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君たちは戦争で死ねるか-小林よしのり『戦争論』批判-

2009年09月08日 | 読書日記など
『君たちは戦争で死ねるか-小林よしのり『戦争論』批判-』
   大日方純夫、他・著/大月書店1999年

帯に書かれてあります。下「」引用。

「『戦争論』の虚構と歴史の真実
「大東亜戦争」を肯定し、
戦争で死ぬことを賛美する
『戦争論』の虚構を、歴史の事実と
資料にもとづきながら、
一つ一つあばいていく。」



「自由主義史観」と戦争のプラス面を描く……。下「」引用。

「第一一章から第一四章まではかなり個別的な内容で、「自由主義史観研究所」(-略-)などが問題としてきた事柄をいくつかとりあげています。「平和博物館」や「ニセ写真」問題をとりあげ、また、「慰安婦」の証言はいい加減だ、中国帰還者は洗脳されていると主張します。-略-戦争の悲惨さとか残虐性ではなく、あくまで戦争のプラス面を描きだそうというのです。」

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「慰安婦問題」で資料がない? 下「」引用。

「こうしたなかで八月、小林よしのり氏も雑誌掲載の「新・ゴーマニズム宣言」で、はじめて「慰安婦」問題をとりあげます。その趣旨は、「慰安婦」というのはじつは資料がなく、あやふやだというもので、「自由主義史観」などの主張と共通するものでした。政治的な潮流とタイアップするかたちで、漫画を通じて多くの読者に「慰安婦」問題なるものを伝える役割を果たすことになりました。-略-」

どうして、そんなことが書けるか、さっぱりわからない。公的なものというのなら、赤紙でさえほとんどが燃やされているのでは?

しかし、戦中の小説にも書かれてあり、従軍した小津安二郎も書き残し、中曽根康弘元将校も書き残しているのに……。資料がないというのは全く理解できないという人がいても不思議ではない。

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司馬遼太郎のいわゆる本人は認めていないが、司馬史観を持ち出し、自由主義史観を賛美。
--読者からも小林に批判の手紙がきたようだ。
もちろん、司馬遼太郎は「自由主義史観」などではない。
そして、司馬史観も「サヨク」だと書かれていたそうです。
もちろん、司馬さんはサヨクでもない……。

ヒトラー……。下「」引用。

「どうぞわしをファシストとののしってください、という気持ちだよ。-略-『ゴー宣』をプロパガンダに利用しようとしたら、後で恐ろしいことになるだろう… それは『よしりん』への信奉者を作ってるだけなのだから、わしの出方しだいではヒトラーになる」

……おどし?

小林の作品は戦争プロパガンダ、そのものだという人たちもいますね……。

三流大学は小林よしのりを読んでいないと罵倒。下「」引用。

「彼の言い方によると、いわゆる「三流大学」ではこの本を読んでない。読んでも難しくわからないと言われる。ところが非常に頭のいい学生がむしろ読んでいるというわけです。」

カルトと同じでは?
三流大学の学生は騙されない。世間の常識をもっているから……。
それに、カルトにだまされるのは、差別主義者。エリート意識のある人は騙しやすいとか……。

特攻も事実ではなく戦争プロパガンダ……。下「」引用。

「彼は「特攻隊」の「公」に命をかけた勇気に感動しながら、ポリスの“市民”が共同防衛の義務を負っていた例をあげ、「まさしく特攻隊こそが祖国を防衛する義務を負って死んでいった“市民”である“市民”になれしょくん!」(三六○ページ)と叫んでいます。-略-天皇制国家と古代ギリシャのポリスとでは時代も国家の質もまったく異なっているという歴史的事実を無視しています。-略-」

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著者たちの結論。下「」引用。

「以上に述べてきたことを踏まえて小林氏の『戦争論』の歴史的な位置について見直してみると、それは少なくとも二つの虚構の上に成り立っていると言えます。
 第一は、今日の戦争が国を守るため、国益のために戦われる戦争だという虚構です。
 第二は、二○世紀における戦争の廃絶と平和のための努力の歴史的な到達点をまったく踏まえず、いまだに戦争必然論・不可避の立場に立っていることです。これは今日の世界の到達点から遊離した虚構の論理です。それと関連して、戦争の手段の制限に関する国際的合意をまったく無視していることも指摘しておかなくてはなりません。」

一人ひとりが国をつくっていく……。下「」引用。

「歴史をつくるのは私たち一人ひとりです。戦争への道にむかって逆戻りするのか、平和への道をしつかりと踏みかためるのか、その選択は私たち一人ひとりにかかっています。」










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