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「日の丸・君が代」を超えて 岩波ブックレット No.488

2010年06月28日 | 読書日記など
『「日の丸・君が代」を超えて 岩波ブックレット No.488』
   石田英敬、他・編/岩波書店1999年

法制化してないから嘘つきで、法制化されると強制はいけない……。
イデオロギー・ゲームをしている人たちは、こんな矛盾も恥ずかしくないんだろうなあー。
それで学者や教育者をやっているのか?
人道や人権、国民(市民)の生活について考えてほしいものである……。



「象徴天皇制」の装置……。下「」引用。

「日本の近代国家は、天皇制という象徴権力を造り出すことによって国民の統合をおこなった。そのとき国民国家のなかに人々を呼び込むための中心的な象徴装置の役割をになったのが、日の丸、君が代、御真影、教育勅語といった明治国家によって創り出された記号だった。皇室や、元号や皇紀、国家神道などの近代的「伝統」が、ナショナリズム研究者のいう〈近代の文法〉にもとづいて創出され、国民国家の象徴的礎石が置かれると、明治国家は、軍隊や公教育を通して〈国民〉の身体を組織し、日の丸や君が代や、軍人勅諭や教育勅語を、国民に叩きこみ「臣民」化することで、大日本帝国という「想像の共同体」を立ち上げたのである。その天皇制の象徴体系は、〈戦後〉は文字どおり、「象徴天皇制」として持ち越されたのち、「建国の日」などの天皇制の祝祭日の復活や「元号」法制化による復古をへて、いま再び日本国家の記号の体系として息を吹き返し、二一世紀の〈国民の空間〉を囲い込もうとしている。」

学校で教えられる……。下「」引用。

「しかし、学校がなければ、子供は自然に「君が代」を覚えはしない。「日の丸」の小旗を作りはしない。自然のなかには、学校も、国旗も、国歌もない。」

在日朝鮮人は、歌わされることが苦痛だという。

むしろ戦後……。下「」引用。

「自由作文が戦前から「国民」教育の重要な一環だったこと、それに対し、「日の丸・君が代」が学校でワンセットで強制されるようになったのはむしろ戦後であることを、近年私は知った。」

文部省の嘘……。下「」引用。

「つまり、「君が代」は、文部省の行政命令によって、学校現場の儀式に一方的に押しつけられ、一切の根拠が存在しないにもかかわらず、あたかも国歌であるかのように装われてきた歌なのである。それは、この国の近代において、「真実」を教えるはずの教育の現場で、そこに行政責任を負うはずの文部省がつきつづけてきた嘘の歴史そのものなのだ。-略-
 文部省が嘘をつきつづける構造は、敗戦後の教育現場においても変わらず、「日の丸」と「君が代」は、アジアを中心としながら侵略戦争を天皇の名において遂行した時期と敗戦後を連結させる記号として、学習指導要領によって強制されつづけてきたのである。」

反対した知識人など。下「」引用。

「今回の「日の丸・君が代法制化」に対しては、多くの知識人が反対の声をあげた。反対運動には「文化を研究する者」として国外、国内の多くの大学生、大学院生が名を連ねた。-略-」

「野党の消滅」 下「」引用。

「創価学会という安定した支持基盤を持つ公明でさえ、野党として党の維持することのコストの大きさに耐えかねて、自民党との連立を選んだと見ることが出来る。」

歌いにくいのはお雇い外国人に命じたから。下「」引用。

「誰もが知らないでいたこの古歌を、一九世紀の後半に新政権が取り上げ、お雇い外国人に旋律を付けるように命じた。音楽としての「君が代」がひどく歌いにくいのは、それが民衆の間で生じた自然発生的なものではなく、日本語をまったく解しなかった西洋人がこれに深く関わったからである。低く陰気な調子で、いかにも厳粛さを装う雰囲気で始められた旋律が突然に高音に移り。一瞬ではあるがファナチックな熱狂をかき立てる。この信じがたい変調は日本語の朗誦として不自然であり、事実ひどく歌いにくい。だが、その不自然さがいっそう恍惚とした興奮を際立たせることになる。曲はそれからふたたびゆっくりとした調子に戻り、余韻を残して終わる。だが耳の底にはいつまでもあの不意の昂揚が残っていて、不気味な印象を残すことになる。それが国家というものがもつ神聖な威厳なのだと、日本人は長いあいだ、教えられてきた。」

『イマジン』を国歌に? 下「」引用。

「ジョン・レノンの『イマジン』を国歌にせよという、映像作家の原将人の意見が論破できないのは、そもそも「君が代」にしてからが日本人の手になるものではないからである。」






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