磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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岩波文庫 女の平和 改版

2009年02月08日 | 読書日記など
『岩波文庫 女の平和 改版』
   アリストパネース(著)/高津春繁(訳)/
     岩波書店1951年、1985年34刷

イエス・キリストが生まれる前にかかれた戯曲であるという……。
--平和主義にも歴史あり……。
それに反するペテン師にも歴史あり……。



「解説」に書かれてあります。下「」引用。

「『女の平和』(リューシストラテー-略-)は前四一一年に上演せられた。同時上演の競争相手の詩人もその劇の題名も、さらにアリストパーネスがこれによって何等賞を得たかも伝わっていない。
 アリストパーネスがこれを書き綴ったであろう前四一二年は、暗いペロポネーソス戦争(前四三一-四○四年)の間にその大部分の作品を作った彼にとっても、もっとも暗澹たるときであった。スパルタとアテーナイとの覇権を目指して死闘は、一時ニーキアス(Nikias)の平和(前四二一年)によって終ったかに見えたが、これは要するに、十年の長い戦争に息の切れた両国の中休みにすぎなかった。-略-」

喜劇作家らしい?……。下「」引用。

「そこへ遂に女のボイコットに耐えかねたスパルタ人よりの死者が現われる。先のキーネシアースもそうであったが、男どもはもう突起のために如何ともいたし難い状態にあり、みんな大きなのをつけている扮装。スパルタの死者はアテーナイのプロブーロスと相談のまつ、互いに使節を出して相談することに決定、使者は立ち去る(九八○-一○一三行)。」

平和主義のアリストパーネス。下「」引用。

「アリストパーネスは戦争が始まって以来、つねに平和主義を奉じ、これを自己の劇中において繰返し主張した。すでに、現存している最古の劇たる『アルカナイの人々』(前四二五年)において、彼は戦争のために耕地や果樹園を荒らされて困窮していた農民の味方ちして平和をとなえ、前四二一年の『平和』においては、ニーキアスの平和に先立って、来るべき和平を言祝ぐ、歓喜にみちた歌を歌ったのである。彼の今一つの主張は、ペリクレース以来の徹底的な民主主義以後、全く掣肘されない民衆を煽動し巧みに操って自己の利益に資しているデマゴーグとその一党の一掃であった。彼には彼らが戦争の原因であると見えたのであろう。『女の平和』には、他の劇に見えるごとき彼らに対する直接な攻撃はない。かかる攻撃を許すには時勢はあまりにもヒステリックで危険であった。いや和平をとなえることすらも、大きな危険を伴ったであろう。まさに倒壊せんとするアテーナイには、あらゆる機に乗ぜんとするデスペラートどもがみちていたからである。」

デスペラートになっているものは、滅びる確率が高いでしょうね……。

自分が生き残るために、多くの人を滅びさせる冷血な人たちも、デスペラートな精神を持ち、多くの人にマインド・ウイルスをまいている……。






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