V.あい色の部屋(虹の世界) D065.エリートはすばらしい! 「これだから、悪代官を産むんじゃ。民主主義というなら、どういうふうになっているか、市民に知らせなさい。情報を公開しなさい! 都市長、あなたは本当は何も現状を知っていない馬鹿者じゃないのですか」 「報道か、報道は報道省にまかせてある。テレビを見たまえ」 明るい社会、素晴らしい世界と、豊かな社会、景気のかじ取りもうまくいっている。どのチャンネルを回してもそんなことばかり言っている。 そして、この国の敵国の悪口ばかりを並べ立てている。 隣の国はひどい独裁者の国、また反対側の隣の国は一部の人間が傲慢にしている国である。われわれは何と幸福なことかと信じさせようとする。 「情報は情報省にまかせてある。君は暗い話を聞きたいかい。聞きたくないだろう。その通りだよ」 ユリカは返事なんてしていない。もちろん、他の誰もしていない。でも、誰かが賛同したように話している。 「この世界は素晴らしい、そう思っていると確かに、この世界が素晴らしく感じるものなんだよ。この世界が豊かに思うと確かに豊かに感じるんだよ。わかるかねー」 これでは政治というよりもカルト教団がマインド・コントロールしているようだ。 「心の中では白も黒と思えば白くなる。それが優秀な人の言うことなのだろうか」 「君たちのいうことは、まるでヒトラーみたいじゃないか。自分たちの意見を通せればいいと思っておる。お金のことはお金省、宣伝は宣伝省、報道は報道省と、みんなで協力しあっているんじゃよ。それをまあ、身勝手なことをいう奴らだ」 「どこの省も国の機関なのに、国のことを考えずに省のことばかりやっていて、何を協力して運営しているといえるのだ」 司馬遼太郎に似た老人は怒っていた。 「まったく! この変人どもにはまいるなー。豊かな世界だと思いたまえ! ほら、そうすれば、豊かになるだろう。暗いことばかり考えていたら、諸君らのように変人になってしまうんだ。わかるかね。お金のことはお金省、報道のことは報道省、エリートがきちんと運営しているんだから安心したまえ!」 「子どもにはゲームが教育に悪いといいながら、あなたたちは人生をゲームにしているじゃないか。人間のことも人間と思わず、ゲームをしているだけじゃないか。基本的人権なんて、そんなゲームをしている人たちにわかるものじゃないし、子どもが気分転換で楽しむゲームをどうしてそんなに非難できるんだ! あなたたちの方がずっと悪い!」 「何をほざいているか、まったく、あきれたものだ。負け犬どもめ!」 執事はさっさとエレベータに乗り込んでいった。 白髪の老紳士は 「いい仕事をしてから、エリートと誇ってほしいもんだ……」 と、ため息をついていた。 しばらくして、カールは「これから、どうしょう」と悩んでいた。 王様は、地下鉄に乗って、ある家に行けば相談にのってくれる人がいると教えてくれた。 「地下鉄に乗りたくても、お金がないの」 ユリカは困っていた。 「少ないが、これを進呈しよう」 王様はお金をくれた。
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公には認められていませんが、将校達も、見て見ぬふりをしていたようです。
主として、内務班で初年兵が古兵にやられました。
日本陸軍は、ビシッとした組織のように思われますが
「星の数より、メンコの数」と言って、階級より、何年軍隊でメシを食ったかの方が上とされる不合理なものでした。
このネタもいっぱい持ってますが、いずれまた。
海軍は親米だった。
まず、思想がちがいますね。
陸軍は食料も現地調達など、
上層部の考え方が大きく、
影響していると思います。
私は弱輩者ですが、
当時の人の気持ちをできるだけ
理解していきたいとも思っております。