磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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漫画にみる戦争と平和90年

2007年07月26日 | 読書日記など
『漫画にみる戦争と平和90年』
      石子順・著/ほるぷ出版1983年

すごい数の漫画が紹介されていました。漫画といっても、一枚画あり長編あり。風刺画あり、戦意高揚あり……。一口で語るのは困難です……。



資料集としても、かなりなものです。

漫画と馬鹿にする人がおられるなら、この本のご一読を。


〈PART 1〉戦争の日々の漫画………………………10
〈PART 2〉戦後の戦争漫画-戦後編………………110
〈PART 3〉戦後の戦争漫画-国内・外国編………214
〈付録〉戦争と漫画略年表…………………………………319」

「銃鎗に支那人三個を串刺しにする日本兵」ジョルジュ・ビゴー作画。
それに関してのコメント。意味深いです。下「」引用。

「勇猛だということはをひっくり返せば涙もなにもなくただひたすら残酷無残に敵兵を殺すことができるということだ。」

まあ、残酷無残を基本にしている少年漫画もありますね。

「のらくろ二等兵」田河水泡作画。ボクの子ども時代はアニメにもなりましたね。下「」引用。

「貧乏な子、家のない子、ルンペンも、みんな軍隊に入ればいい、食べる寝る着るは保障され、月給までもらえてこんな天国はない、といった宣伝となった。ただし軍隊に入れば生命の保障はないよ、という点だけはおおいかくしたままで。
 だいたい宣伝は、否定的なことは避けていく。そうした悪い点があって頭かくしてそのままにしてしまうものだ。軍隊に入ってリンチや罰直や、古年兵のいびり、殴りつけての精神鍛練などが横行していようなどとは誰も考えなかったし、思いいたらなかった。」


水木しげるさんは、貸本専門雑誌に、数多くの戦記漫画をかかれたようです。
しっかりとした作品を書かれています。
この体験から「ゲゲゲの鬼太郎」が生まれたという。

「禁じられた戦記3--命の泉」千田夏光作 池内誠一画。下「」引用。

「栄養剤を注射するために竹を切って注射器を作った。命の泉の栄養剤は葛の樹液に岩塩をまぜあわせたものだ。世界の医学史上はじめて竹の注射器が使われた。-略-竹山道雄の『ビルマの竪琴』だったが、あれはフィクションであった。しかし、この作品は実録なのだ。」

本当なんですか?
クズを入れて大丈夫なんですか?
竹で注射器が……、実録となれば事実だったんですか?
まだ信じられない……。


「0戦はやと」辻なおき作画 一九六三年八月「週刊少年キング」連載。下「」引用。

「戦争漫画にいろいろタブーがあった。好戦的なものやスーパーヒーローもの、時代を逆転させるようなもの、戦争肯定的なものと描いてはならないことがあったが、ここにいたってそれが打ち破られた。」


戦前、戦中の漫画は自由にかけなかったという。
風刺もかけない時代は、戦争につながるそうです。

戦後、戦争がアクションものとなったという。
これは本当の戦争を描いてるのではないですね。

しかし、対極に原爆漫画や反戦的な漫画が生まれ、しっかりと戦争が描かれてもいるという。








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