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バートランド・ラッセル著作集5 権力 その歴史と心理

2008年05月20日 | 読書日記など
『バートランド・ラッセル著作集5 権力 その歴史と心理』
   バートランド・ラッセル(著)/東宮隆(訳)/みすず書房1959年

権力も時代や、その他の要素で変化していく……。



ニーチェに反論する著者。下「」引用。

「ニーチェはキリスト教をもっと奴隷道徳を教えこむものだと非難したが、キリスト教では、究極の勝利ということがいつも目標であった。「幸福なるかな、柔和なる者。その人は地を嗣がん。」〔マタイ伝、第五章、第五節〕」

どちらも現実としてあるのではないか?

ボクにはほとんどが、ニーチェの見方が正しいと思う。

著者は理想を述べているにしかすぎないとも思える……。

パンフレットにはそう書かれてあるが、そうでない場合はあるものだ。

後に著者は歴史上、パンフレットのみの事例も書いている。

民主主義国でも……。下「」引用。

「民主主義国で政治家を成功させてくれる素質はやはり時代の性格とともに変化する。平時と戦時や革命時では同日には語れない。」

民主主義で、一番成功したもの? 下「」引用。

「民主主義下の政治家として一番成功したものは、民主主義を廃止して独裁者となることに成功したもののことである。-略-レーニンやムッソリーニやヒットラーが擡得することができたのも民主主義のおかげである。」

二世議員なども同様ではないか? もちろん、例外もあるが……。下「」引用。

「独裁者の息子がそのあとを継ぐに足らぬものときまったとき、最も重要な方法となるのは、黒幕的策動とか陰謀とか、宮中のえこひいきなどである。」

“天皇”のことが書かれてあった……。下「」引用。

「ハリハは、マホメット教主であると同時に国家の指導者でもあった。「みかど」はこんにちでも神道で右(*ハリハ)と同様の地位を占めている。王たちが、あまりにも神聖なものになり過ぎて、俗界の機能を喪失し、かくて次第に僧侶に変わってゆく、著しい傾向があったことは確かであるが、にもかかわらず僧侶と王の区別は何処から見ても明らかであった、また、はっきりとしたものであった。」

また、こんなことも書かれてあった。下「」引用。

「未開社会には酋長の二人あるとこもある。それはちょうど昔の日本の将軍と「みかど」のようなもので、一方は俗的であり、一方は宗教上の酋長である。ただしこの場合、神聖ローマ帝国と法王の関係はこれにあてはまらない。」

宗教改革の著者の見方。下「」引用。

「権力という見方からすれば、宗教改革は、二つの面でわれわれに関係がある。その一つは、宗教改革の無政府主義が教会を弱めたということであり、第二の点は、この教会を弱めたということのために、逆に国家が強くなったということである。-略-ルーテル派教会は、ヒットラーの時代に至るまで、ただの一度も、カトリック教を奉ぜぬ政府に不誠実な態度を示したことはない。農民一揆は、さらに、ルーテルに対して、諸侯に服せよと説くべき理由を与える結果となった。独立した一つの権力としての教会は、ルーテル派の国国には事実上、存在しなくなって、世俗の政府はおとなしく従えと説く機構の一部となり果てた。」

そして、宗教にかわるナショナリズム。下「」引用。

「しかしながら、ナショナリズムは多くの国々における教会の権力を著しく減少させ、以前は宗教のはけ口を見出していた種々の情念を国家の手に移させた。宗教の力が減少したということは、ナショナリズムと国民国家の力の増大の、一部は原因となすものであり、一部は結果にも相当するものである。」

神道のことも書かれてある……。下「」引用。

「神道は、日本が世界のいかなる国よりも前に生れたものだと教えているのであるが、これは日本人以外のものに訴える意図をもってない、というよりも、訴えかけるところがなさそうだといったほうがいいであろう。」












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