磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原爆前後XXXII

2008年03月28日 | 読書日記など
『原爆前後XXXII』
   思い出集世話人・編/白井秀雄1976年

白井秀雄さんが、いろいろと疑問をもって書かれている記事が印象に残ります。白井さんは、それをメモとしてまとめられています。



夏目漱石が文学博士号をけったのは、あまりにも政治的だったからだという。そして、長崎にも。下「」引用。

「この佐々木先生も溶接工学の権威者として工学博士号を授与され、これを蹴った人であり、当時三菱造船所の実験場長の要職であり、大酒豪で且つ謡曲金剛流を嗜み、奇人と称されていた」

火野葦平の部隊にいたという。下「」引用。

「そして、日中事変の緒戦、抗州湾敵前上陸の模様を書いた「麦と兵隊」「土と兵隊」の著者として一斉を風靡した火野葦平軍曹が所属した歩兵一一四連帯(原隊小倉)に転属を命じられ、警備地の広東小増城県石橋頭に到着し、第二大隊本部経理室に勤務した。」

献身的だった人たち……。下「」引用。

「爆心地に近づくと命が危ないの……。流言と書いたが、一部は当っていて流言ではなかった。-略-美しい塚原さんの奥さんに事情を話してお願いしたら、意外にもあっさり引きうけて下さった。そして、翌日数名の御近所の方々と、遠い処を歩いて応援に来て下さった。そして何日間か、みんな炊事一切と負傷者の汚れ物の洗濯等、こまごましたことを献身的にして下さった。」

「特攻機「橘花」の模型」辻原慶太郎・著が掲載されていました。

賠償指定工場だったという。下「」引用。

「終戦後、長兵は賠償指定工場になったが、機械の手入れが悪いというので、一カ月の作業停止を命じられた。」

PL教団があったという。下「」引用。

「そこで、P・L教の信者で長崎市の幹部をしておられた長崎医科大学の医学博士松岡教授のお宅に早速出かけて行って、P・L教の真理や体験談を聞かれ、「それならば……」と、入団された。」

「メモ7・その頃の天候その他」白井秀雄・著。
サラリーマンの日記の天気。下「」引用。

「一般的に言って、同じ地域に住んでいる人々の日記に記入してある毎日の晴雨が一致するものかというと、決してそうではないことは、右に掲げた各氏の毎日の記載を見ても解ることである。例えば八月二日の天候は安中日記では「雨」となっているが、深堀日記では「晴」となっている。農家の日記とちがって、サラリーマンの日記の天候は、自分が朝起きてから、その日の日記を書くまでの天候が多く、特に退場間際に一日の仕事のメモとして書く日記には、夕立や夜中の雨き記録から漏れるおそれがあるし、同じ長崎でも町により降雨量も違うだろう。昔から「夏の雨は馬の背を分ける」という諺もあるように、八月の雨は局地的のこともあるのだから、同じ長崎市の在住各氏の日記の記載も一致する方がおかしいのだとさえ言えよう。」

七色の虹のような光とか、ボクにはわからないことが書かれてあります。それについて考察されています。下「」引用。

「三重村で犬塚氏が見た「その輪からオーロラのような奇麗な光」(28/121)、三重村の沖で平川卯三郎さんの見た「太陽の御光にも似た光線」(28/119)、山口彊氏の「虹色のプリズム光が複雑なリズムで万華鏡のように変化した」(28/137)、武次甚之助氏の「キラキラきらめくもの」(28/137)、山田正好氏の「ムクムクときのこ形の黒煙がもりあがってきて、その中からちょうど線香花火がとびちる時のような火花が、スイスイと柳の枝のように四方にとび散っているのが見えた」(28/4)、片山武義氏の「多数の電光様の閃光」(32/7)などというのは、表現こそ違うが、この六人は全く同じ現象を見ているように思えるが、よく見ると、のこ中の犬塚、平川両氏の見た光は全く一瞬の光だが、後の四人の見たものはキラキラとある時間継続した光のようである。それで、前の二人の見たものは、水平のボルテックスと大地との間の放電、後の三人のいうキラキラとスイスイは、茸雲の中での化学反応か核反応のなにかじゃないかと思うのだが、この辺のことになると僕は全く無知なので、誰か専門家の御教示を得たいところだ。」


医大のカルテも空から飛んできたという。下「」引用。

「それからパラパラという軒先を打つ小雨の音に、夕立かなと思って外を見ると、紙片がパラパラと落下してくるのが見えた。それも空から捲いた紙片のようだ。そこで外に出て、手に取って見ると、医大の処方箋の半焼や、本原町附近の宛名のある葉書で、半分は焼けた小片だ。変だなと紙片の落ちてくる空を見上げると、長崎の上空を、中天まで届く真黒い雲が覆い被さっているではないか。(2/215 鳥巣正氏)」










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