磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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阿片と大砲-陸軍昭和通商の七年-

2010年09月12日 | 読書日記など
『阿片と大砲-陸軍昭和通商の七年-』
   山本常雄・著/PMC出版1985年

原爆の材料を手に入れようともしていたという。
--もちろん、日本の原爆開発のために……。



著者、特殊会社である昭和通商へ。下「」引用。

「この年の九月、わたしは早稲田大学専門部商科を卒業した。九月の卒業式とは奇異に聞こえるかも知れないけれど、時代は戦時色一色の世の中である。教育の場に“短縮教育”がすでにもち込まれていて、昭和十七年三月楚次ぎよう予定の大学ならびに専門学校では三カ月繰り上げの卒業式が行われていたし、同年からは大学予科、高等学校も加えられて半年間の繰り上げに変更されていた。そのようなわけで、本来、わたしの卒業は昭和十八年三月であるが、六カ月の繰り上げで十七年九月になったのである。」

麻薬の買い付け。下「」引用。

「問い 陸軍省が昭和通商にそのような(麻薬の)仕事をすることを許可していることをだれに聞きましたか。
答え それは会社が陸軍の命令で動いているのであるし、また社長から陸軍の了解の上だと言明されました。陸軍証明のある買い付け指令書をもらったことを記憶しています。」

児玉誉士夫と関係があった昭和通商。下「」引用。

「実は、まことに不思議な、というよりもうかつな話であるが、わたしは、この新聞記事を目にするまで、昭和通商がヘロインを取引していたことを全く知らなかった。また、ある悪名高い児玉機関とも関係があったことも知らなかった。」

「泰平組合」 下「」引用。

「この席での話は、日露戦争のあと、日本は兵器が余ってその始末に困り、その処理のために泰平組合をつくって、中国の軍閥たちにどんどん流し込んだということから始まって、今回、泰平組合を解散して昭和通商を興することになったと本題に入った。」

「昭和通商」の仕事。下「」引用。

「そこで、昭和通商の表向きの仕事としては、不要になった軍需品を輸出し、軍の必要な原材料を輸入するという形をとり、そうした商売を通して各種の情報を収集するというのが裏に潜んだ本音であった。軍としては一石二鳥を狙ったものといえるだろう。」

--役員構成。
三井物産、大倉商事、三菱商事、泰平組合、ナショナルシティ・バンク。
社員の出身大学は、東北大、関東学院大、慶大、早大の諸君がいたという。

INDEX

ベルリン陥略……。下「」引用。

「この回想には、ベルリン陥落直前から始まった在留邦人八十余人の慌しい脱出行を短い文章中に凝縮してある。一行の団長は永井常務で、五月十八日、リヒテンベルクで「スターリン命令を言い渡した」とある。ドイツ降伏の十日あとである。一行はこのあと、モスクワ-満州というルートで新京に着き、日本への便を待つことになる。新京着は六月六日であった。」

イエローケーキ、菊川三郎(昭通)の長女・柴田瑞穂。下「」引用。

「京都に住んでいる妹の話によりますと、父はベルリン時代、フランスのキューリー研究所から仕入れたラジュームとドイツのイエローケーキという原爆の材料をイタリア経由の潜水艦で日本に送ったが、ラジュームがいちど届いただけだったそうです。-略-」

原爆の材料は……。菊川三郎(昭通)の長男・朝生。下「」引用。

「また、姉の言ったイタリア潜水艦のことは、Uボートではなく、日本の“イ号”潜水艦だったということです。積載していたラジュームは、フランスのスパイが父にキュリー研究所を紹介してくれて入手したようです。これは二回にわたって“イ号”により日本へ送られてきましたが、最初の便は届いたものの、二回目は米潜水艦によって沈められたということです。また、ドイツからのイエローケーキはUボートが運んだもののようですが、これも沈められて成功しなかったと聞きました。-略-」

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