磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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裸のフクシマ-原発30km圏内で暮らす-

2011年11月19日 | 読書日記など
『裸のフクシマ-原発30km圏内で暮らす-』
   たくきよしみつ・著/講談社2011年

表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「放射線被害ではなく、ストレスで身体を壊す住民続出、単なるショーと化す「一時帰宅」、がんばっている人には少ない矛盾だらけの補償金制度、線量が低くても稲の作付けができない理由、「ぶら下がり」を強める地域、独立を志向する地域…… 事態はいまも進行中」



帯には……。下「」引用。

「マスコミがまったく報じない3・11後に地元で始まった悲喜劇」

原発推進派には優遇したのでしょうか? 東海村事故の時には、推進派に優遇があったという人もいたと思いますよ……。

「ツイッターとグーグルに真実を教えられた」 下「」引用。

「仕事場に着いてからは、ネット、BS、CS放送を中心に情報を集めた。
 一夜明けた14日にいきなり驚かされたのは、ツイッターに書き込まれたこんな情報だった。
「非常用電源が動かないのではなく、流されてないのだ。海側にあったポンプやタンクなどの設備が全部流されている! 政府がいくら隠しても、衛星写真が事実を突きつけている!」
 貼り込まれたリンクをたどると、グーグルアース特別版が、福島第一原発の「津波前」「津波後」を比較した鮮明な衛星写真を公開してた-略-」

「福島に来てほしくない」川内村にバツイチ同士で同居生活をしている女性。下「」引用。

「これから子供を産み、育てていく人たちは福島に来てほしくない。
 危険だからではなく、将来、子供が癌になったり、異常出産をしたり、何か起きたときに「あのとき福島に行ったからこうなったのかもしれない」と自責の念に駆られることをは避けられないだろうから、そういう苦しみを避けるために、来てほしくない。-略-」

半径20圏内というが、その円の中心点はどこなのか? 書かれていないという。

川内村唯一の医療施設「ゆふね」。下「」引用。

「ゆふねの放射線量は福島市や郡山市と同程度、被曝による被害はほとんど考えられない。
 逆に、村唯一の医療施設を封鎖されることによる危険は計り知れない。村に戻っている人たちの多くは、家族に老人を抱えているために避難所生活が続けられないということで戻っていた。独居老人も多く、彼らにとっては「ゆふね」を奪われることは命綱を切られると同じなにのだ。」

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自殺したKさん。下「」引用。

「おそらく自殺したKさんは、家族全体でも、この時点では県からの義援金5万円しか受け取っていなかつたと思われる。」

「毎日が慰安旅行」の一部の原発避難民。下「」引用。

「また、集団避難所から溢れた人たちは、磐梯熱海や猪苗代湖畔などの温泉旅館、その他各地のレジャー施設などに入っていた。
 温泉施設に入った人たちは、三食昼寝つきに加えて温泉まで入り放題。「毎日が慰安旅行」状態が続き、これまたなかなか出ていこうとしない人が増えた。
 猪苗代町などのホテルには、浜通りの原発立地から避難してきた人たちが入っていたが、一部の避難者から、飯(地元の人たちが炊き出しをして提起していた食事)がまずくて食えないなどと文句が出て、避難者を受け入れた地元住民との間にわだかまりが生じた例もあった。
 公共の保養所も避難所として活用された。-略-」

自殺した人0円、【避難太り】避難した一人30万円。下「」引用。

「こんなふうに「避難太り」とでも呼べそうな現象が起きていたが、8月になって東電から「避難所にかかる追加仮払い補償金のお支払い基準」なるものが示されると、実際に「戻らなければもっと金がもらえる」が本当だったことがわかった。
 この基準によれば、
1. 6月10日時点で避難している、また避難後、5月11日~6月10日の間に帰宅した人--1人30万円
2. 避難後4月11日~5月10日の間に帰宅した人--1人20万円
3. 4月10までに帰宅した、または屋内待避のみだった人--1人10万円
 という3段階のレベルに分けて追加の仮払い補償金を支払うという。
 しまおさんのように、動けない老齢の親を抱えていて、とても避難所生活は無理だと判断し、すぐに自宅に戻り、物資が届かない中でじっと絶えていた人は10万円で、避難先で3食昼寝つき、場合によっては温泉入り放題を続けて家に戻らなかった人たちは、1人30万円だというのだ。
 家畜の世話をするため、家業を守るため、消防などの公務のために自宅から出られなかった人たちは、言い換えれば「自力で頑張ってきた人たち」はどう思っただろうか。
 ましてや、相馬市玉野地区で自殺した酪農家Kさんのような、計画的避難区域にも30キロ圏にも含まれていない場所でひたすら被曝した人たちは一銭も支払われないまま後回し。
 高い被曝させられ、収入基盤が破壊され無収入状態に追い込まれた上に今後の見通しも立たないまま耐えている人が、いつまで経っても補償されず、貧窮、疲弊していく状況は、徹底許されるものではない。」



