磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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チェルノブイリある科学哲学者の怒り-現代の「悪」とカタストロフィー-

2012年05月23日 | 読書日記など
『チェルノブイリある科学哲学者の怒り-現代の「悪」とカタストロフィー-』
   ジャン=ピエール・デュピュイ(著)/
     永倉千夏子(訳)/明石書店2012年

表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「◎カバー写真
事故後、全住民が避難したプリピャチの中心部。2011年9月」



本書……。下「」引用。

「本書を書くにあたって、挑戦すると心に決めたことがある。論理に感情を殺せぬこと、そして感情に推論の邪魔をさせないことだ。私がそれに成功したかどうかは、読者諸賢の判断にお任せする。いずれにせよ私は、来るべき数十年間の間--なぜなら、悲しいかな、一つの原子力事故の結果を判断するには、それほどの年月を必要とするからである--フクシマの大惨事(カタストロフィー)に関わる公の議論の中で、理性と情熱との間に適切なバランスがとられるべきことを、心より願っている。
 二○一一年一○月一○日、パリ
ジャン=ピエール・ディピュイ 」


社会学的……。下「」引用。
「私がキエフにいるのは、一九八六年二六日に起きた事故の二○年の節目を控えて、チェルノブイリ原発事故の結果を分析する夏季講座に参加するためだ。提唱したのは、カン大学の社会学人類学危機分析研究所LASAR、なかんずくその研究者の一人である社会学者フレデリック・ルマルシャンである。-略-そしてその研究員の幾人かは、すでにその対象地域、特にベラルーシで調査を実施している。-略-」

むしろ善、富の産業。←見せかけでしょう? あるいはペテン、「神話」……。下「」引用。

「今日、最大の脅威は、悪意ある人々より善・富の産業をなす人々から生じるというのである。IAEAのように、「全世界の平和と健康と繁栄」を保障することを使命としているところは、他の企業や団体ほど悪意があろうと危惧されることはないはずだ。チェルノブイリの事例で私をもっと震え上がらせのは、いわゆる専門家たちが報告書で社会に対して提起している問題のレベルに、彼ら自身の思考の質が達していないということである。このテクノクラートたちは、えてして、自分に敵対する者たちは非合理的で暗愚であると非難しがちだ。しかし彼らには、この地上でしかるべく安全に生活する可能性を危機に陥れる輩に対して当然期待される最小限の真摯さと判断力に欠けている。専門家たちは、自分たちが何をしているのか、考えていない。それが最大の危険なのだ。それをチェルノブイリの事例で示していこう。-略-」

INDEX

大江健三郎。下「」引用。

「これと比べ、日本のノーベル文学賞作家大江健三郎がヒロシマの原子力災害の犠牲者であるヒバクシャに捧げた本の最後の数頁を読んで、私は安堵感を覚えた。大江は問う。破壊された人生に、いかなる意味を与えることができるのか。彼の感動的な証言を引用しよう。一九六五年のものだ。-略-われわれには《被爆者の同志》であるよりほかに、正気の人間としての生き様がない。」

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