『作品集 傷む八月』
亀沢深雪・著/自家版 限定300部 1976年
限定300部、自家版でだされた本です。
この本は七作品が掲載されています。
海燕などに六作品は掲載されたようです。
すべての作品がヒロシマに関するものではありません。
この本の書き下ろしがタイトルの「傷む八月」です。
この本にはこう書かれてあります。
「読まなくてもわかっているわ。大がいお涙頂戴ものよ。被爆者を売り物にしているのよ」
これに関しては他の本では、そんなことをいうと、
これは単なる恋愛物、単なる裏社会物……。
たいていの書物も非難できると、そのようなことを書いている人も
おられたと思います。
しかし、こんな発言をされたところで、非難はできません。
戦時中にどんな苦労をされたかと思うと、それを思い出したく
ないのは人の常ですね。
ある人は「被爆体験を語るということは、再び被爆すること」と、
思い出す辛さを語られていたと思います。
この著者もあまり語りたくないとかいておられる。
「はだしのゲン」の作者でさえも、そんな時期があったという。
被爆者が『不倫の恋』をする。被爆者だからといって、
不倫の恋がかわるわけではないようです。
ただ、肉体的な痛みケロイドがありました。
「天皇陛下」についてのことが、司馬遼太郎などとは、
かなり違うと思います。
【あとがき】に著者は書いておられます。下「」引用。
「わたしは広島で被爆した。物陰に身をひそめて、やっと命は拾ったものの、肉親や親戚、多くの友人・知人を失った。そして、そのとき辛うじて生き残った母も、十五年後の奇しくも八月六日に、『原爆症』で死んだ。八月はわたしにとって、正に、『傷む八月』といえる。」
ジョン・ハーシーの言葉も大切かと思われます。
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広島巡礼
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亀沢深雪・著/自家版 限定300部 1976年
限定300部、自家版でだされた本です。
この本は七作品が掲載されています。
海燕などに六作品は掲載されたようです。
すべての作品がヒロシマに関するものではありません。
この本の書き下ろしがタイトルの「傷む八月」です。
この本にはこう書かれてあります。
「読まなくてもわかっているわ。大がいお涙頂戴ものよ。被爆者を売り物にしているのよ」
これに関しては他の本では、そんなことをいうと、
これは単なる恋愛物、単なる裏社会物……。
たいていの書物も非難できると、そのようなことを書いている人も
おられたと思います。
しかし、こんな発言をされたところで、非難はできません。
戦時中にどんな苦労をされたかと思うと、それを思い出したく
ないのは人の常ですね。
ある人は「被爆体験を語るということは、再び被爆すること」と、
思い出す辛さを語られていたと思います。
この著者もあまり語りたくないとかいておられる。
「はだしのゲン」の作者でさえも、そんな時期があったという。
被爆者が『不倫の恋』をする。被爆者だからといって、
不倫の恋がかわるわけではないようです。
ただ、肉体的な痛みケロイドがありました。
「天皇陛下」についてのことが、司馬遼太郎などとは、
かなり違うと思います。
【あとがき】に著者は書いておられます。下「」引用。
「わたしは広島で被爆した。物陰に身をひそめて、やっと命は拾ったものの、肉親や親戚、多くの友人・知人を失った。そして、そのとき辛うじて生き残った母も、十五年後の奇しくも八月六日に、『原爆症』で死んだ。八月はわたしにとって、正に、『傷む八月』といえる。」
ジョン・ハーシーの言葉も大切かと思われます。
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