磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活 病院や裁判で統計にだまされないために

2006年05月16日 | 読書日記など
『数字に弱いあなたの驚くほど危険な生活
 病院や裁判で統計にだまされないために』
    ゲルト・ギーゲレンツァー(著)/
      吉田利子(訳)/早川書房2003年

この本を読んで僕もやはり、
数字オンチと思いました。(-_-;)



この問題が解けますか?
ぼくは間違いました。(-_-;) 下「」引用。
「心理学者のM・ハマートンはイギリスのケンブリッジの主婦たちに次のような問題を出した。
1 なんじゃもんじゃ病という病気の診断方法が開発されました。
2 この診断方法はとても優れていますが、しかし完全ではありません。
3 あるひとがこの病気にかかっていれば、90パーセントの確率で陽性になります。
4 病気にかかっていなくても、1パーセントの確率で陽性と出ます。
5 人口のほぼ一パーセントがこの病気にかかっています。
6 スミスさんが検査を受け、結果が陽性と出ました。スミスさんがほんとうに病気である確率はいくらでしょうか?」

解答 50パーセント

下の図を吟味していただければ、
理解できるかもしれませんね。




HIV検査というものは完璧ではないようです。
しかし、宣伝では絶対確実だということだったという。

ヒューマンエラー自体があるのだから、
絶対確実という表現もおかしなものですね。
医学の鉄則、「医療には100%はない」
というのを超えた方は信用できませんね。

1993年3月5日の『シカゴ・トリビューン』で、
「HIV検査結果の間違いで、一年半の地獄の苦しみ」
という見出しで相談が有り、下のように回答が掲載された。

「あなたの悪夢がハッピーエンドに終わって、ほんとうに良かったですね。でも、医師を責めてはいけません。改革しなければいけないのは検査機関です。あなたのお手紙から読み取るべき教訓は、ほかのとろこで再検査を、なんだったら三度でも検査を受けましょう、ということです。決して一度きりの検査を信じてはいけないのです。決して。 アン・ランダーン」


しかし、現場の専門家という人たちは、
絶対間違いはないと思っている人もいるらしい。

そして、恐ろしいことに逆もありえるそうです。
つまり、HIV陽性なのに、陰性と出て、
献血をしている方もおられたようです。

ブロザックの副作用で、患者の受け取り方が、
医師の伝えたいことと違ったようだ。下「」引用。

「友人の精神科医はうつ病患者にブロザックを処方している。薬の多くがそうであるように、ブロザックにも副作用がある。友人は患者ひとりひとりに、この薬をのむと三○パーセントから五○パーセントの確率で性的問題、つまり勃起不全や性的関心の喪失が起こることがあります、と説明してきた。-略-「三○パーセントから五○パーセントの確率で性的問題が生じる」という言葉の意味を患者がどう理解しているか、一度もチェックしたことがないのに気づいた。結局、患者の多くは自分の性的出会いのうち三○パーセントから五○パーセントが失敗に終わるのだろう、と思っていたことがわかった。」

こういう間違いは確率ではなく頻度ですると、
誤解は少ないそうです。
「10人の患者のうち3人から5人」と
表現した方がわかりやすいという。

医師たちも数字オンチだという。

医学界は16世紀の教会だそうです。
おもしろい表現です。
免罪符を買えば、あらゆる罪を赦されると
思っているように、全ての病気が金で
治ると思っているらしいです。

それを打破できるのは、
インターネットというツールではないか
と書かれてあります。


この科学的な時代にも過去の愚かな宗教観が彷徨している。
「ビリー・グラハム牧師は「エイズは神様のお裁きだ」と言った」

また、さらに恐ろしい古代神話の再現もあるという。下「」引用。

「二○○○年七月に開かれた第一三回国際エイズ会議で、南アフリカの地方行政府のツヴェリ・ムキゼ保険担当相は、処女とセックスすればエイズが治るなどという暴力とレイプにつながる神話を含め、間違った信念の広がりと闘うための教育が必要だと主張した。これは純潔な者だけが汚れを吸収できるという処女の力に対する古代神話の現代版だ。」



医療ミスの多さに驚きました。

原子力の事故は交通事故と比較する
あたりは数字オンチだなあーと思う。

少ないといっても、チェルノブイリも
TMIも彼らの確率の計算では、
現在も事故は起きていないのです。

まあ、机上の論理だけで、
現実を見失っていては困ったことに
なるのではないでしょうか?

もうなっていると指摘される方の
ほうがマトモだと思います……。

一度事故が起きたら、取り返しが
つかない技術にはNO!といいたい。



もくじ[健康・食品・福祉・医療]


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