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「原発を率先して誘致したのは県だった」 下「」引用。

「どうすれば国から少しでも多くの金をもらえるのかとう発想で動く--残念ながら、これは原発を誘致したときからずっと変わっていない福島県の体質なのだ。
 もともと福島県浜通りへの原発誘致は、浜通りの自治体より県が率先して主導したという歴史がある。
 中嶋久人氏(館林市史編纂専門委員会専門委員)は、ブログ「東京の『現在』から『歴史』=『過去』を読み解く--Past and Present」で、福島原発を歴史的に読み解く試みをしている。中でも興味深いのは、『福島第一原子力発電所1号機運転開始30周年文集』(2002年3月、縦の木会・東京原子力編)という文書の紹介だ。」

県外の人が罵倒していたという。下「」引用。

「「おまえは福島産の食料を貶めるようなことを言うのか」とか、「福島でとれた食い物を食えないやつはさっさとどこかへ去れ」とか。
 不思議と、そうした反応を示す人は県外の人が多い。
 福島の人間をいわれなく差別する人の対極に位置するかのように、ただただ頑張ろう、応援するぞとぶち上げる。
 福島の人間は、自分たちが置かれた状況をよくわかっている。放射能汚染の実態を知っている。だからもはや、単純に「福島産のものを食べよう」などと声高に叫ぶ気はない。-略-」

↑ 原子力ムラの住民の可能性が高いでしょうね……。彼らなら、そのくらいやると思います。

トイレの排泄物をマンション内に貯め続けるということ……。下「」引用。

「-略-当初から「原発はトイレのないマンション」だという名言があった。その通りなのだから誰も反論できない。この時点で原発を作ってはいけいなことは明らかだったのに、根本的な問題に触れないまま人間は「トイレのないマンション」を作り続けた。
 トイレがないのだから、ウンコやオシッコはマンションの中のどこかに溜め続けなければならない。ウウンコとオシッコをパンパンに溜め込んだマンションが壊れたらどうなるか。それをまさにいま、我々は目の当たりにしている。
 たかだか軽水炉が3つ4つ壊れただけでこの惨状なのだ。現存する世界中の原発が作り出した放射性物質を、今後、未来永劫環境中に漏れ出さないように管理し続けることを考えただけでも、とんでもなく高くつく発電方法だということは明々白々ではないか。-略-」

“人夫出し” 下「」引用。

「地域の区長や地元企業の社長などがこの“人夫出し”をしていることが多い。つまり、下請けの派遣業は原発周辺地域の有力者にとっては魅力的なビジネスであり、そこにぶら下がる住民たちと、自然と利益共同体が築き上げられる。公にはできないビジネスだから、タブーだらけの秘密結社のようになる。」

「「除染」という名の説教強盗」 下「」引用。

「7月23日に放送された『NHKスペシャル』「飯舘村~人間と放射能の記録」の中に、驚くべきシーンがあった。
 前原子力委員会委員長代理・元日本原子力学会会長・元日本原子力研究開発機構特別顧問……といったバリバリの経歴を持つ「原子力ムラ」の大物・田中俊一氏(工学博士)が飯舘村長泥地区の区長の家に乗り込み、村に大規模な放射線汚染ゴミ貯蔵所を作らせようと籠絡する手口があからさまに放送されていた。-略-彼は原発を推進してき者として責任を感じ、懺悔の気持ちで「除染」計画を指揮しているというポーズをとっているが、本当に責任を感じているなら、誰よりも先にこの地へ来て、避難誘導すべきだった。ところが、莫大な税金が投入されるビジネス計画成立するとわかってから、セールスマンの先兵隊長として乗り込んできた。
 それが彼にとって“懺悔”なのだろう。
 つまり、国民の懺悔ではなく、自分と利権を共有していた「原子力ムラ」のメンバーーの懺悔。
「ヘマをして利権構造を崩してしまったことへのお詫びとして、それに代わる利権構造構築のため、責任を持って除染ビジネスを推進します」ということなのだ。」

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原発で風力動かず=風力を動かす自家発電装置がなかった。







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