磯野鱧男Blog [平和・読書日記・創作・etc.]

鱧男の小説などをUP。環境問題に戦争・原発を!環境問題解決に民主主義は不可欠!

原発閉鎖が子どもを救う-乳歯の放射能汚染とガン-

2012年02月19日 | 読書日記など
『原発閉鎖が子どもを救う-乳歯の放射能汚染とガン-』
   ジョセフ・ジェームズ・マンガーノ(著)/
     戸田清、竹野内真理(訳)/緑風出版2012年

原書名 Radioactive baby teeth

帯に書かれてあります。下「」引用。

「ストロンチウム90の被曝で子どもたちはどうなるのか?」

調べないとわからない。そして、調べるのがとても困難なものであること。そして、子どもたちのためにも、あきらめないこと。それを理解できる本でした。



表紙の裏に書かれてあります。下「」引用。

「低線量放射線が子どもたちにガンを引き起こす。子どもは成人に比べて3倍から10倍ほど放射線に敏感で胎児はさらに敏感である。とくにストロンチウム90は核実験や原子力発電所からしか生成されない人工放射性物質で、半減期は28.79年と長く、骨に蓄積し骨髄に浸透し、骨のガンや白血病などを発生させる、生物学的毒性が極めて高い物質である。
 本書は、平時においても原子炉の近くでストロンチウム90のレベルが上昇するときには、数年後に小児ガン発生率が増大すること、ストロンチウム90のレベルが減少するときには小児ガンも減少することを統計的に明らかにした衝撃の書。
 そのストロンチウム90は重い物質なので遠くに飛散しないとの理由で、日本政府はろくな調査もしていないが、福島第一原発から100キロ圏外でも検出されている。水に溶けやすい海流によって運ばれて、食品や水から体内に蓄積され、排出されにくいストロンチウム90は、子どもたちをはじめ私たちの最大の脅威である。」

「埋もれた宝 セントルイスの乳歯がみつかる」 下「」引用。

「-略-マンガーノにはこの箱が、体内にある核実験由来の放射性ストロンチウム90[注 : 半減期29年]についての画期的な研究の試料にの使われた乳歯を意味することが分かった。この研究は大気圏内核実験を停止させる条約への道筋につながったが、研究自体は1970年に終了していた。コールは最初、この研究を指揮した生物学教授バリー・コモナーに電話して、コモナーがこの歯にまで関心を持っているかどうか尋ねた。コモナーは、自分は関心を持っていないが、マンガーノのグループ、つまり「放射線と公衆衛生プロジェクト(RPHP)」に連絡を取るべきだ、なぜなら原子炉の近くに住んでいる子どもたちの乳歯について新たな研究をしているにかだ、と答えた。-略-マンガーノは目を大きく見開いた。これは大変なニュースだ。予期せぬ宝物の発掘だ。-略-歯を提供したセントルイスの子どもたちの健康状態を追跡して、子どもの頃にストロンチウム90の濃度が高かった人たちは、中年になってから死亡や発ガンの危険が大きいかどうかを調べられるのだ。」

百回もの核実験『サンフランシスコ・クロニカル』の記事。下「」引用。

「第二次大戦後、米国は大気圏内でおおよそ100回も核爆弾を爆発させたが、そのほとんどはネバダ州においてであった。当時、『憶病者のネバダ人』と呼ばれて中傷された平和活動家たちは、核実験の副産物であるストロンチウム90が子どもたちの飲むミルクを汚染するのではないかと心配した。……最近セントルイスのワシントン大学の研究者たちが、長く忘れ去られていた乳歯サンプルを発掘した。ニューヨークに拠点を置く「放射線と公衆衛生プロジェクト」(RPHP)は、かつて科学の発展のために乳歯を提供した、すでに成人した人びとを追跡しようとしている。……

 ここにひとつの教訓がある。環境リスクと健康リスクを警告する「臆病者たち」は政府の役人たちを苛立たせたかもしれないが、臆病者たちは必ずしも間違ってはいなかったのではないかということだ。」

赤ちゃんが癌。

CTスキャン歯科医と赤ちゃん。下「」引用。

「何年も前から、医師たちは子どもたちがX線から受けるリスクに気付いた。歯科医師たちは、通常は幼い子どもたちのX線写真は撮らない。たとえX線装置が昔よりも低線量の放射線しか出さないとしても、健康リスクにかかわるからである。医師たちは絶対に必要な場合を除いて、子どもたちのCTスキャンは撮ろうとしない。」

