磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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作品集 傷む八月

2008年02月03日 | 読書日記など
『作品集 傷む八月』
  亀沢深雪・著/自家版 限定300部 1976年

限定300部、自家版でだされた本です。
この本は七作品が掲載されています。
海燕などに六作品は掲載されたようです。



すべての作品がヒロシマに関するものではありません。
この本の書き下ろしがタイトルの「傷む八月」です。

この本にはこう書かれてあります。

「読まなくてもわかっているわ。大がいお涙頂戴ものよ。被爆者を売り物にしているのよ」

これに関しては他の本では、そんなことをいうと、
これは単なる恋愛物、単なる裏社会物……。
たいていの書物も非難できると、そのようなことを書いている人も
おられたと思います。

しかし、こんな発言をされたところで、非難はできません。
戦時中にどんな苦労をされたかと思うと、それを思い出したく
ないのは人の常ですね。

ある人は「被爆体験を語るということは、再び被爆すること」と、
思い出す辛さを語られていたと思います。

この著者もあまり語りたくないとかいておられる。
「はだしのゲン」の作者でさえも、そんな時期があったという。

被爆者が『不倫の恋』をする。被爆者だからといって、
不倫の恋がかわるわけではないようです。
ただ、肉体的な痛みケロイドがありました。

「天皇陛下」についてのことが、司馬遼太郎などとは、
かなり違うと思います。

【あとがき】に著者は書いておられます。下「」引用。

「わたしは広島で被爆した。物陰に身をひそめて、やっと命は拾ったものの、肉親や親戚、多くの友人・知人を失った。そして、そのとき辛うじて生き残った母も、十五年後の奇しくも八月六日に、『原爆症』で死んだ。八月はわたしにとって、正に、『傷む八月』といえる。」



ジョン・ハーシーの言葉も大切かと思われます。



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