磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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日本のレジスタンス

2007年09月22日 | 読書日記など
『日本のレジスタンス』
   荒垣秀雄・編/河出書房新社1963年、1966年再版

レジスタンス……。この言葉にも、何かいろいろとボクは悩みます。



イラクなどでは、テロリストをレジスタンスという人もいるらしい……。
--暴力反対といいたい……。

レジスタンスを抵抗運動として訳したら、これもおかしい。
--戦後は国民が主権。主権に逆らっている政治家などが、抵抗しているといっていいのではないか?

まあ、個人的なレジスタンスの思い入れはこれくらいにして、この本に話題をかえます。

表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「レジスタンスは、戦争中や被占領下における特殊な現象ではない。圧制と暴力が支配するところ、どこにでもレジスタンスはある。それを実証するために、明治、大正、昭和にわたる歴史のなかから、レジスタンスの秘話を集めたのが本書である。われわれのことばでは、反骨というのがまさにレジスタンスに当る。反骨は他にたいしてよりも、自己にたいしていっそう厳しい精神である。」

驚くほどのレジスタンスがあります。
日本にはまともなレジスタンスはなかったと書かれることが多い……。
イタリアにはレジスタンスがおり、ムッソリーニを倒したのは彼ら……。
--イタリア人は愛されるゆえんという人もいるくらいだ……。
ドイツではボンヘッファーなどもいるし、「白バラ」という学生運動もある……。
しかし、ヒトラーを倒すほどではなかった。
--最悪なのが日本と……。
そんなことを言う外国人もいます……。

また、レジスタンスはアジアにもいたという。下「」引用。

「中国にも、東南アジア諸国にも、朝鮮にも、満州にもレジスタンスはあった。それらの国々のレジスタンスは日本の軍事力を完全に消耗させた。いや、日本国内でさえも、レジスタンスはあった。圧制と暴力が支配したところには、どこにでもレジスタンスがあった。」

これは、そうだろうと思う……。


日本の侵略主義に対抗したのだから、彼らからみればそうなるだろう。

日本では、武器をとるようなレジスタンスはあまり書かれていない。
斎藤隆夫は聖戦をこきおろす。

北村透谷を中心とするクェーカー派の反戦平和運動。

「マスコミの力が強力ななればなるほど、権力はマスコミに目をつける。抑圧や統制の方法も、戦争中の荒っぽい弾圧にかわって、より高度な技術が使われるだろう。」

永井隆博士もレジスタンスだったという。下「」引用。

「死の床でナガサキの惨状をつぶさに書いた原爆学者永井隆の『長崎の鐘』は、全国民に原爆の被害を感じさせ、「ノー・モア・ウォー」にふるい立たせたものとして、多くの人の記憶に新しい。原爆エレジーという言葉さえ生んだこの作品でさえ、米軍によって抑えられた。式場隆三郎の苦労の末二十四年に発行されたが、その時には、米軍提供の「マニラの悲劇」に半分以上の紙数を占められたおかしなものになっていた。長くベストセラーになって、永井隆は文化勲章に輝いたが、これも、米軍の「事実に目をおおわせる政策」への、国民の強い反撥のもらたしたものだといえよう。」


そして、原水協のことも書かれてありました。下「」引用。

「しかし運動というものは、その規模が大きくなればなるほど難しくなる。自民党から共産党まで、社長から労働者まで、キリスト教から仏教まで、すべての組織を包含した原水協は、次第に政治闘争の場に近づいて行く。」


「自然破壊へのレジスタンス」、「大人にたいする子どもへのレジスタンス」というタイトルで書かれてもありました。

「あとがき」にこんなことが書かれてありました。下「」引用。

「この本では多少通俗的に間口をひろげてみた。若い読者向きに、面白い読みものとして、レジスタンスの種々相をくりひろげ、日本が今日に到った茨の歴史を理解してもらいたかったからである。」

この本を読んで、茨の歴史という理解はボクにはできませんでした。現実よりもずいぶん気楽に思えました……。

しかし、書かれてあるとおり、間口は広いですね……。


マスコミへの警告が書かれてありました。下「」引用。

「マスコミの力が強力ななればなるほど、権力はマスコミに目をつける。抑圧や統制の方法も、戦争中の荒っぽい弾圧にかわって、より高度な技術が使われるだろう。」

事実、使われているようです。

バラマキの原発を推進する政治家。

このことを取り上げないマスコミ……。


いつものことでしかありませんね……。











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