磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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〈原書房・一○○冊選書9〉原爆投下決定

2008年04月09日 | 読書日記など
『〈原書房・一○○冊選書9〉原爆投下決定』
   L.ギオワニティ、F.フリード(著)/
     堀江芳孝(訳)/原書房1967年

どうも理解できない論理を展開されている場合があります。ファシストの思考だと思えば、納得できるし、シニカルな人たちが原爆投下を決めたとしか思えない。



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「▲戦争に勝つためには、米国が日本に原爆を落す必要はなかった。陸軍参謀総長マーシャルは「五○万の米兵の死傷を覚悟すれば、日本本土上陸による決定的勝利」を確信していたし、戦略軍司令官ルメイは「B29の焼夷弾攻撃によって、十月までに日本の全都市が灰壗になる」と明言していた。
▲それなのになぜ広島と長崎に無警告でしかも続けざまに原爆を投下したのか? ジラードを中心とする科学者たちは『フランク報告』においてその“実演”に反対した。しかし米ソの間の「冷戦」は、すでに東欧で始っていた。ソ連にの対日参戦以前に日本の占領に成功するためには、原爆以外に方法はないとバーンズ国務長官は考えた。その軍事的でない「政治的理由」に対し、トルーマンは投下決定の断を下したのである。」

スチムソンという、この教養の高い人物がいなかったら、『原爆神話」は生まれなかったという人がいますが、やはりそうだと思いました。下「」引用。

「一九四八年、マックジョウジ・バンディの協力の下に第三者から見た自叙伝を書き、その中でスチムソンは次のように述べている。
「三十年間スチムソンは国際法と国際道徳を主張し、戦って来ていた。軍人として又内閣の一員として、彼は戦争は人道の範囲内で戦われるべきで、それを逸脱してはいけないと反復主張して来た。ところが今度はB-29による火攻めに当り、彼は常に憎んでいた種類の戦争を許していたのであった……」。
 一方ロバート・オッペンハイマーは次のように述懐している。
「私はスチムソンが私に次のように語っていたのを思い出す。彼は、東京で特にひどい人命の被害を与える空襲に対し、抗議してはならいなということばは、自分たちをぞっとさせると言った。彼はその空襲をやってはいけないとは言わせなかったが、この件で疑問が出ない国のあり方は間違っていると語った……」

このような言動によって、人を丸め込むことさえ考えていたのではないかと思う。

もし、本当に戦争を終結させようと思っているのなら、政治家であるスチムソンなら、外交を促進していたはずだろうと指摘が正しいと思う。

言っていることと、やっていることが違う人物でもあるという。

プロテスタントは攻撃に賛成していたようです。下「」引用。

「キリスト教の信仰に照らして連邦教会関係委員会の言に依れば、「人間の感情に、たとえいまいまいしいことがあっても、……もし戦争の遂行上絶対必要であるならば、キリスト教の原則上正当なものである」ということになっていた。」

ボクのような人間はプロテスタントと思えば、クエーカー教徒を思い出す。
--しかし、ほとんどのプロテスタントはクエーカー教徒と行動を共にしたわけではない。

カトリックはヨーロッパの空爆にも抗議していた。

バチカン発・和平工作電  ヒロシマは避けられたか


そしてスチムソンだけが高級官吏で知っていたという。下「」引用。

「五月一日ドイツのラジオはヒットラーの死んだことを報道した。この時機には米国高級官吏の中では、恐らくスチムソンだけが原爆のことを考えていた。」

長崎は選定はまずいという意見があったという。下「」引用。

「そこにいた多くの将校が異議をとなえ、私はグローブズに代って『長崎は大きな爆弾のために大きさがないからまずいと反対した。その都市は細長くて二つの山の間にあり、爆弾の爆発効果が発揮されないと言った。又ここはこれまでに数回にわたって爆撃が行われており、原爆の効果測定のためにもまずい』と言った」と述べている。」

そして、小倉ではなく日本のカトリックの聖地・ナガサキに原爆は投下された。

事実、広島に比べて効果がなかった……。












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