磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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武谷三男著作集4 科学と技術

2008年05月29日 | 読書日記など
『武谷三男著作集4 科学と技術』
   武谷三男・著/勁草書房1968年、1975年6刷

量子力学はやはり難しいですね。授業を受けたことのないボクには、やはりきついです。



原爆カードをつかった政治家という人もいますね。下「」引用。

「今日、旧軍閥支配者たちが、広島長崎の原爆禍をたねに、自分たちの戦争責任を帳消しにしてしまい、こうしてまた昔の指導権を取戻そうという言論がしばしばみえるようになりましたが、これこそが私が敗戦直後から心配していたことなのです。
 原爆禍には声を大にして抗議すべきです。しかしこの抗議は人間性の立場からなさるべきものなのです。この抗議が力づよくあるためには、戦争の責任をあいまいにせず、十分に反省によって人間性の立場に立つことが先ず必要なのです。」

人間性には個性があると思います……。

フェルミはたった24時間ぶっ通してで……。下「」引用。

「ウラニウム核は真二つに分裂し、その際従来にない大きなエネルギーを放出する事が明らかになった。これは1939年の初めである。
 この知らせはちょうど物理学会のために米国に行ったボーアに知らされ、ちょうどイタリアのファッショに追放されて米国に亡命して来た天才的な物理学者フェルミーにボーアはこの知らせたを見せた。フェルミーは直ちにコロンビア大学の物理学者たちの協力を得て、24時間ぶっ通しで実験をして、マイトナーの結果を確証し、ちょうど開かれていた物理学会に報告した。」

科学者は文化に対して責任を負うという。下「」引用。

「科学者は文化を形づくり、文化に対して責任を負うべきである。であるから科学者は自分が人民の一人として生活をしている国家、社会、民族について無関心であったり無責任を感じなかったりするわけにいかないのである。
 これは科学は人類の立場に立つということと矛盾するものではない。いや科学は人類の立場に立つ事によって初めて民族に正しい解決を与えるわけである。また科学者は、自分がその一員である社会に対して、人間の立場から、すなわち科学の立場から責任をもつ事であり、これは民族に対する責任であり、この責任を放棄するとき、それは科学者とはいえないであろう。」

いうのは簡単だが、科学者が責任を持っているとはボクには思えない。いつものことですが……。

社会党の党首を批判。下「」引用。

「しかるに宗教家や社会科学者は、逆立ちしても量子力学の本などオイソレと読めないだろう。またそれを逆用して、自らの説を「愚民」に対して権威づけるために御本人の分りもしない量子力学の話を宗教講演に混ずる悪質なインチキ宗教家がいる。私は社会党のインチキボスの事を言っているのだ。科学の名を非科学的に悪用する人間は、それだけで非人道的軍閥が科学を非科学的に悪用したのと何ら選ぶ所なく、絶対に民主主義物だとは言えないにかかわらず、敗戦と同時に民主主義の大御所の如き顔をしてのさばり出したのである。
 自然科学者は自己の判断が科学的になされたものであると確信を持ちうる限り、もっと自信をもち、もっと勇敢であってよいのだ。」

立教大の原子炉と自衛隊の無断立ち入り。下「」引用。

「武谷 本当にそうなのですよ。この間も、立教大学の原子炉に自衛隊が一区隊侵入してきたのです。武装して侵入したのですね。それに対して反対したのは若い人たちと服部学君だけなのですね。あとの人達は、自衛隊が隣りだし仲良くやりましょうという感じなのですよ。大学の構内に、武装した一区隊という40人、公称40人というのだが、もっと多かったかもしらんけども、それがゆうゆうと無許可で裏門から、裏門も鍵のかかった裏門から、横の塀のようになっている岩を乗り越えて、通過しようとした。それを所員が静止したら、所員をつきとばしてね。それで隊員に「かまわぬ、行け」と隊長が号令してさっさっさと行っちゃたというわけです。」

--座談会・星野が泉靖一神島二郎は日本人は憎しみを持たないといったと語る。そして武谷はそれに応えて話す。下「」引用。

「武谷 同じことを中曾根大臣が討論会でいっていたんだが、日本人というのは、心のやさしい国民ですよと、そういうふうにいうんだね。心のやさしい国民で、明治維新に殺されたのはいないとか、たしかに上の人は殺さないんだ。ところが百姓一揆の首謀者がどうなったか、みんな片っぱしから殺されているのですよ。」

三人の女性科学者は共産主義者だったり、ナチなどと闘ったというが、原爆をつくることが平和にむかうことだったのだろうか?

むしろ、戦争をすすめたのではないだろうか?
--もちろん、結果論としてであるが……。






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