磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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戦後日本思想大系4 平和の思想

2008年10月04日 | 読書日記など
『戦後日本思想大系4 平和の思想』
   鶴見俊輔(編・解説)/筑摩書房1973年

吉本隆明の小田切・批判があった。
--壷井は戦争詩も愛国詩も書いていたという……。



最初こんな書き出しである。下「」引用。

「たんなるヒューマニズムでは駄目だという批判が、平和ということだけを目的として集まる大衆運動にたいして、学生運動の側からくわえられる。その含みは、ヒューマニズムではなく、社会主義の理論を支えとする運動ではなくては平和をもたらすために実効をもち得ないし、平和を目的とすることではなくて革命の実現をプログラムにもつ運動でなければ平和の条件をつくることができない、ということにある。」

今では、イデオロギーの問題ではないという人が多いようにボクには思える。

目次


脱走兵を助けたのは、ベ平連よりも、一般の日本人。
それは九対一という差だったという……。下「」引用。

「ヴェトナム戦争にいやけがさしてアメリカ軍をすてた脱走兵を助けてかくまうという一見ラジカルな行動にしても、米軍の発表した脱走兵リストとひきくらべると、その九割までは脱走兵援助で知られるベ平連などと無関係な日本の人々によってなされているのだ。脱走兵の一人が、沖縄をはなれて日本本土に来てからベ平連に行きつくまで一年半、ある基地の女性によって一室にかくまわれていたことは、日本の大衆の性格を考える上で一つの示唆をあたえる。彼女は、戦争の末期、広島にいて原爆をうけた人の一人だった。」

この女性たちの文献や、その人をお知りの人がおられたら、教えてください。
--小説にしたい題材です。もちろん、平和のためにですよ。

こんな意見がある……。下「」引用。

「「右翼も左翼も同じように国のことを考えていたのだ。これは美しいことはではないか。」--かつての日本の転向者のなかに、急進的左翼から急進的右翼へ転向した者が多かったこと(西欧の場合に比しはるかに多い)」

どちらに籍を置いても、クラウゼヴィッツ人は平和主義ではないとボクは思う……。

「前世代の詩人たち--壷井・岡本の評価について--」吉本隆明・著。下「」引用。

「-略-だが、小田切が、壷井の戦争期の詩を、「戦争にたいする日本の文学者の抵抗の姿をその美しさと限界とのままに記念碑的に定著している。」と評価するとき、わたしが壷井を「うしろめたそうな戦争詩人」としてかんがえていた世代的体験に照しても、まだ文学的事実としても、異議をさしはさまざるをえないのだ。もちろん、小田切がしらないで、また故意に切りすてた壷井の戦争詩、愛国詩を、わたしがしっていて、故意にもち出そうとし、それにたいして文学史的な訂正をおこなうという名目をつけるだけなら、現在、ろくでもない民主主義詩人が、正当に提起された『死の灰詩集』にたいする批判に非国民のレッテルをはったり、国民の動向などという架空のタテにかくれて貶めたりするやりかたを、うら返すことになるだろう。」

「藤井日達とその弟子たち」小沢信男・著という文章があった。

「第二次大戦下における日本基督教団の責任についての告白」
-- たった2ページであり、具体的なことは書かれていない。これで責任をはたしたと思うことは誰もできないだろう……。一億総懺悔のように、責任をごまかす方法もある……。もし、それを担おうと思うなら、具体的に書く必要があるだろう……。

樺美智子さんの文章があり、母・樺光子さんの文章もあった。





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