X線でリスク2倍。下「」引用。

「1950年代に英国の内科医アリス・スチュアートは、妊婦が腹部へのエックス線を受けたとき、その子どもが10歳までにガンで死ぬリスクは2倍になることを発見した。」

原子炉近隣の白血病増加……。下「」引用。

「しかしコネティカットとアイオワの原子炉の近くのガン発生率は違っていた。国立ガン研究所の主任研究員シーモア・ジャブロンは自身の論文のなかで、コネティカットとアイオワの原子炉の近くの0~9歳の子どもたちの白血病発生率の有意な増加を認めた。原子炉とガンを結び付ける唯一の知見だった。政府は原子炉のせいで子どもたちがガンになったときちんと認めたわけではなかったが、手始めとはなった。」

TMIと被害……。下「」引用。

「スリーマイル島原発事故から四半世紀後、多くの人はなお放射能放出が被害をもたらしたと主張している。事故後まもなく6歳の息子をガンで失った地域住民アリス・デイミアはこう述べた。
「彼は事故の前は正常で健康な少年でした。……私はまだスリーマイル島原発のせいだと思っています。」
 どれだけの被害が引き起こされたかについての完全な合意は決して得られないであろうが、特に子どもたちが害を受けたというかなり多くの証拠がある。ドーファン郡(スリーマイル島原発が位置する)とレバノン郡(東・風下方向が隣にある)において、20歳未満の子ども246人が1985~1997年にガンと診断されたが、これは州と全米の平均を26%上回る。(州のガン登録は1985年にデータ収集を始めたばかりである。)この2郡のガン死亡率はさらにひどく、1980~2003年に120人死亡で全米の平均より39%高い

 却下されたスリーマイル島原発訴訟のひとつの問題は、原子炉からどけだけの放射能が地域住民の体内に入ったかについて証拠がないことだ。ただしだからといって、この事実は、少なくとも1人の好奇心旺盛な観察者には見逃されることはなかった。」

index

「米国の原発に「歯の妖精プロジェクト」が挑む」

統計的証拠……。下「」引用。

「RPHPは[注 : 1995年に]堅なスタートを切った。グールドは『死にいたる虚構』(1990年)と『内部の敵』(1996年)という2冊の本を上梓したが、それらにはアメリカ人が核兵器と原子炉にのよって被害を受けているという統計的証拠がぎっしり詰まっていた。公衆衛生行政官でその研究に関心を持ったグループに加わったジョセフ・マンガーノとともに、グールドとスターングラスは医学雑誌に数本の論文を書いた。ビル・マクダネルもグループにデータと財務の管理者として参加した。グールドはまたRPHPが、地域の支援グループと協力することを思いついた。そのグループがロングアイランドのSTAR財団となった。」

「歯の妖精」を演じる……。下「」引用。

「彼女はきれいなドレスを着て「歯の妖精」を演じて、歯を提供してくれるよう呼び掛けるため、地域のイベントに出かけた。」

新聞……。下「」引用。

「数日後、新聞『USAトゥデイ』は「歯の妖精プロジェクト」についての長い記事を掲載した。これはRPHPにとって新たな突破口となった。というのは、『USAトゥデイ』は米国の新聞のなかで発行部数が最大(200万部以上)だったからである。その記事はX射金の歯のストロンチウム90平均値のかなりの急増は、放射能汚染によってのみ説明でき、原子炉によってのみ説明できるというRPHPの結論を伝えていた。当然、研究の反対者からの引用もあったが、元エネルギー省職員ロバート・アルバレスのコメントもそのひとつであった。アルバレスはRPHPの主張に完全に納得したわけてばないが、「乳歯のストロンチウム90と小児ガンのあいだには相関があるかもしれない」と述べていた。」

原発開発をしたコロンビア大学、その研究者たちは、医学論文でストレスが高いガン発生率の原因だという……。ボクには理解できません……。他のストレスの高い人たちも、そうでないとガッテンできませんね。

