磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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昭和-戦争と平和の日本-

2010年10月05日 | 読書日記など
『昭和-戦争と平和の日本-』
   ジョン・W.ダワー(著)/
     明田川融(監訳)/みすず書房2010年

原書名 Japan in war & peace
この本を読んでいて、「盗人猛々しい」という言葉を思い出しました……。



日本、中国、東南アジア向けがあった【映画】『支那の夜』。下「」引用。

「じつは三様に異なる観客のために、三つの異なる幕切れになるうにつくられていた。中国の観客むけには、映画は結婚式で終わる。日本版では、主人公が結婚したあと危険な任務に召集され、中国の共産主義物に殺される。彼の花嫁は、傷心の身となって酒びたりになる。東南アジアへの輸出版は、負傷した花婿が死地から生還し、自殺しようとする花嫁を間一髪で助けるというものだ。」




「「ニ号研究」と「F研究」 日本の戦時原爆研究」 下「」引用。

「一九七八年一月七日、『ニューヨーク・タイムズ』紙の第一面に、「第二次大戦時、東京で原爆研究、日本側資料から明らかに」という見出しが踊った。-略-」

その【ニュース】の狙い。下「」引用。

「日本が原爆を所有していたなら、それを使用したであろうことは疑いない。そして、そのことは、たとえわずかにせよヒロシマ・ナガサキのことで罪悪感を感じているアメリカ人にとっては慰めとなるかもしれない。だが、この議論に潜在的に含まれている反日的な矛先は、べつのところにある。すなわち、日本は、自分たち自身が戦時中に原爆研究をおこなっていたことを三○年にわたって意図的かつ効果的に隠蔽し、そうすることによって、自分たちのほうが道義的に優れているとする偽善的な態度をとってきたという印象をあたえるところに狙いがあるのだ。『サイエンス』誌が日本の「社会的秘密」と名づけたことがらをめぐる報道は、容易に、日本は二枚舌だという考えへと変容し、とかくそう思いたがる人びとにとっては、まさにその確証となった。」

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共産主義中国を孤立化して圧殺しようとしたアメリカ。下「」引用。

「保守的な吉田茂内閣は国民党政府との二国間の平和条約に事実上調印させられ、共産主義中国を孤立させ経済的に圧殺するというアメリカの政策に追随していた。-略-」

スターリンとアジア。下「」引用。

「ソ連が一九四五年八月に朝鮮半島で示した自制的な態度からも見てとれる。米軍が到着する前に容易に朝鮮半島全体を占領できたにもかかわらず、スターリンは北緯三八度で軍を止めていた。スターリンが一九四五年八月の時点で蒋介石の国民党政府を唯一の正統政府として承認しようとしていたこと、また、最終的には満州からソ連軍を撤退させると約束したことに、当時、予想外の融和的な態度だと感銘を受けた専門家もいた。-略-」

「反ソ軍事基地」に日本を考えたアメリカ高官。

原爆・市民の画。下「」引用。

「ジョン・ハーシーは、『劫火を見た』をどんな写真集よりも感動的だと評し、「そこに記録されているのは、生存者の心に焼きついていることなのだから」と共通する感想をのべた。
 テレビ番組につづいて京都の街で、広島、長崎の惨状を映した写真と並んでこうした被爆者の作品が展示された小さな展示会をみつけたとき、私もたしかにおなじように感じた。-略-」

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人種問題。下「」引用。

「アメリカでは、イギリスやヨーロッパの大半とおなじように、反ユダヤ主義が強かったが--とりわけデヴィッド・ワイマンがみごとに立証したように--ホロコーストは故意に無視されたり、あるいは無関心の対象とされる問題であった。他方で、日本の侵略行為は白人優越意識の奥底に潜んだ感情を刺激し、終末論にも似た反応を引き出した。ハースト系の新聞が社説で取り上げたように、ヨーロッパでの戦争はどんなに悲惨であるにしても、それでまだ西洋文明の本質を脅かすことのない「身内の戦い」であった。あるハースト系の新聞は、太平洋での戦争を「東洋人が世界支配のために西洋人にしかけた戦争」とにべもなく決めつけた。-略-」

「善い日本人」、ハリウッド映画。下「」引用。

「ハリウッド映画は、ナチといっしよに善いドイツ人を描くというお定まりの手法をもちいたが、「善い日本人」はまったくといっていいほど見当たらなかった。-略-」

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