『むかし原発いま炭鉱-炭都〈三池〉から日本を掘る-』
熊谷博子・著/中央公論新社2012年
帯に書かれてあります。下「」引用。
「日本の根っこと未来へ向かう坑道がある
原発は何を残そうというのか?
話題の映画『三池』監督、渾身の書き下ろし」
「炭鉱は文化を生み出したが、原発は文化を生み出さなかった」 下「」引用。
「構造があまりにも似ていた。
だが同じに見えても、炭鉱と原発には決定的な違いがある。
炭鉱は文化を生み出したが、原発は文化を生み出さなかった。
炭坑節はあっても原発節はない。ついでに石油音頭もない。
♪月が出た出た~♪炭坑節は、日本で最も有名な民謡の一つだ。-略-」
だけど、『鉄腕アトム』などマンガはあるのでは?
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山本作兵衛の記録画=世界記憶遺産。
ユネスコのホームページに……。下「」引用。
「記録が政府や新聞によるものだった時代の日本。そこで一人の労働者が、きわめて信頼できる個人の視点から創った作品群。絵の持つ生々しさと緊迫感は、公式の記録からまったく抜けているものだ。世界に向けて大きな歴史的意義を持つ」
映画『フラガール』の舞台。下「」引用。
「常磐は福島県から茨城県にまたがり、最盛期には130もの炭鉱があった本州最大の産炭地だ。映画『フラガール』の舞台でもある。」
この本のタイトル。下「」引用。
「この本のタイトルはあえて逆に、『むかし原発、いま炭鉱』とした。
そこには、もう原発やめてくれ、という思いもある。ここにつらなる歴史を根源から見直したかったのだ。」
“坑”と“鉱”……。下「」引用。
「「坑」と「鉱」の字の使い分けについては諸説ありますが、本書では便宜上、「三池炭鉱」のように炭鉱全体を指す場合には「鉱」を用い、三池炭鉱を構成する「宮原坑」「万田坑」などの核坑口に「坑」の字を当てました。-略-」
『炭鉱美人』という写真集があるという。女性も働いていたのだ。
炭鉱離職者が原発労働者に。原発が始まって7、8年のころ。下「」引用。
「最近は下請けの原発労働者の中に、北海道や九州からの炭鉱離職者が連れてこられている。」
「神格化」された。下「」引用。も
「三池争議とそれを闘った三池労組は、どこかで「神格化」されてしまった。
この言葉は、30年後に三池労組のOBたちがつくった冊子の中に書かれている。
普通の私たちたが闘うべく闘ったものであって、どこをどう間違ったか三池労働者は英雄視され、指導者は類まれな才能と称えられた、と。」
「妻たちと母たちの地獄」下「」引用。
「1963年(昭和38)年11月9日3時12分。
大牟田のまちに、すさまじい爆発音がひびいた。
三池争議から三年後。場所も同じ三川坑から、巨大な黒い煙が100メートルも立ち上った。その煙はまた数秒後には、地底に吸い込まれて消えたという。その写真を見ると、まるで原爆のきのこ雲のようだ。実際に、「原子爆弾が落ちたばい」と家に駆け込んでくる子どももいた。
戦後最大の炭じん爆発事故であった。
458人もの命が、一挙に奪われた。-略-」
水俣も原発も似ている。下「」引用。
「「三池」と「水俣」は似ている。
三池炭鉱は、エネルギー源である石炭を手中に収め、石炭化学コンビナートもつくり、巨大企業へと発展した。チッソもまた出発点は、ダムと水力発電所というエネルギー源を建設したことであった。余った安い電力を使い、水俣の工場で化学肥料などを生産。さらには植民地下の朝鮮で、水力発電所を次々建設。その電力を利用し、世界有数の化学コンビナートをつくりあげた。
ともに日本の近代化を支え、国策に沿って事業を大きく広げてきたのだった。二つの小さな漁村は、巨大な企業城下町へと発展した。特に水俣駅に降り立つと、目の前にまるで直結するように、チッソの工場正門があることに驚く。工場が先で、そこに合わせて駅ができたという。
原発も似ている。各地の原発も、大きな産業のなかった海沿いの小さな村につくられ、その地が原発城下町として発展したのだ。福島原発が建設されたのは、まわりから“福島のチベット”とまで呼ばれた地域であった。-略-」
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目 次
熊谷博子・著/中央公論新社2012年
帯に書かれてあります。下「」引用。
「日本の根っこと未来へ向かう坑道がある
原発は何を残そうというのか?