【福島】「「子どもに20ミリシーベルト」についての疑問と私見」戸田清。
山下俊一と重松、ダブル・スタンダード。下「」引用。

「福島原発事故後に福島県放射線リスクアドバイザーおよび福島県立医科大学副学長に就任した元長崎大学教授の山下俊一氏は、重松氏とは間接的な師弟関係にあれると聞くが、福島のある講演会で、「放射線の影響は実はニコニコ笑っている人には来ません。クヨクヨしている人に来ます。これは動物実験で明らかになっています」と話したそうである。ちなみに山下氏は医師向けの文書では「10~100ミリシーベルトの間で発ガンのリスクを否定できない」と書いていたにもかかわらず、福島県民には100mSvまでは妊婦も安全と繰り返し説明したそうである。-略-」

index

日本甲状腺学会理事長・山下俊一。下「」引用。

「10月9日、福島県は、18歳以下の子ども36万人の甲状腺エコー検査を生涯行なうことを決めた。しかし、エコー検査とは、腫瘍やガンの発見のためのものであり、その前に起こる様々な異変も検知するには、血液検査も必要である。子どもたちががんになるまで待つというのであろう佳品 しかもあまり知られていないことだが、日本甲状腺学会の理事長は、前述の山下俊一氏である! このことはいったい何を意味しているのだろう。」

index

index

「ホルミシス効果」一時的。下「」引用。

「ちなみにホルミシス効果は一時的で永続性がないことが共通する特性としてあげられており、放射線防護に反映することはできないとされている(放射線医学総合研究所編『虎の巻 低線量放射線と健康影響』)。従って、低レベルの放射線を継続的にさらされている今日の日本では、ホルミシス効果は決して当てはめてはならない害のある理論なのである。」

【アマゾン】トンデモ本と書評削除。下「」引用。

「ところで、放射能に関するトンデモ本は、国内本だけに限らない。海外からの翻訳本でも驚くような内容の本が出てくる。その最たる例が、オックスフォード大学名誉教授ウェード・アリソン著『放射能と理性』である。この本は、文字通りに殺人的な本で、原子力をいまだに強力に推進すると共に月に100ミリシーベルト、生涯で5シーベルト(半数致死量以上)受けても良い、という本である。さっそく私は星ひとつの評価をつけ、「数値があまらに非科学的であること、もしその理論を自分で正しいと思うなら、アリソン教授ご自身が5シーベルトを受けるまで福島に長期滞在して自身の理論を証明したらどうか?」と書いたところ、またたく間に書評自体が消されてしまった。2度、3度と投稿しても消されてしまうのである(2度目の投稿では70人以上、3度目の投稿では50人以上の人が参考になったボタンを押してくれたにもかかわらずである)。」

ネジ曲げ書評。下「」引用。

「アマゾンでは他にも不思議なことが起きている。肥田舜太郎医師と私(*戸田清)の共訳書である『人間と環境への低レベル放射線の脅威』へのカスタマーレヴューでは「突風」というニックネームの書き手が、星ひとつという最低のランクをつけた上で、専門家であるかのように、ペトカウ効果の科学論文を引用した上で、同書の内容とはまったく正反対のことを述べた上で批判している。既に活字となっている本の内容をねじ曲げて紹介し、まだ読んでいない人々を欺こうとしているのだ。
 後から気づいたことだが、このアマゾン上の人物は、本書の姉妹本である『低線量内部被曝の脅威』にも、星ひとつと共に、「確かにトンデモ本」というタイトルで、専門知識があるがごとく、統計学のカタカナ用語をちりばめながら、内容的にはまったくのでたらめを書き、批判している(米国で司法省および環境保護庁に雇われていた統計学者の故グールド氏が天国でさぞかし苦笑していることただろう)。さらに肥田舜太郎氏と鎌仲ひとみ氏の共著である『内部被曝の脅威』にも意味の通じない酷評を載せていた。やり方が同じである。私の友人たちも、この「突風」氏のカスタマーレビューには、「違反報告」のボタンを押したが、「強力な原発推進論者」であるアリソン博士に対する私の書評のように、消されてしまうことはないようなので、ご興味のある方は覗いてみていただきたい。」

index

赤ちゃんとマスク。下「」引用。

「一番放射能に弱い赤ちゃんは、マスクをじっとつけてなんてくれない。」





index



index

index

index

目 次



エンタメ@BlogRanking




最新の画像もっと見る

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。