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シリーズ・戦争の証言5 無名兵士の詩集-戦陣の中の反戦詩-

2009年05月06日 | 読書日記など
『シリーズ・戦争の証言5 無名兵士の詩集-戦陣の中の反戦詩-』
   高崎隆治・編/太平出版社1972年、1989年10刷

「解題 無名兵士の詩は何を語るか」高橋隆治・著。下「」引用。

「この本に集めた戦争詩(戦場詩)は、技術的には未熟ではあっても、戦場を、戦争を、うたうことによって、戦争とは何であるかをわたしたちに伝える生きた魂がその根底に息づいている。
 かれら、戦場の「詩人」は、けっして「本職の」詩人ではない。「本職の」詩人が詩人として失格であったとはすでに述べたが、-略-」

失格については、後で……。



「例言」 下「」引用。

「1 本詩集は一五年戦争下、戦陣の中における日本軍下級兵士の詩を集大成したものである。-略-」

戦場 「II兵魂」福島青史・作より。下「」引用。

「戦場
ようし
こうなったら
いくらでも 死んでやるぞ
こんちくしょう
一度死んだら
二度死ぬことはあるものか
こんちくしょう
どうせ死ぬ人間だ(名も知らぬ小山のかげにて)」

死 「II兵魂」福島青史・作より。下「」引用。

「死
悲しまないぞ
悲しくはないぞ
だれが死んだって
悲しむものか
悲しんだところが
悲しむだけ
むだなことだ
悲しまれる お前だって
悲しむ俺だって
早いか おそいかのちがいだけで
結局は 死にに来た
兵隊じゃないか
悲しみの涙なんか
ながすものか(排市で敵を追う途中)」

有名詩人の失格について……。下「」引用。

「 一五年戦争--とりわけ中国への全面侵略を開始した一九三七(昭和一二)年以降、四五年八月の敗戦にいたるまで、日本の文学がどれほど荒廃を露呈したか、いま、その全貌を詳細に論じているいとまはない。しかし、詩の分野について一言すれば、日本近代詩の最高峰といわれた高村光太郎をはじめとして、佐藤春夫や北原白秋や相馬御風や蔵腹伸二郎・伊東静雄といった人びとにいたるまで、ごく少数の、たとえば金子光晴や秋山清等を除いた専門詩人のほとんどすべてが、あげて好戦・侵略の徒と化し惨憺たる地獄絵図をくりひろげたのであった。
 ところが、最近の詩の「ブーム」にのった詩人研究や伝記作成においては、かれらの戦時におけるそれら戦争賛美の作品を、あたかも実在しなかったもののごとく、故意に抹殺し、戦前または戦後の詩作のみをとりあげて当該詩人を評価するという、不誠意きわまる欺瞞を公然とやってのけているのが事実上である。また、そうすることで、一五年戦争下の詩史を空白のままにして、一挙に「戦後」へつないでしまうという無責任が堂々とまかり通っている現状である。-略-」

今も同様であろうとボクは思う……。

特に原発のことでの作家はひどいものです……。






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