磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

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原爆犯罪-----被爆者はなぜ放置されたか-----

2007年09月08日 | 読書日記など
『原爆犯罪-被爆者はなぜ放置されたか-』
   椎名麻紗枝・著/大月書店1985年

かなりよく原爆について理解されている方が書かれた本だと思います。理路整然としています。



『原爆神話』とは何かといえば、『原爆犯罪』をかくすためのものと思えます。

この本を読んで驚いたことは、ローレンス記者が『ニューヨーク・タイムズ』には二人いたということです。

--他の文献では同一人物のように描かれています。

一人はウィリアム・L・ローレンス(William. L. Laurence)。

ピューリッツァ賞物語 ●ジャーナリストの栄光と足跡


もう一人は、ウィリアム・H・ローレンス(William. H. Laurence)。

広島に来て記事を書いたのは、後者のH・ローレンスだという。
H・ローレンスは一度は原爆の残虐性を書くが、後にそれさえも否定してしまったという……。

そして、L・ローレンスはこんな記事を書いたという。下「」引用。

「さらに、九月一二日付の『ニューヨーク・タイムズ』の「米原爆投下地、東京の作り話を斬る」というL・ローレンスの記事では、-略-『日本人の現在の言動(被爆の実相の報道-引用者)を仔細にみる と、彼らはわれわれが不正なやり方で戦争に勝ったかのような印象をつくりだすことをねらった宣伝をつづけ同情をひき、やさしい言葉を得ようとしていることが分かる……。』」

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バーチェット記者の救護要請も最初は受け入れていたという。

しかし、ファーレル准将の態度は180度変化する。

ファーレル准将は、恐くて広島に入れなかったという。
それなのに、バーチェット記者を否定する。
--それはアメリカ本国の政策であったという。

ファーレル准将は、ジュノー博士らの広島救援の、医薬品の配給員に姿をかえて、広島地域に入るように考えたという……。

占領下、ABCCは診察を拒否すると軍法会議にかけると脅したという。
経済的に余裕のない被爆者にとっては死活問題だったという。

そして、ABCCのひどい扱いで、精神に異常をきたした少女がいたという。

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また、バーチェット記者より二時間遅れて広島入りした20人余りのアメリカ記者団は、原爆の威力ばかりで、残虐性には目を向けなかったという。

バーチェット記者などの衝撃的な原爆報道以後、1945年12月まで、広島と長崎はGHQによって、すべての海外特派員にたいして、立入禁止区域に指定されるという。

そしてプレスコードがひかれた……。

憲法九条について、「トヨタ」よりは「日本国憲法」の平和主義を輸出してほしいという外国人もおられたそうです。











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