話題の映画『三池』監督、渾身の書き下ろし」
「炭鉱は文化を生み出したが、原発は文化を生み出さなかった」 下「」引用。
「構造があまりにも似ていた。
だが同じに見えても、炭鉱と原発には決定的な違いがある。
炭鉱は文化を生み出したが、原発は文化を生み出さなかった。
炭坑節はあっても原発節はない。ついでに石油音頭もない。
♪月が出た出た~♪炭坑節は、日本で最も有名な民謡の一つだ。-略-」
だけど、『鉄腕アトム』などマンガはあるのでは?
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山本作兵衛の記録画=世界記憶遺産。
ユネスコのホームページに……。下「」引用。
「記録が政府や新聞によるものだった時代の日本。そこで一人の労働者が、きわめて信頼できる個人の視点から創った作品群。絵の持つ生々しさと緊迫感は、公式の記録からまったく抜けているものだ。世界に向けて大きな歴史的意義を持つ」
映画『フラガール』の舞台。下「」引用。
「常磐は福島県から茨城県にまたがり、最盛期には130もの炭鉱があった本州最大の産炭地だ。映画『フラガール』の舞台でもある。」
この本のタイトル。下「」引用。
「この本のタイトルはあえて逆に、『むかし原発、いま炭鉱』とした。
そこには、もう原発やめてくれ、という思いもある。ここにつらなる歴史を根源から見直したかったのだ。」
“坑”と“鉱”……。下「」引用。
「「坑」と「鉱」の字の使い分けについては諸説ありますが、本書では便宜上、「三池炭鉱」のように炭鉱全体を指す場合には「鉱」を用い、三池炭鉱を構成する「宮原坑」「万田坑」などの核坑口に「坑」の字を当てました。-略-」
『炭鉱美人』という写真集があるという。女性も働いていたのだ。
炭鉱離職者が原発労働者に。原発が始まって7、8年のころ。下「」引用。
「最近は下請けの原発労働者の中に、北海道や九州からの炭鉱離職者が連れてこられている。」
「神格化」された。下「」引用。も
「三池争議とそれを闘った三池労組は、どこかで「神格化」されてしまった。
この言葉は、30年後に三池労組のOBたちがつくった冊子の中に書かれている。
普通の私たちたが闘うべく闘ったものであって、どこをどう間違ったか三池労働者は英雄視され、指導者は類まれな才能と称えられた、と。」
「妻たちと母たちの地獄」下「」引用。
「1963年(昭和38)年11月9日3時12分。
大牟田のまちに、すさまじい爆発音がひびいた。
三池争議から三年後。場所も同じ三川坑から、巨大な黒い煙が100メートルも立ち上った。その煙はまた数秒後には、地底に吸い込まれて消えたという。その写真を見ると、まるで原爆のきのこ雲のようだ。実際に、「原子爆弾が落ちたばい」と家に駆け込んでくる子どももいた。
戦後最大の炭じん爆発事故であった。
458人もの命が、一挙に奪われた。-略-」
水俣も原発も似ている。下「」引用。
「「三池」と「水俣」は似ている。
三池炭鉱は、エネルギー源である石炭を手中に収め、石炭化学コンビナートもつくり、巨大企業へと発展した。チッソもまた出発点は、ダムと水力発電所というエネルギー源を建設したことであった。余った安い電力を使い、水俣の工場で化学肥料などを生産。さらには植民地下の朝鮮で、水力発電所を次々建設。その電力を利用し、世界有数の化学コンビナートをつくりあげた。
ともに日本の近代化を支え、国策に沿って事業を大きく広げてきたのだった。二つの小さな漁村は、巨大な企業城下町へと発展した。特に水俣駅に降り立つと、目の前にまるで直結するように、チッソの工場正門があることに驚く。工場が先で、そこに合わせて駅ができたという。
原発も似ている。各地の原発も、大きな産業のなかった海沿いの小さな村につくられ、その地が原発城下町として発展したのだ。福島原発が建設されたのは、まわりから“福島のチベット”とまで呼ばれた地域であった。-略-」
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