争へ行き、精神病院へ。

葉子は看護婦学校に入るときも、被爆者というので、学校当局では問題になったという。
当時、被爆者は病気を他人にうつすと悪い噂があったという。
ケロイドのために……。
そこで、ポールがいう外科医に手術を……。

そしてこんな会話が書かれてありました。下「」引用。

「病院!病院がおれたち貧乏人を診てくれるかね。おれたち二十日間前に金がはらえなくって、病院から放りだされたんだ!」

今もお金がなくて、診てもらえない人たちがいますね。

咲江という人物と知りあう。
咲江は〔原爆が原の鬼ばばあ〕と自称。
平和公園ができることに、その土地の所有者であった咲江。
大金持ちに……。

口は悪いが、やさしい咲江。
被爆者などの会にもたくさん出る……。そしてこんな意見を。下「」引用。

「やれ、アメリカ帝国主義だの。アカの肩を持つだの、中国とソ連が仲が悪いだのと別のところに話が移ってしまって、私たちのほんとうに苦しんだことをおおやけに伝えてくれる人がだれもいない。私それに絶望したの。
 核兵器を地球上からすべてなくすことが、ただひとつの目的なのに。」

まったくです……。

今もそんな人たちが幅をきかせていますね……。

永井隆博士が好きだったドイツの歌、『菩提樹』を歌われているシーンがあったのを思い出しました……。下「」引用。

「そんな兄がある日突然、
「アム・ブルンネルン・ホル・デム・トーレ。ダ・ステート・アイン・リンデンバウム・イッヒ・トラムト・イン・ザイネン・シャッテン・ゾー・メンヒェン・ズーゼン・トラムト……」と、ドイツ語の歌を口すさんだのである。
 そのメロディーから、私-略-」












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