磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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人間を幸福にしない日本というシステム

2006年07月22日 | 読書日記など
『人間を幸福にしない日本というシステム』
  カル・ヴァン・ウォルフレン(著)/
     篠原勝(訳)/毎日新聞社1994年

この本ももう十年以上前の古い本です。
でも、日本型のシステムと知るのには役立つかもしれません。



こんな表現をされています。下「」引用。

「これらの現象は、世界でも日本にだけひときわ目立つ現象だ。この国の人々の、顔に貼りついたような笑顔や不自然なはしゃぎかたの下に、その素顔を垣間見てしまった外国人には、この国は「うちひしがれた人々の国」だとわかる。」


「偽りのリアリティ」を日本はつくりだして、
国民を支配しているという。


世の中を変える力はあるのに、
日本人たちは、「シカタガナイ」という。下「」引用。

「「シカタガナイ」というのは、ある政治的主張の表明だ。おそらくほとんどの日本の人はこんなふうに考えたことはないだろう。しかし、この言葉の使われ方には、確かに重大な政治的意味がある。シカタガナイと言うたびに、あなたは、あなたが口にしている変革の試みは何でれすべて失敗に終わる、と言っている。つまりあなたは、変革をもたらそうとする試みはいっさい実を結ばないと考えたほうがいいと、他人に勧めている。「この状況は正しくない、しかし受け入れざるをえない」と思うたびに、「シカタガナイ」と言う人は、政治的な無力感を社会に広めていることになる。本当に信じていないのに、信じたふりをしてあるルールに従わねばならない、という時、人はまさにこういう立場に立たされる。」

世の中をかえた人で、偉人といわれる方で、
このような方はいないでしょうね。

政治的檻の中に日本人は生きているという。

そして原因は企業より官僚主義である。
これは事実でしょうね。

系列会社と財閥のちがいを、「持ち株会社」ではないと
書かれてありますが、改悪されましたね。
しかし、外国でもしていることでしょうね。

サラリーマンは多忙で政治のことなど考えていられない。
このことで著者は「ローマ帝国」のようとする。
パンのある独裁主義を日本人は民主主義と思っているそうです。

消費者団体も大企業サイドで考えていると書いてありました。

日本は神話をつくりだすという。
戦時中は「天皇の意志」と吹聴するが、
それは天皇の意志ではなかったという。

このような神話を、「偽りのリアリティ」と、
著者は書いています。

官僚主義に組み込まれた人たちもいることが
書かれてあります。同。

「だから日本の官僚独裁主義を、もっとつっこんで検証しなければならない。社会があまりにも政治化されているため、また、官と民の境界線がもはやわからなくなってしまっているために省庁で働く官僚と、産業団体・系列企業・銀行の高度に官僚化された経営者の両方をまとめて言い表す言葉が必要になる「管理者たち(アドミニストレーダーズ)(administratorors)」と叫ぶのがふさわしいだろう。」

審議会も結局は組み込まれたものでしかないという。

法律は官僚のもので、いくら議員が奮闘しても
できないものが、通達一つで変更ができるという。

しかし、これらの官僚を無能力と書かれてあります。
官僚としての仕事ができていないというわけのようです。

バブルの原因も不動産屋ではなく、官僚主義だという。

文化人といわれている人たちも組み込まれているという。同。

「八○年代の前半には、当時の中曾根康弘首相の強力なお声がかりで、既成の体制を保守する大目的のために、知識人の第二の大動員がおこなわれた。京都に国際日本文化研究センターができたのはこの運動の一環だった。設立には多額の資金が注ぎ込まれている。」


新聞も同様。同。

「なにかやっかいな事件が起こり、日本の根本的問題について「国民的議論」が巻き起こったとき、そこから生まれた議論は、新聞によって、官僚を困らせないような形に濾過(ろか)される。「イジメ」問題も、そうした多くの事例の一つだった。新聞「世論」のおかげで文部省は窮地を脱し、子育てのまずさをそれとなく非難されたのは、もっぱら親たちのほうであった。」

大学も同様。

日本はパンのある独裁体制という。
確かにパンのあることが、
民主主義ではないですよね。

それもなくなってきてますね。
これからは更に悪化すると予想されている方もいます。

そしてアメリカが理想社会のように書かれてありますが、
現在は日本よりひどい面もあると僕は思います。

愛国心についても書かれてありました。同。

「エネルギーを費やしても行動的市民になる価値はある、と、あなたが考えるかどうかで、たぶん、あなたの愛国心が試(ため)される。私が言っているのは、極端に国家主義的な感情や、非現実的な権力幻想、また政治的英知の代用品である神話などを生み出す、偽(にせ)の愛国心のことではない。私の言う真の愛国心とは、最終的には隣人たちへの思いやりの心から生まれる。近くにも遠くにもいる、あらゆる隣人たちへの人間的共感から生まれるのだ。」


いつものことの本と同様のことが書かれてありますが、
外国人のほうが具体的だと思いました。






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